僕の勝手なBest10:『T-Rex』-第5位:『Metal Guru』 をご紹介!

「僕の勝手なBest10」、今回は『T-Rex』編です。

そこで今回は、まずはT-Rexについて、各記事の冒頭に紹介文を掲載しますので、今後のランキングを続けて読まれる方は、この部分は毎回同じですので、読み飛ばしていただいて結構です。( ;∀;)

T. Rexとは・・・・!

T. Rexは、マーク・ボランを中心に結成されたイギリスのロックバンドで、1970年代にグラムロックを代表する存在として大きな成功を収めました。

元々はサイケデリック・フォーク的な「Tyrannosaurus Rex」として活動していましたが、1970年にバンド名を短縮し、よりシンプルでダンサブルなロックサウンドへとシフトしました。

「Ride a White Swan」がヒットすると、一気にグラムロック・ムーブメントの中心へと躍り出ます。
彼らの音楽は、シンプルなリフとグルーヴ感が特徴で、「Bang a Gong (Get It On)」「20th Century Boy」「Metal Guru」などの楽曲は、今もなお多くのアーティストに影響を与えています。
ボランのカリスマ性と煌びやかなスタイルは、デヴィッド・ボウイやスージー・スーらにも大きな影響を与えました。

しかし、彼は1977年に29歳の若さで交通事故により急逝しました。
それでも、T. Rexの音楽は今も色褪せることなく、多くのファンに愛され続けています。

僕の勝手なBest10:T-Rex編-第5位は-『Metal Guru』 です。 

🎵 クレジット
Provided to YouTube by CRIMSON TECHNOLOGY, Inc.
「METAL GURU」 · T.Rex
収録アルバム:The Slider
℗ Spirit Services Holdings S.A.R.L. o.b.o. SpiritCatalogue Holdings, S.A.R.L.

💡 2行解説
1972年リリースの『The Slider』収録曲で、T. Rex黄金期を象徴するグラムロック・アンセム。
マーク・ボランのカリスマ性と華やかなサウンドが頂点に達した代表作のひとつです。
🎵 クレジット
Provided to YouTube by T.Rex
「Metal Guru」 (Top of the Pops 28/12/1972)
© 1972 T.Rex under exclusive license to Demon Music Group Ltd.

💡 2行解説
1972年のBBC番組『Top of the Pops』で披露された伝説的パフォーマンスをHDリストアした公式映像。
グラムロック全盛期のエネルギーをそのまま閉じ込めた、マーク・ボラン絶頂期の記録です。

T-rex「Metal Guru」の魅力と影響—知られざる逸話を探る

1972年にリリースされたT-rexの「Metal Guru」は、グラムロックの象徴的な楽曲であり、バンドの黄金期を飾る一曲です。キャッチーなメロディとパワフルなギターリフ、そしてマーク・ボランのカリスマ的なボーカルが融合し、イギリスの音楽シーンに大きな足跡を残しました。

この楽曲の背景には、1970年代初頭の音楽的・文化的な変革や、ボラン自身の思想や美学が色濃く反映されています。本記事では、「Metal Guru」が果たした音楽的役割や、その知られざる逸話を深掘りし、楽曲の持つ革新性と時代背景について考察します。


音楽シーンの転換点としての「Metal Guru」

「Metal Guru」は、アルバム『Slider』の収録曲として発表された後、シングルカットされ、イギリスのシングルチャートで1位を獲得しました。これはT-rexにとって4作連続のナンバーワンヒットであり、グラムロックが一大ムーブメントとして確立されるきっかけともなりました。

当時の音楽シーンでは、プログレッシブ・ロックやハードロックが台頭し、複雑な構成や演奏技術を重視する楽曲が主流となっていました。しかし、T-rexはあえてシンプルでダイナミックな音作りを追求し、派手な衣装やステージパフォーマンスとともに、新たな音楽の方向性を提示しました。このスタイルは後のパンクロックやニューウェーブにも影響を与え、ロックミュージックの流れを変える契機となりました。

特筆すべきは、ボランがギターリフの作り込みに対して非常に緻密なアプローチを取っていた点です。一部の音楽研究者は、「Metal Guru」のリズムパターンに数学的な構造が隠されていると指摘しており、楽曲の背後には単なるロックンロールを超えた音楽的実験が行われていた可能性があります。


「Guru」という言葉が示すもの—東洋思想とスピリチュアルな影響

「Metal Guru」というタイトルにある「Guru」は、ヒンドゥー教や仏教における導師(精神的指導者)を意味する言葉です。1970年代初頭は、ビートルズがインドのマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーと交流を持ち、ジョージ・ハリスンがシタールを取り入れるなど、ロックミュージシャンの間で東洋思想への関心が高まっていた時代でした。

ボラン自身も、音楽を通じてスピリチュアルな要素を表現しようとした可能性があります。「Metal Guru」の歌詞は決して明確なストーリーを持たないものの、その抽象的な表現が聴き手の想像力をかき立て、精神的な高揚感をもたらします。彼は単なるロックアイコンではなく、一種の「音楽的預言者」としての役割を果たそうとしていたのかもしれません。

また、当時のファンの間では、ボランのファッションやステージパフォーマンスが宗教的なカリスマ性を持つものとして受け止められることもありました。彼の存在そのものが「Metal Guru」だったとも言えるでしょう。


シンプルながら奥深い楽曲構成

「Metal Guru」の構成は一見シンプルですが、そのサウンドには独特の厚みがあります。アコースティックギターとエレキギターの重ね方や、ドラムのリズムのキレの良さは、T-rexの楽曲の中でも特に際立っています。

また、ボーカルの録音方法にも特徴があります。当時のスタジオ技術を駆使し、ボランの声に微妙なエコーをかけることで、幻想的な雰囲気を生み出していました。この技法は後のシューゲイザーやドリームポップの先駆けとも言えるものであり、意図せずして後世の音楽ジャンルに影響を与えている点も興味深いところです。


視覚的インパクト—ミュージックビデオとファッションの革新

「Metal Guru」は、音楽だけでなく、そのビジュアル表現においても革新的でした。当時のミュージックビデオはまだ黎明期でしたが、T-rexの映像作品はサイケデリックな要素をふんだんに取り入れ、映像と音楽を融合させる試みがなされていました。

また、ボランのファッションも大きな影響を与えました。派手な衣装やアイシャドウを施したメイクは、当時の保守的な価値観に挑戦するものでもあり、後のデヴィッド・ボウイやプリンス、さらには現代のアーティストにも受け継がれるスタイルの基盤を築きました。


「Metal Guru」が持つ社会的意義

1970年代初頭のイギリスは、経済的な停滞と社会的不安が広がる中で、若者たちが自分たちのアイデンティティを模索していた時代でした。T-rexの音楽は、そうした若者たちに向けて、「自分らしく生きること」の大切さを伝えるメッセージでもあったのです。

また、T-rexのライブは単なる音楽の場ではなく、若者たちが集い、共感し合う場としての意味も持っていました。「Metal Guru」が多くのファンにとって特別な楽曲である理由は、そのエネルギッシュなサウンドだけでなく、時代の空気を象徴するアンセムとして機能していたからにほかなりません。


まとめ—T-rexと「Metal Guru」の遺産

マーク・ボランの死によりT-rexは1977年に終焉を迎えましたが、「Metal Guru」は今なお多くのアーティストに影響を与え続けています。シンプルながら力強いメロディ、神秘的な歌詞、そして圧倒的なカリスマ性は、時代を超えて愛される要素を持ち続けています。

現代の音楽シーンでも、「Metal Guru」はカバーやリミックスの対象となり、その魅力は新たな形で受け継がれています。また、グラムロックというジャンル自体も、ファッションやアートの領域で再評価されており、ボランの革新的なアプローチは今なお新鮮な影響を与えています。

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