🎸僕の勝手なBest10【フリートウッド・マック編】第2位『Go Your Own Way』をご紹介!

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🎸僕の勝手なBest10【フリートウッド・マック編】第2位『Go Your Own Way』をご紹介!

静かな週末の夜、自分だけの時間に浸るように音楽を選ぶとしたら──フリートウッド・マックの『Go Your Own Way』はどうだろうか。・・・なんでキザですか?

本楽曲は、【フリートウッド・マックの僕の勝手なBest10】において第2位に選出した一曲です。1976年に録音され、翌1977年に発表されたこの作品は、内紛と情熱が交錯するバンドの真髄を象徴しています。今夜はこの楽曲を、時代背景から音楽的構造、歌詞の意味、さらには現在の再評価まで深掘りしてご紹介しましょう。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(日本語)
🎵 Fleetwood Mac - Go Your Own Way (Official Audio)
📅 公開日: 2019年4月3日 📀 収録アルバム:『Rumours』(1977年)
🎙️ 作詞・作曲: Lindsey Buckingham
📝 2行解説(日本語)
💬 別れの痛みと前進への決意をストレートに綴ったロックの名曲。
荒々しいギターと感情むき出しのボーカルが、傷心と自由の間で揺れる心を描き出す。
🎬 公式動画クレジット
🎥 Fleetwood Mac – “Go Your Own Way (Official Music Video)”
公開元:Fleetwood Mac公式YouTubeチャンネル
発表:1977年アルバム『Rumours』収録曲
映像公開日:2018年9月27日
レーベル:Warner Records
📝 2行解説
バンド内の複雑な人間関係から生まれたフリートウッド・マックの代表曲。
痛みと決別を軽快なメロディに乗せ、自由への旅立ちを力強く描いています。

楽曲の基本情報とフリートウッド・マックの背景

『Go Your Own Way』は、アルバム『Rumours』に収録されたリードシングルで、1976年12月に録音され、1977年1月7日にリリースされました。作詞・作曲はリンジー・バッキンガム、プロデュースはケン・カイラットとリチャード・ダシュートが手がけました。

フリートウッド・マックは1967年にイギリスで結成され、当初はブルースバンドとしてスタートしましたが、1970年代にクリスティン・マクヴィー、スティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガムが加わることで、ポップロック色の強いバンドへと変貌を遂げました。

アルバム『Rumours』は全世界で4000万枚以上を売り上げ、グラミー賞を受賞した大ヒット作品です。その中でも『Go Your Own Way』は、全米チャート10位、UKチャート38位という高い評価を受けました。

1976〜77年の時代背景:日本と世界の動向

日本の社会と文化

1976年、日本は高度経済成長の最終段階にあり、都市化と消費文化が進展していました。ロックフェラーセンターに日本文化センターが設立され、国際的な文化交流が盛んになった年でもあります。1977年5月には成田空港が開港し、その反面で激しい反対運動が社会の緊張を象徴していました。テレビでは『おれは男だ!』などの青春ドラマが人気を集め、ピンク・レディーの「UFO」や松田聖子の「裸足の季節」がヒットチャートを賑わせていました。

世界の動きと音楽シーン

アメリカでは建国200周年が祝われ、1977年にはジミー・カーターが大統領に就任しました。エネルギー問題や冷戦構造が依然として影を落とすなか、ディスコミュージックが大流行し、ビージーズやKC & ザ・サンシャイン・バンドがチャートの常連となっていました。一方で、セックス・ピストルズなどのパンクバンドも台頭し、若者たちの反体制の声が音楽に表れていました。

そんな中で登場した『Go Your Own Way』は、情熱的なロックバラードとして、異なる音楽潮流の中でも際立った存在感を放っていました。

誕生の背景:内紛と情熱の記録

この曲が生まれた背景には、バンド内の複雑な人間関係が深く関わっています。1976年、フリートウッド・マックはアルバム『Rumours』のレコーディングに取り組んでいましたが、ジョン・マクヴィーとクリスティン・マクヴィーの離婚、そしてスティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムの破局といった出来事が重なっていました。(毎回登場しますね、このフレーズは!)

リンジー・バッキンガムは、自身の感情を曲に込め、アコースティックギターで作ったデモを、ミック・フリートウッドのドラムとジョン・マクヴィーのベースとともに仕上げていきました。スティーヴィー・ニックスは歌詞の内容に異議を唱えましたが、バッキンガムは「これは私の真実だ」と譲らず、結果的にバンドの内紛を象徴する1曲となりました

メロディーの特徴と演奏の魅力

『Go Your Own Way』は、イントロのシャープなギターリフで始まり、一気に聴く者の心を掴みます。4/4拍子のリズムに乗せて疾走感のある展開が続き、感情の高まりを演出しています。コード進行はシンプルながらも力強い構成で、特にサビの「You can go your own way」というフレーズは、聴く人の心に残ります。

ドラムはミック・フリートウッドが力強く叩き、ベースのジョン・マクヴィーが曲全体に安定感をもたらしています。間奏のギターソロも印象的で、リンジー・バッキンガムの技量が存分に発揮された部分です。

ボーカルとハーモニー:魂のこもった表現

リンジー・バッキンガムのボーカルは、怒りと切なさが混在する複雑な感情を見事に表現しています。Aメロでは抑制されたトーンで語りかけ、サビでは感情が爆発します。特に「If I could, baby, I’d give you my world」という一節には、別れへの悲しみと未練がにじみ出ています。

スティーヴィー・ニックスとクリスティン・マクヴィーによるハーモニーは、バッキンガムの感情を包み込み、楽曲全体に奥行きを与えています。この三者の声の重なりが、バンドの結束力をも印象づけてくれます。

歌詞の世界観:別れと前進のメッセージ

歌詞の核にあるのは「別れ」と「自立」です。「You can go your own way」は、相手に自由を認めつつ自分の道を歩む覚悟を示しています。「Packing up, shacking up is all you wanna do」という表現には、怒りや皮肉、そして諦めが込められています。(1977年当時、米国でこの“shacking up”はややスキャンダラスな意味を持ち、スティーヴィー・ニックスが実際に不快感を示した事実があります。)

この歌詞は、スティーヴィー・ニックスとの関係を背景にしたパーソナルな作品であり、当時の聴衆にも強く響いたメッセージでした。

フリートウッド・マックの個性:内なる対立と創造の融合

この楽曲は、フリートウッド・マックの創造性の真髄を象徴しています。バンドのメンバー間での人間関係が崩壊しながらも、その緊張感をエネルギーとして音楽に昇華させる姿勢は見事です。

リンジー・バッキンガムのギター、ミック・フリートウッドのドラム、ジョン・マクヴィーのベース、そしてスティーヴィーとクリスティンのコーラスという組み合わせが、バンドの個性を強く打ち出しています。

1970年代後半の音楽トレンドとの関係

当時の音楽業界では、ロックのほかにディスコ、フォーク、パンクといったさまざまなジャンルが共存していました。ビージーズやドナ・サマーのディスコソング、ジョーン・バエズのフォーク、セックス・ピストルズのパンクなどが台頭していた中で、フリートウッド・マックの『Go Your Own Way』は、感情のこもったロックバラードとして独自の位置を築きました。

イーグルスの『Hotel California』などと並び、1970年代のロックの名曲として多くのリスナーの心に残る存在です。

国内外の反響と再評価

日本では、FMラジオを通じてこの曲が多くの若者に親しまれ、アルバム『Rumours』の輸入盤はレコード店で大ヒットしました。バンドの来日公演も話題を呼び、熱狂的な支持を得ることとなりました。(何度でも書きます。この武道館コンサートに僕は行きました!!!)

一方、アメリカではバンドの内紛がゴシップとしても注目され、楽曲が「別れの賛歌」として語られました。2020年代にはNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』で使用されたことで、ストリーミング再生数が急増し、新たな世代にもその魅力が広まりました。

2025年に再び注目される理由

2024年にリリースされたリマスター版では、音の解像度が向上し、ギターやドラムがより鮮明に聴こえるようになりました。バッキンガムの声も一層際立ち、「自分の道を進む」というテーマが現代の若者にも共感を呼んでいます。

X(旧Twitter)などSNSでは、「この曲に救われた」「心の整理ができた」という声が多く投稿されており、『Go Your Own Way』は2025年現在も、多くの人の心を揺さぶり続けています。

総括:今こそ聴いてほしい一曲

『Go Your Own Way』は、1970年代のバンド内の葛藤から生まれた名曲ですが、そのメッセージは今なお普遍的です。自立と再出発の象徴として、世代を超えて愛され続けています。

週末の夜、静かな時間にぜひこの曲を聴いてみてください。あなたの背中をそっと押してくれるような力を感じられるはずです。

『Go Your Own Way』Fleetwood Mac)―:意訳

君を想う気持ちは本物なのに、それが正しいとも、報われるとも限らない。
どれほど心を尽くしても、君の心には触れられない。
それでも願わずにはいられない。
「もしも叶うなら、僕のすべてを君に贈りたい」
だけど――君はそれを、もう受け取ってくれない。

君は君の道を行けばいい。
それが孤独な日々だとしても、それが君の答えなのだろう。
僕はただ、その理由を知りたかった。
なぜすべてが変わってしまったのか。
君が荷物をまとめて去っていく姿は、あまりに静かだった。

君のために開けておいた扉は、もう意味をなさない。
「君は君の道を行けばいい」
その言葉を、僕は何度も繰り返し飲み込む。
そしてまた、君は振り返らずに歩き出す。
――たとえ心が千切れそうでも、それが君の選んだ明日ならば。

by Ken


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