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僕の勝手なBest15:【長渕剛】編-第12位『二人歩記』をご紹介!
長渕剛の楽曲の中から、僕が勝手に選ぶBest15の第12位として、今回は『二人歩記』を紹介します!過去との決別と新たな旅立ち、そして愛する人との絆を描いたこのフォークバラードは、長渕剛のリアルな感情が詰まった名曲です。まずは、情感あふれる歌声を動画でチェックしてみてください!
長渕剛『二人歩記』:スタジオ録音バージョンで、じっくりと歌詞とメロディに浸りたいときにぴったりです。
長渕剛『二人歩記』ライブ映像
ライブバージョンで、長渕剛の熱いパフォーマンスが楽しめます。観客との一体感も感じられる素晴らしい映像です。2つ紹介します。
長渕剛のプロフィール:日本の音楽シーンを牽引するシンガーソングライター
長渕剛(ながぶち つよし)は、1956年9月7日生まれ、鹿児島県出身のシンガーソングライター、俳優、詩人、そして人権活動家です。1978年にシングル「巡恋歌」で本格デビューし、翌1979年にファーストアルバム『風は南から』をリリース。1980年には「順子」がオリコンチャート1位を獲得し、一躍人気アーティストの仲間入りを果たしました。1980年代を通じて「乾杯」「とんぼ」など数々のヒット曲を連発し、1990年代には『JAPAN』や『Captain of the Ship』といったオリジナリティ溢れるアルバムをリリース。ソロアーティストとして12枚のオリジナルアルバムでオリコンチャート1位を獲得するなど、日本の音楽シーンに大きな足跡を残しています。
長渕剛は音楽だけでなく、俳優としても活躍。テレビドラマ『家族ゲーム』や映画『オルゴール』などで主演を務め、その演技力も高く評価されています。また、2011年の東日本大震災後は復興支援に尽力し、被災地向けのラジオ番組「長渕剛 RUN FOR TOMORROW 〜明日に向かって〜」を立ち上げたり、航空自衛隊松島基地で自衛隊員激励ライブを行うなど、社会的な活動にも力を入れています。2015年には富士山麓で10万人を集めたオールナイトライブを成功させるなど、その影響力と集客力は今も健在です。

石野真子とのエピソードと『二人歩記』の制作背景
長渕剛と石野真子は、1980年にニッポン放送のラジオ番組『長渕剛のオールナイトニッポン』で出会いました。この番組は、長渕剛がパーソナリティを務めており、石野真子がゲストとして出演したことがきっかけで二人は意気投合。長渕剛は以前から石野真子のファンで、1978年に福岡県北九州市のライブハウスで「俺は将来、石野真子を嫁さんにする」と公言していたほどでした。その言葉通り、1981年6月に婚約を発表し、同年8月に石野真子は芸能界を引退。1982年1月22日にハワイで結婚式を挙げました。結婚式の仲人は、長渕剛の恩師である吉田拓郎と浅田美代子夫妻(当時)が務め、盛大な式となりました。(吉田拓郎と浅田美代子夫妻も離婚しちゃいましたね!人生色んなことがあって当たり前なんです。)
『二人歩記』は、1981年10月21日に東芝EMIのエキスプレスレーベルからリリースされた長渕剛の8枚目のシングルです。この曲は、アルバム『Bye Bye』(1981年)からのシングルカットですが、初出は同年リリースのライブアルバム『長渕剛LIVE』に収録されたライブバージョンです。作詞・作曲およびプロデュースは長渕剛自身が手掛け、編曲は徳武弘文と瀬尾一三が担当。アコースティックギターを主体としたフォークバラードで、伸びやかで朗らかなボーカルとシンプルなギターサウンドが特徴です。途中からストリングスが加わり、ドラマティックな展開を見せる楽曲となっています。
この曲の制作タイミングは、長渕剛と石野真子の婚約が決まった時期と重なります。『CDジャーナル』では、「石野真子との結婚が決まった際の心境がテーマ」と記されており、長渕剛が石野真子との未来を思い描きながら制作した楽曲であることがわかります。1981年6月に婚約を発表し、同年8月に石野真子が芸能界を引退した後、10月に『二人歩記』がリリースされたことから、婚約から結婚に至るまでの希望と愛情に満ちた時期を歌にしたものと考えられます。タイトル『二人歩記』も、二人が共に歩む未来を象徴しているのでしょう。

しかし、二人の結婚生活は長くは続きませんでした。1981年8月の婚約から1982年1月の結婚、そして1983年5月に離婚するまでの婚姻期間は、わずか1年4ヶ月ほど。離婚の原因としては、長渕剛の家庭内暴力(DV)や、石野真子と長渕剛の母親との確執が挙げられています。石野真子は離婚後、芸能界に復帰し、女優として再び活躍の場を広げました。一方、長渕剛はこの時期に『Bye Bye』や『時代は僕らに雨を降らしてる』といったアルバムをリリースし、音楽活動に力を注いでいました。
当時僕は長渕剛も石野真子も、両方とも好きでしたので、理由はどうあれ多少ショックで残念でいたね。
歌詞の紹介と解釈
『二人歩記』の歌詞は、過去との決別と新たな一歩を踏み出す主人公の心情を繊細に描いています。以下に、提供された歌詞を正確に引用しながら、その内容を深く掘り下げてみましょう。
1番:過去との別れと旅立ちの準備
住み慣れた部屋を 今日限りひきはらい
また、次の場所へ 行こうと思うんだ
最後の荷物を 車に積み込んだら
いろんな想い出が ふと通りすぎた
歌詞の冒頭では、主人公が住み慣れた部屋を去る決断をします。「今日限りひきはらい」という表現からは、物理的な引っ越しだけでなく、過去の生活や記憶との決別が感じられます。荷物を車に積み込む行為は新たなスタートを切るための具体的な行動ですが、「いろんな想い出が ふと通りすぎた」とあるように、過去の記憶が一瞬にして蘇る様子が切なく表現されています。この部分は、長渕剛が新たな生活を始める決意と、過去への未練が交錯する心情を反映しているのでしょう。
2番:君との思い出と一時的な温もり
ひとり暮らしの 僕に君は どんな時でも
花一輪の優しさを 持ってきてくれた
だけど 朝になれば 夢がさめる様に
短いひとときが 淋しすぎた
ここでは、主人公が一人暮らしの中で「君」と過ごした時間を振り返ります。「花一輪の優しさを 持ってきてくれた」という表現は、君がもたらしてくれた温もりや癒しが、ささやかながらも深い意味を持っていたことを示しています。この「君」は、石野真子を指していると解釈できます。しかし、「朝になれば 夢がさめる様に」と続く部分から、その時間が一時的で儚いものであったことがわかります。夢が覚めるように現実に戻る朝と、君との「短いひととき」の終わりが重なり、主人公の孤独感と淋しさが強調されています。
3番:過去との決別と未来への願い
きのうまでの わざわい事に 別れを告げ
ドアを閉めて 階段を降りる
あぁ 今度こそ しあわせになれます様に
そんな願いで 車はしらせた
時の間(はざま)の 思い出は置いて行こう
「わざわい事(災い事)」という言葉は、過去の辛い出来事や困難を指していると考えられます。ドアを閉める行為は過去との決別を象徴しており、階段を降りて車を走らせることで、物理的にも精神的にも新たな場所へ向かう決意が感じられます。「今度こそ しあわせになれます様に」という願いは、過去の苦しみを乗り越え、未来への希望を抱く主人公の切実な思いを表しています。「時の間(はざま)の 思い出は置いて行こう」というフレーズは、過去を背負い続けるのではなく、手放して前に進む決意を示しています。この部分は、長渕剛が石野真子との結婚を機に新たな人生をスタートさせようとする希望を歌ったものと考えられます。
4番:君との絆と新たな旅立ち
いくつもの夢と いくつものいたわり合が
この街をあとに 長い影を引いて行く
「あなたとの暮らしが 始まるのは いつからなの」
涙するたびに そう問いかけてたね
ここでは、主人公が「君」との関係を振り返りながら、未来への期待を語ります。「いくつもの夢と いくつものいたわり合が」という表現は、過去に共有した夢や互いを思いやる気持ちが、この街に刻まれていることを示しています。「長い影を引いて行く」というフレーズからは、過去を完全に忘れることはできないという複雑な感情も垣間見えます。「あなたとの暮らしが 始まるのは いつからなの」という君の問いかけは、涙と共に語られたものであり、君の不安や期待が伝わってきます。この部分は、長渕剛と石野真子が結婚を控えた時期の、未来への期待と不安が入り混じった心情を反映しているのでしょう。
5番:君との深い結びつき
いつわりのない君の そんな瞳を見た時
うすよごれた 僕の 過去がうつっていた
だからもう君を 死ぬまで 離しはしない
僕は君なんだし 君は僕なんだ
君の「いつわりのない瞳」を見ることで、主人公は自分の「うすよごれた 過去」を直視します。この「うすよごれた 過去」とは、主人公が抱える後悔や過ちを指している可能性があります。しかし、君の純粋な瞳を通じて過去と向き合うことで、主人公は君との絆を再確認し、「死ぬまで 離しはしない」と決意します。「僕は君なんだし 君は僕なんだ」というフレーズは、二人がある種の運命的な一体感を持っていることを強調しており、深い愛情と信頼が感じられます。この部分は、長渕剛が石野真子との結婚を決意した際の強い愛情と覚悟を歌ったものと考えられます。
6番:再び未来への旅立ち
きのうまでの わざわい事に 別れを告げ
ドアを閉めて 階段を降りる
あぁ 今度こそ しあわせになれます様に
そんな願いで 車はしらせた
時の間(はざま)の 思い出は置いて行こう
最後の部分は3番と同じ歌詞が繰り返されますが、ここでは過去との決別と未来への希望がより強く感じられます。繰り返しによって、主人公の決意が強調され、過去を手放して新たな幸せを求める姿勢が明確になります。この繰り返しは、長渕剛が新たな人生への強い意志を再確認する様子を表しているのでしょう。
テーマと感情の流れ
『二人歩記』の中心的なテーマは、「過去との決別」と「新たな旅立ち」です。主人公は一人暮らしの中で感じた孤独や、君との短いながらも温かい時間を振り返りながら、過去の「わざわい事」に別れを告げます。君との絆を通じて過去と向き合い、未来への希望を見出す姿が描かれています。
感情の流れとしては、以下のように進行します:
- 寂しさと切なさ:住み慣れた部屋を去る際の思い出や、君との儚い時間の振り返り。
- 決意と希望:過去の災い事に別れを告げ、幸せを願って車を走らせる。
- 愛情と絆:君との深い結びつきを再確認し、未来を共に歩む決意。
- 再び希望へ:過去を置いて、新たな一歩を踏み出す。
長渕剛の表現力と『二人歩記』の魅力
長渕剛の『二人歩記』は、彼の持ち味であるリアルで情感豊かな表現が存分に発揮された一曲です。歌詞の一語一語に込められた主人公の心情は、長渕剛の力強い歌声を通じてさらに深みを増し、聴く者の心に直接訴えかけます。特に、「僕は君なんだし 君は僕なんだ」というフレーズからは、長渕剛が描く愛の形が強く感じられ、深い感動を与えてくれます。また、アコースティックギターのシンプルなサウンドからストリングスが加わるドラマティックな展開は、長渕剛の音楽的なセンスと表現力の高さを示しています。
多角的な視点:『二人歩記』が映し出す長渕剛の人生
『二人歩記』は、長渕剛の音楽キャリアの中でも重要な転換期に位置する楽曲です。1981年という時期は、長渕剛が石野真子との結婚を控え、プライベートで大きな変化を迎えていたタイミングでした。この曲は、単なるラブソングではなく、長渕剛自身の人生の節目を象徴する作品とも言えます。過去の自分と決別し、新たな未来を切り開こうとする姿勢は、長渕剛がその後のキャリアで貫いてきた「生き様」ともリンクします。
一方で、石野真子との短い婚姻期間とその後の離婚は、長渕剛の人生においても大きな出来事でした。離婚の原因として報じられた家庭内暴力や姑との確執は、当時の長渕剛が抱えていた葛藤や未熟さを示しているかもしれません。しかし、この経験を経て、長渕剛はさらに深い人間性と表現力を身につけ、後の名曲『乾杯』や『とんぼ』を生み出す原動力となったとも考えられます。『二人歩記』は、そんな長渕剛の成長の過程を垣間見ることができる楽曲でもあります。
まとめ
長渕剛の『二人歩記』は、過去の重荷を手放し、愛する人と共に新たな未来を築こうとする主人公の物語です。歌詞には、別れの寂しさや過去の後悔が色濃く反映されていますが、同時に石野真子との絆や未来への希望が力強く描かれています。1981年に婚約が決まった時期に制作されたこの曲は、長渕剛の愛情と決意が詰まったフォークバラードであり、彼の人生の転換点を象徴する一曲です。僕の勝手なBest15の第12位に選んだこの曲、ぜひ動画で長渕剛の歌声を聴きながら、歌詞の世界に浸ってみてください。過去と向き合い、未来へ進む勇気を与えてくれる一曲になるはずです。

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