T. Rexの歴史とマーク・ボランの歩みは、こちらから!
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第1位は『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』です。
いよいよ、T. Rex編の第1位です。僕が選んだのは、1972年の『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション(Children of the Revolution)』です。
理由をひと言で言えば、とにかくカッコいい。
重く刻まれるギター、どっしりとしたリズム、厚みのあるコーラス。そして、その中央に立つマーク・ボランのヴォーカル。
『20センチュリー・ボーイ』や『イージー・アクション』と並んで、僕がT. Rexの中で特によく聴いてきた曲ですが、Best10の最後に1曲だけ残すなら、やはりこの曲です。
超訳
好きなように踊ればいい。 思いきり騒いで、自分を解き放てばいい。 どんな言葉で取り繕っても、 新しい時代を生きる僕たちは、もう騙されない。
まずは、T. Rexの『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』をご覧ください
クレジット T. Rex「チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション」 作詞・作曲:マーク・ボラン 演奏:マーク・ボラン、ミッキー・フィン、スティーヴ・カーリー、ビル・レジェンド 撮影:1972年10月、ロンドン 公開:T. Rex Official Artist Channel 公開日:2020年11月6日 映像:公式HDプロモーション・ビデオ 2行解説 1972年10月にロンドンで撮影された公式プロモーション映像で、マーク・ボランは当時入手したばかりのVeleno製カスタム・アルミニウム・ギターを使用しています。
スコーピオンズによるカヴァー
そしてもう1本。ドイツのハードロック・バンド、スコーピオンズによる『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』です。
T. Rexとは異なる重量感のあるアレンジで聴くと、この曲そのものが持つ骨格の強さがよく分かります。
クレジット スコーピオンズ「チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション」 作詞・作曲:マーク・ボラン オリジナル:T. Rex(1972年) 収録アルバム:『Comeblack』(2011年) プロデュース:ミカエル・ノード・アンダーソン、マーティン・ハンセン 映像:公式ミュージックビデオ 公開:Scorpions Official Artist Channel 2行解説 T. Rexの名曲を、スコーピオンズがより重厚なハードロック・サウンドで再構築したカヴァー。 原曲の印象的なリフとアンセム感を残しながら、クラウス・マイネの力強いヴォーカルによって新たな迫力が加えられています。
1972年9月――全英2位を3週記録した独立シングル
『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』は、1972年9月に英国でシングルとして発売されました。

全英シングルチャートでは最高2位を記録。しかも、その2位を3週にわたって維持しています。
当時のT. Rexは、『テレグラム・サム』『メタル・グルー』を立て続けに全英1位へ送り込み、まさに「T. Rextasy」と呼ばれた熱狂の真っただ中にいました。
その絶頂期に登場したのが、『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』です。
アルバムには収録されなかった
興味深いのは、この曲が当時のオリジナル・スタジオアルバムには収録されなかったことです。
1972年7月の『ザ・スライダー』にも、翌1973年3月の『タンクス』にも収録されていません。
T. Rexはこの時期、アルバムとは別に強力なシングルを次々と発表していました。『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』は、その代表例の一つです。
アルバムの宣伝材料としてシングルを出すのではなく、シングルそのものを一つの作品として成立させる。当時の英国ポップシーンを考えるうえでも、この点は見逃せません。
実は複数のヴァージョンが存在する
『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』には、制作時期の異なる複数の録音が残されています。
1972年3月31日には、デンマークのコペンハーゲンにあるローゼンバーグ・スタジオで、12分を超える長いリハーサル・ヴァージョンが録音されました。

さらに同年4月6日には、ロンドンのアップル・スタジオで映画『ボーン・トゥ・ブギー』のための特別なセッションが行われます。
エルトン・ジョンとリンゴ・スターが参加
この映画版でピアノを弾いたのはエルトン・ジョン。そしてドラムには、映画の監督でもあるリンゴ・スターが参加しました。
T. Rexにエルトン・ジョンとリンゴ・スター。
今振り返っても、驚くほど豪華な組み合わせです。
ただし、ここは区別しておく必要があります。
映画『ボーン・トゥ・ブギー』で聴けるエルトン・ジョン、リンゴ・スター参加版と、1972年9月に発売されたシングル版は別の録音です。

シングル版の録音は同年8月、次作『タンクス』へ向けた初期セッションの時期に進められ、その後AIRスタジオでミックスされました。
なぜ、こんなに単純なのに圧倒的なのか
この曲を聴いて最初に感じるのは、やはり音の強さです。複雑なコード進行があるわけでも、長大なギターソロがあるわけでもありません。
しかし、ギターとリズムが生み出す太い土台の上に、ボランのヴォーカルとコーラスが重なると、短い曲とは思えないほど大きなスケールが生まれます。
T. Rexらしさの中にある「アンセム感」
『ゲット・イット・オン』には妖しいグルーヴがあり、『テレグラム・サム』には少し不穏な反復があります。
それに対して、『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』には、大勢で声を合わせたくなるようなアンセムとしての強さがあります。
タイトルそのものが大きく、コーラスも力強い。それでいてT. Rex特有のシンプルなロックンロールの感触は失われていません。

このバランスこそ、僕がこの曲を何度聴いても飽きない理由の一つです。
「革命の子供たち」は何を意味するのか
タイトルを直訳すれば、『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』は「革命の子供たち」です。ただし、この言葉だけを見て政治的な革命を歌った曲だと考えるのは、少し違うように思います。
歌詞は非常に短く、具体的な政治思想や社会制度について語っているわけではありません。
むしろ中心にあるのは、「新しい世代は簡単には騙されない」という、シンプルで力強い感覚です。
踊ること、騒ぐこと、自分を解放すること。そうしたロックンロールらしい言葉のあとに、タイトルとなるフレーズが繰り返されます。
だからこそ、政治的な主張として細かく読み解くよりも、新しい時代を生きる若者たちの自信や反骨心を象徴する言葉として受け取る方が、この曲には自然ではないでしょうか。
リンゴ・スターが記録したT. Rex絶頂期
『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』を語るうえで、『ボーン・トゥ・ブギー』は外せません。
リンゴ・スターが監督したこの映画には、1972年3月18日にロンドンのエンパイア・プールで行われたT. Rexの公演や、スタジオでの特別セッションなどが収められています。

その中で披露される『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』は、通常のシングル版とは違う魅力を持っています。
エルトン・ジョンのピアノ、リンゴ・スターのドラム、そしてマーク・ボラン。
単なるゲスト参加というより、1970年代初頭の英国ロックを代表する才能が、一つのスタジオに集まった瞬間として見ると、その映像の価値がさらに分かります。
そして何より、そこにいるボランが実に楽しそうです。
T. Rexが英国中を熱狂させていた時代の空気が、音だけではなく映像として残されている。その意味でも、『ボーン・トゥ・ブギー』は貴重な記録だと思います。
ハードロックに変えても崩れない曲の強さ
冒頭で紹介したスコーピオンズのカヴァーを聴くと、この曲のもう一つの魅力が見えてきます。
T. Rexの原曲はグラムロックらしい華やかさと独特の軽やかさを持っていますが、スコーピオンズが演奏すると、より重く、ハードロックらしい曲へと姿を変えます。

それでも、『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』であることは一瞬で分かります。
アレンジを変えても曲の核が残る。 これは、原曲そのものの骨格が強い証拠でしょう。
実際、この曲はその後もさまざまなアーティストによって取り上げられ、世代やジャンルを越えて歌い継がれてきました。
僕が第1位に選んだ理由
T. RexのBest10を作るにあたって、第1位を何にするかは最後まで迷う――というほどではありませんでした。
『20センチュリー・ボーイ』も大好きです。『イージー・アクション』も、イントロを聴くだけで身体が反応します。
そして『テレグラム・サム』『メタル・グルー』『ゲット・イット・オン』など、T. Rexには一瞬で彼らだと分かる曲がいくつもあります。
それでも、最後に残るのは『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』です。
ギターが鳴った瞬間の高揚感。ボランの声。そして、あの大きなコーラス。
難しい理屈を並べなくても、聴けば分かる。

「カッコいい。それにつきます!」
元の記事に書いていたこの一言は、今回あらためて記事全体を見直しても、やはり変える必要がありませんでした。
僕の勝手なBest10【T. Rex編】第1位は、『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』。
T. Rexのシンプルなロックンロール、マーク・ボランの華やかさ、そして大勢を巻き込むアンセムとしての力。そのすべてが一つになった、僕にとってのT. Rexナンバーワンです。


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