今日は、ヴィック・ブリッグス(Vic Briggs)の誕生日です。
今日(2025.2.14日)は1945年生まれのヴィック・ブリッグスの誕生日です。
残念ながら2021年6月に亡くなられています。
ザ・アニマルズのリードギタリストとして活躍していました。
今日の紹介曲:『朝日のあたる家』-(アニマルズ)
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60~ |
曲のリリース | 幼稚園 1964 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
この曲のリリースは1964年なので、僕がまだ幼稚園の頃です。
このブログにも時々登場する、洋楽好きの従妹からこの曲も教えてもらったと思いますので、小学校高学年か、中学校の下級生の時ですね。
ファーストインプレッションはというと、特別な印象は記憶にありません。
が、僕の年齢とともに良さが徐々にわかってきて、それ以降現在まで長~いお付き合いをしています。
現役のサラリーマン時代は、付き合いもあってスナックなどでこの曲をよく歌ったものです。
下手でも、割と歌いやすいキーなんですね。(>_<)
アニマルズの「朝日のあたる家」の魅力:時代を超えて響く魂の音楽
1964年、イギリスのロックバンド、アニマルズが発表した「朝日のあたる家(The House of the Rising Sun)」は、単なるカバーソングの枠を超えて音楽史に深い足跡を残しました。
アメリカのトラディショナル・フォークソングを基にしたこの楽曲は、ブルースやロックの要素を巧みに融合し、聴く者に生々しい現実と希望の交錯する世界を提示しています。ここでは、エリック・バートンの歌唱力、バンドの演奏技術、深いメッセージ性、そしてあまり知られていない裏話や背景にまで踏み込んで、その魅力を考察します。
エリック・バートンの歌唱力:魂を揺さぶる声
アニマルズのリードボーカル、エリック・バートンの歌声は、この楽曲において他に類を見ない存在感を放っています。
感情をむき出しにした表現力
バートンの歌唱は、音程や技術を超えた「語りかける力」を持っています。特に「Oh mother, tell your children…」と歌い上げる場面では、声に込められた切実さが聴き手の胸を突き刺します。悲哀や怒り、そして微かな希望が交錯し、リスナーを感情の渦に巻き込むのです。
当時としては革新的な録音技術
録音時、エンジニアたちはバートンの声に自然なリバーブを加え、奥行きとライブ感を演出しました。この試みが功を奏し、聴く者に「歌声が魂を直撃する」感覚を与えました。バートン自身は「歌詞の物語を自分の過去の苦い経験と重ねた」と後に語っており、そのリアリティが楽曲に命を吹き込んでいます。
バンドの演奏技術:絶妙なアンサンブル

「朝日のあたる家」のアレンジは、ブルース、フォーク、ロックが融合した独特のサウンドを形成しています。
アラン・プライスのオルガンの魔法
この曲で最も印象的な楽器と言えば、アラン・プライスが奏でるエレクトリックオルガンです。イントロから始まるオルガンの旋律は、聴き手を古びたニューオーリンズの薄暗い部屋へと誘います。実際、当時のプライスはクラシック音楽の影響を受けており、バッハの「トッカータとフーガ」から着想を得てアプローチを考案したと言われています。
ヒルトン・ヴァレンタインのギターリフ
ギタリストのヒルトン・ヴァレンタインによるアルペジオのギターリフは、シンプルでありながらも緊張感を生み出しています。これはフォークギターのパターンを基盤にしつつ、ブルース独特の哀愁を帯びたアプローチが加わっています。
ドラムとベースのリズムセクション
ドラムとベースは曲のテンポを支えるだけでなく、絶妙なタイミングでアクセントを加え、楽曲全体に重厚感をもたらしています。特にサビ前のフィルインが聴覚的な期待感を高める役割を担っています。
歌詞に込められたメッセージ:絶望と警告
「朝日のあたる家」の歌詞は、放蕩や破滅に警鐘を鳴らす内容を描いています。
人生の警告
歌詞の中で語られる「朝日のあたる家」は、娼館やギャンブルの館としてのメタファーであると解釈されることが多いです。主人公は自身の破滅的な人生を語り、次の世代に同じ過ちを繰り返さないよう訴えかけています。
歴史的背景
元々この曲はアメリカの労働者階級に伝わる伝統的なバラッドで、ニューオーリンズの歓楽街を舞台にしています。アニマルズがロンドンでこの楽曲を再構築したことにより、イギリスの労働者階級の若者にも共感を呼ぶこととなりました。
時代背景:反抗と自由の象徴
1960年代は世界的に社会変革が進む時代でした。
カウンターカルチャーの象徴
ベトナム戦争や公民権運動など、社会が動乱の渦中にあったこの時代、若者たちは既存の価値観に疑問を抱き始めていました。「朝日のあたる家」は、そんな若者たちに「社会の暗部を直視する勇気」を示し、同時に破滅への警告を与える存在となりました。
ボブ・ディランへの影響
ボブ・ディランは当初フォークミュージックを中心に活動していましたが、アニマルズのこの楽曲を聴いてエレクトリックギターを導入し、フォークロックへと転身しました。もしこの曲がなければ、彼の名作「Like a Rolling Stone」は生まれていなかったかもしれません。
知られざるエピソード:偶然の産物が生んだ名曲
この楽曲には、あまり知られていない逸話がいくつか存在します。
一発録りの奇跡
当時、予算や時間の関係で「朝日のあたる家」はわずか一回の録音で完成しました。この「ワンテイク録音」が、演奏に生々しいライブ感を与える結果となったのです。
オルガン奏者が単独で印税を取得
クレジットが「アラン・プライスの編曲」として登録されたため、印税の多くがプライスに支払われることとなり、後にバンド内で摩擦が生まれました。この出来事は、ロックバンドにおける著作権管理の重要性を改めて示すものとなりました。
ヴィック・ブリッグスの役割
後期アニマルズのギタリスト、ヴィック・ブリッグスはバンドのサウンドに多彩なアプローチをもたらしました。彼は「朝日のあたる家」リリース後に参加しましたが、バンドのライブパフォーマンスにおいて、ギターのリフやソロにジャズ的な要素を取り入れるなど、バンドの音楽的な幅を広げる役割を担いました。また、ブリッグスはアメリカツアー中にオルガンのサウンド強化のアイデアを提案し、バンドサウンドの重厚感を高めるきっかけを作ったとされています。
結論:世代を超えて響くメッセージ
「朝日のあたる家」は、エリック・バートンの魂のこもった歌声、バンドメンバーの卓越した演奏、そして時代背景に根ざした深いメッセージによって、半世紀以上経った今も多くの人々の心を捉え続けています。自らの選択が人生に与える影響を問いかけるこの楽曲は、現代に生きる私たちにとっても重要な示唆を与えてくれる作品です。
『朝日のあたる家』-(アニマルズ)
There is a house in New Orleans
They call the Rising Sun
And it’s been the ruin of many a poor boy
And God I know I’m one
My mother was a tailor
She sewed my new blue jeans
My father was a gambling man
Down in New Orleans
Now the only thing a gambler needs
Is a suitcase and trunk
And the only time he’s satisfied
Is when he’s on a drunk
その家はニューオリンズにあって、皆それを”朝日(のあたる家)”と呼ぶんだ
それは貧しいガキを沢山破滅させてんだ 神よ俺もその一人なのは分かってるさ
俺のお袋は仕立て屋でさ 俺の青いジーンズを縫ってくれたんだ
俺のオヤジはギャンブル男だった ニューオリンズ中でやってったな
今、ギャンブル男が唯一必要とするもの、そりゃスーツケースとトランクだ
そしてそいつはある時間だけ満足する それはそいつが酔っている時だよOh mother, tell your children
Not to do what I have done
Spend your lives in sin and misery
In the House of the Rising Sun
ああ、母さん、君の子供に伝えてくれや 俺がしてきた事をしないようにってな
人生を罪と不幸と共に過ごすことになるんだよ ”朝日のあたる家”でなWell, I got one foot on the platform
The other foot on the train
I’m going back to New Orleans
To wear that ball and chain
Well, there is a house in New Orleans
They call the Rising Sun
And it’s been the ruin of many a poor boy
And God I know I’m one
まあ、俺の片足はプラットフォームにあって、もう片足は電車に乗ってんだ
俺はニューオリンズに戻る そのボールとチェーン(*鉄球ついた足枷)を着けて
まあ、その家はニューオリンズにあって皆それを”朝日(のあたる家)”と呼ぶんだ
それは貧しいガキを沢山破滅させてんだ 神よ俺もその一人なのは分かってるさ引用:note~春賀蓮之介 より
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