僕の勝手なBest10:『T-Rex』-第10位:『心はいつもロックン・ロール』 をご紹介!

毎度おなじみ、「僕の勝手なBest10」、今回は『T-Rex』編です。

そこで今回は、まずはT-Rexについて、各記事の冒頭に照会文を掲載しますので、今後のランキングを続けて読まれる方は、この部分は毎回同じですので、飛ばしていただいて結構です。( ;∀;)

T. Rexとは・・・・!

T. Rexは、マーク・ボランを中心に結成されたイギリスのロックバンドで、1970年代にグラムロックを代表する存在として大きな成功を収めました。

元々はサイケデリック・フォーク的な「Tyrannosaurus Rex」として活動していましたが、1970年にバンド名を短縮し、よりシンプルでダンサブルなロックサウンドへとシフトしました。

「Ride a White Swan」がヒットすると、一気にグラムロック・ムーブメントの中心へと躍り出ます。
彼らの音楽は、シンプルなリフとグルーヴ感が特徴で、「Bang a Gong (Get It On)」「20th Century Boy」「Metal Guru」などの楽曲は、今もなお多くのアーティストに影響を与えています。
ボランのカリスマ性と煌びやかなスタイルは、デヴィッド・ボウイやスージー・スーらにも大きな影響を与えました。

しかし、彼は1977年に29歳の若さで交通事故により急逝しました。
それでも、T. Rexの音楽は今も色褪せることなく、多くのファンに愛され続けています。

僕の勝手なBest10:T-Rex編-第10位は-『心はいつもロックン・ロール(THE SOUL OF MY SUIT)』 です。 


THE SOUL OF MY SUIT(T-Rex)の魅力を徹底考察

1970年代の音楽シーンにおいて、T-Rexはグラムロックの旗手として圧倒的な存在感を放っていました。なかでも「THE SOUL OF MY SUIT」は、マーク・ボラン(ボーカル)の独特な世界観と音楽的才能が結晶化した楽曲であり、単なるロックソングにとどまらず、哲学的な深みを備えた作品です。本記事では、この楽曲の背景や時代性、込められたメッセージ、音楽的な革新性、そしてT-Rexが残した影響について深掘りしていきます。

楽曲の背景と時代性

1970年代初頭、ロックはさらなる進化を遂げ、多様なジャンルが交錯する時代でした。ブルース、フォーク、グラムロックなどが混在し、音楽は単なる娯楽ではなく、自己表現の手段として機能し始めます。T-Rexは、この潮流の中でグラムロックの象徴的存在となりました。煌びやかな衣装、艶やかなメイク、そして独自のリズムとメロディーで、彼らは音楽シーンに新たな美学を持ち込みました。

「THE SOUL OF MY SUIT」は1977年にリリースされ、T-Rexの後期の作品に位置づけられます。この楽曲が生まれた時期は、ボランが音楽的にも精神的にも変革を遂げようとしていた時期でした。かつての栄光が影を潜めつつあったT-Rexですが、ボラン自身は新たな創作への意欲を失うことなく、より内省的な作品を生み出そうとしていました。

特にこの楽曲では、自己探求やアイデンティティの再定義といったテーマが浮かび上がります。1970年代後半は、反文化運動や個人主義が台頭する中で、多くのアーティストが自己表現の手段として音楽を用いました。「THE SOUL OF MY SUIT」もその流れを受け継ぎながら、個人の内面と外部世界の関係を探求する楽曲となっています。

「THE SOUL OF MY SUIT」に込められたメッセージ

楽曲のタイトル「THE SOUL OF MY SUIT」には、ボランの特有の詩的感覚が込められています。ここでの「スーツ」は単なる衣服ではなく、自己の外的表現、あるいは社会的アイデンティティの象徴と捉えることができます。ボランは歌詞を通じて、スーツをまとった自分自身を見つめながら、「本当の自分とは何か?」という問いを投げかけています。

この曲では、スーツが鎧のような役割を果たすと同時に、それ自体が魂を宿す存在であるという独特の視点が示されています。ファッションと自己の関係性を深く掘り下げることで、聴く者にも「自分が身にまとうものが、自分自身をどのように映し出すのか?」という問いを投げかけるのです。

また、ボランが表現する「スーツの魂」とは、単なる物質ではなく、そこに宿るエネルギーや記憶を指しているとも解釈できます。彼が人生を通じて変化し続ける中で、スーツはその時々の自分を映し出す鏡のような存在であり、過去・現在・未来をつなぐメタファーとなっているのです。

音楽的特徴と革新性

「THE SOUL OF MY SUIT」の音楽的な特徴は、T-Rexらしいシンプルながらも力強いリズムと、ボランの独特なヴォーカルスタイルにあります。ギターのリフは、彼の初期の作品に比べるとより洗練されており、シンプルなコード進行の中にも計算されたグルーヴが感じられます。

特に、曲の構成に見られる緩急のつけ方は秀逸です。静かに始まりながら、徐々に高まるテンション、そしてサビでの解放感。このようなドラマティックな展開は、当時のロックの中でも特に洗練された手法でした。録音時には、ボランが積極的にスタジオ技術を取り入れ、リバーブやループ効果を駆使して空間的な広がりを演出していたというエピソードも残っています。

また、この楽曲は後のニュー・ウェイヴやオルタナティブ・ロックのアーティストにも影響を与えたといわれています。特にデヴィッド・ボウイやザ・スミスのジョニー・マーなど、T-Rexのギターサウンドにインスパイアされたアーティストは多く、その音楽的遺産は現在に至るまで続いています。

T-Rexの影響とその後の音楽シーンへの波及

T-Rexは、グラムロックというジャンルを確立し、多くのアーティストに影響を与えました。デヴィッド・ボウイ、ラモーンズ、ニュー・ヨーク・ドールズ、後のブリットポップ世代のバンドに至るまで、彼らの音楽スタイルやファッションはさまざまな形で受け継がれています。

特に興味深いのは、T-Rexのライブパフォーマンスが単なる音楽演奏に留まらず、視覚芸術としての側面も持っていた点です。ボランの衣装、照明、ステージ上の動きは、パフォーマンスアートの要素を取り入れた先駆的なものでした。このような試みは、現在のライブパフォーマンスの演出にも影響を与え、現代のミュージシャンがライブでいかに自己表現をするかという点において、大きな示唆を与えています。

また、ボラン自身がファッションを重要視していた点も見逃せません。彼の着こなしは、音楽だけでなくファッションの歴史にも影響を与えました。1970年代のロックファッションが、彼を筆頭とするグラムロックのムーブメントとともに確立されたことは、音楽とファッションの密接な関係を示す好例でしょう。

まとめ

「THE SOUL OF MY SUIT」は、単なるロックソングではなく、ボランの自己探求の旅を映し出す象徴的な作品です。スーツという比喩を通じて、個人のアイデンティティや変化、そして音楽とファッションの融合を描いています。

THE SOUL OF MY SUIT(心はいつもロックン・ロール)

Well you damaged the soul of my suit
You pulled my love out by the roots
But I’m not such a bad boy – oh no

You ravished the runes of my tunes
You put on the gloves of my loves
But you’re not such a bad girl – oh no

Rock and rolled it even strolled it, baby
Rock and rolled it, yeah
Rock and rolled it even strolled it, baby
Rock and rolled it, yeah

I love you, yeah

まあ、お前は俺のスーツの魂を傷つけた
俺の愛を根こそぎ引き抜いた
だけど俺はそんなに悪い奴じゃない――違うだろ?

お前は俺の曲のルーンを荒らし
俺の愛の手袋をはめた
だけどお前もそんなに悪い女じゃない――違うだろ?

ロックンロールして、それからぶらついて、ベイビー
ロックンロールして、そうさ
ロックンロールして、それからぶらついて、ベイビー
ロックンロールして、そうさ

愛してるよ、うん

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