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🎤【5月6日】は吉田 美和の誕生日
吉田美和は、1965年5月6日生まれ、北海道中川郡池田町出身のシンガーソングライターで、音楽ユニットDREAMS COME TRUEのボーカリストとして知られています。彼女は同グループの楽曲の全ての作詞と多くの作曲を手がけ、「未来予想図II」や「LOVE LOVE LOVE」など、数々の名曲を生み出しました。その圧倒的な歌唱力と感情豊かな表現力で、日本の音楽シーンに多大な影響を与え続けています。また、故郷の池田町には、彼女の軌跡をたどることができる「DCTgarden IKEDA」があり、ファンにとっての聖地となっています 。
まずは、この曲を公式のYoutube動画でチェック!
日本語クレジット
DREAMS COME TRUE「未来予想図Ⅱ」
作詩・作曲:吉田美和/編曲:中村正人
音源提供:Sony Music Labels Inc.
℗ 1989 Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
2行解説
DREAMS COME TRUEを代表するラブバラードで、恋人との未来を静かに思い描く温かな名曲。
1989年発表の楽曲ながら、現在も世代を超えて歌い継がれる“ドリカム”屈指のスタンダードです。
日本語クレジット
DREAMS COME TRUE「未来予想図Ⅱ」
作詩・作曲:吉田美和/編曲:中村正人
映像:from DWL2007 Live Ver.
収録映像商品:「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007」
2行解説
2007年の国立競技場公演「DWL2007」から公開された、「未来予想図Ⅱ」のライブ映像。
音楽監督・佐藤博による美しいピアノをフィーチャーし、名曲の温かさをライブならではのスケールで届けます。
日本語クレジット DREAMS COME TRUE「未来予想図 Ⅱ ~VERSION'07~」 作詩:吉田美和/作曲:吉田美和 収録:40thシングル「ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~」カップリング 映像:Live from DWL 2015 Live Ver. 2行解説 名曲「未来予想図Ⅱ」を2007年版として再構築した、DREAMS COME TRUEの代表的ラブバラード。 DWL 2015のライブ映像では、壮大なステージ感と吉田美和の歌唱が楽曲の温かさをより鮮明に伝えます。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
| My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
| 曲のリリース年 | 1989 | ||||||||
| 僕が聴いた時期 | ● |
ちょうど一年前の今日。 吉田美和の誕生日に、『LOVE LOVE LOVE』を紹介しています。
その記事の中で 「・・・ただ甲乙つけがたいのが 『未来予想図Ⅱ』ですね。これもまた大変魅力のある曲。どこかで紹介する機会があると良いのですけど( ;∀;)」
・・・と記載していましたが、なんと1年が経過してやっと紹介できる運びとなりました。
僕がこの曲を初めて聴いたのは、リリース時の1989年だと思います。 社会人9年目、年齢は31歳になっていました。
いつもと同じ忙しい日々を送っていました。
ただ仕事も家庭も割合落ち着いていたころで、在籍していた大分市内の支店勤務も2年を経過しており、当時の支店長に『次の異動では、東京支店に行きたい』と意向を伝えていた記憶があります。(結局、東京ではなく大阪支店に行くことなるのですが・・・!(^^)!)
朝早くから夜遅くまで、ひたすら数字と向き合う毎日。
大分での生活は充実していましたが、心のどこかで「もっと大きなステージで自分の力を試したい」という熱い野心が燃えていた時期でもありました。 東京という大都市でビジネスの最前線に立ちたい。そんな焦燥感にも似た思いを抱えながら、夜に帰宅途中の車の中でふとカーステレオから流れてきたのが、この『未来予想図Ⅱ』でした。

当時の僕は、自分自身のキャリアや人生における「未来予想図」を描き、それを手繰り寄せようとしていたのかもしれません。だからこそ、この曲が歌い上げる「日常の中にある揺るぎない未来」というテーマが、渇いた砂地に水が染み込むように、僕の心に深く浸透していったのだと思います。
特別なドリカムファンということはなかったのですが、シンガーソングライターとしての吉田美和の才能には、同時代の他のアーティストとは全く異なる格別なものを感じていましたね。
1989年という劇的な転換点と「新しいポップス」の誕生
この名曲『未来予想図Ⅱ』が世に放たれた1989年(平成元年)という年は、日本の社会にとっても音楽シーンにとっても、極めて象徴的で激動の転換点でした。
世の中はまさにバブル景気の絶頂期。街中には高級車があふれ、ディスコのVIPルームでは高価なシャンパンがポンポンと空けられ、人々はどこまでも続く右肩上がりの華やかな消費社会を謳歌していました。
田舎の大分市でも同様で、僕が在籍していた銀行の支店でも多くのサラリーマンが借り入れに来て、その資金で株を購入したりしていました。「借金して株を買う」、今思えばリスキーな状況ですが、そんなことをしても資産がどんどん増えていくような本当に異常な時代でした。
歌謡曲からJ-POPへの過渡期
一方で音楽シーンに目を向けると、長らく続いた「歌謡曲」の時代から、後に「J-POP」と呼ばれる新しい音楽の潮流へと切り替わる過渡期にありました。テレビ番組「イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)」が火付け役となり、荒削りでエッジの効いたロックバンドが次々とデビューする空前のバンドブームが巻き起こっていた時期です。
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そんな喧騒と狂熱の時代に、DREAMS COME TRUEは全く新しいベクトルを持った音楽を日本のリスナーに提示しました。それは、アメリカのブラックミュージック、ソウル、そしてR&Bの洗練されたグルーヴを、日本人の琴線に触れる極上のポップ・メロディーへと見事に昇華させた、信じられないほど上質なサウンドトラックでした。
シングルカットされなかった国民的アンセム
驚くべきことに、この『未来予想図Ⅱ』はシングル曲として発売されたわけではありません。1989年11月22日にリリースされた彼らの2枚目の大ヒットアルバム『LOVE GOES ON…』のエンディングを飾る、全10曲中の10曲目として静かに世に出たのです。
大型のテレビCMタイアップや、大々的なプロモーションが最初から用意されていたわけではありません。深夜のラジオ番組でのオンエアや、アルバムを手にしたリスナーたちの熱狂的な口コミからじわじわと火がつき、やがて世代を超えて歌い継がれる国民的なアンセムへと成長していきました。 この特異な軌跡だけでも、楽曲そのものが内包している純粋な力強さと、時代を貫く普遍性が証明されています。

秀逸な歌詞が描き出す、関係性の成長と情景描写の妙
今回歌詞を改めてじっくりと読み返してみると、吉田美和というアーティストの非凡な描写力とストーリーテリングの手腕に、ただただ感嘆するしかありません。
バイクから車へ。乗り物が示す「月日の経過」
楽曲は「卒業してから もう3度目の春」という、極めて具体的なフレーズから幕を開けます。このたった一行だけで、リスナーは主人公たちの現在の立ち位置を正確に把握します。
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そして続く情景描写が、見事としか言いようがありません。 「あの頃バイクで 飛ばした家までの道 / 今はルーフからの星を 見ながら走ってる」
かつては冷たい夜風を全身で受けながらバイクに二人乗りしていた彼らが、今では暖かい暖房の効いた車内に守られ、サンルーフ越しに冬の星空を見上げている。これは単に「給料が上がって車を買えるようになった」という経済的な豊かさの変化を表しているだけではありません。
二人の関係性が、ただ情熱だけで突っ走っていた危うい時期から、互いを穏やかに包み込むような、深く安定した愛情へと成熟したこと。そして二人が共に大人になり、社会の中で自分たちの居場所をしっかりと築きつつある過程を、「乗り物の変化」という視覚的で分かりやすいモチーフを使って完璧に表現しているのです。
ブレーキランプ5回点滅という歴史的「発明」
そして、この曲をJ-POP史に燦然と輝く永遠のマスターピースたらしめている最大の要因が、サビに登場するあのフレーズです。
私を降ろした後 角を曲がるまで 見送ると いつもブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン
夜の静かな住宅街。車から降りた彼女が、走り去る彼の車をいつまでも愛おしそうに見送っている。彼が交差点の角を曲がって見えなくなるその直前、真っ赤なブレーキランプが5回、リズミカルに夜の闇に浮かび上がる。

このフレーズは、当時の日本中の若者たちの恋愛観と行動様式に強烈な魔法をかけました。面と向かって直接「愛している」と言葉にするのは、日本人特有の感覚からするとどうしても気恥ずかしい。しかし、二人だけの秘密の暗号を使えば、その照れくささを軽やかに飛び越えて、より深く、より強い愛情をダイレクトに伝えることができる。
日常のありふれた「車のブレーキを踏む」という無機質な動作を、極めてプライベートでロマンチックな儀式へと変換させるこの魔法に、当時の若者たちは熱狂しました。実際に深夜の交差点でブレーキランプを5回点滅させるカップルが続出し、それが原因で渋滞が起きたり、後続車を困惑させたりしたという逸話は、今でも1989年を象徴する伝説として語り継がれています。
形は変われど、本質は変わらない
さらにこの歌詞が深いのは、これが学生時代の「2人でバイクのヘルメット5回ぶつけてたあの合図」からの延長線上にあるという設定です。 「サイン変わった今も 同じ気持ちで / 素直に 愛してる」
年齢を重ね、生活環境が変わり、愛情の表現方法(サイン)はバイクのヘルメットから車のブレーキランプへと変化しても、根底に流れる互いを思いやる気持ちは1ミリも変わっていない。この確固たる信頼関係と普遍的な愛情が、何年経っても聴く者の胸を強く打つのです。

圧倒的なボーカルと、精密機械のようなサウンド・スケープ
楽曲の力強さを支えているのは、もちろん歌詞だけではありません。吉田美和のボーカルは、まさに天性の才能としか言いようのない凄みを持っています。

低い音域での静かなつぶやきから始まり、サビに向かって一気に天井を突き破るかのように飛翔していく高音域の圧倒的な伸び。彼女の歌声は、細い糸を紡ぐような繊細な表現から、まるで巨大な滝のような力強い声量まで、全くブレることなく声帯をコントロールしています。感情の起伏そのものが音符となって空気を震わせているかのような、ものすごいエネルギーの放射です。
中村正人による緻密なプロデュース
そして、その奇跡的なボーカルを根底で支える中村正人のサウンドプロデュースもまた、精密機械のように計算し尽くされています。
序盤はリズム隊を抑え気味にして静かに進行しつつも、ストリングスやシンセサイザーの音色を幾重にも重ね合わせ、楽曲が進行するにつれて壮大なオーケストレーションへと発展していきます。1989年当時の最新のプログラミング技術を駆使しつつも、決して時代遅れにならない普遍的な音色選びのセンスは脱帽ものです。
特に楽曲の終盤、「ほら 思った通りに 叶えられてく」というフレーズのリフレイン部分では、コーラスワークが重厚な波のように何度も押し寄せ、まるで巨大な映画館のスクリーンに二人の人生のハイライトが映し出されるかのようなスケール感を生み出します。リスナーを感動の渦へと巻き込んでいくこのダイナミズムこそが、極上のポップ・バラードの真骨頂と言えるでしょう。

壮大な「未来予想図」と、足元のささやかな日常
この曲で主人公が心に描いている未来は、決してそのような派手なものではありません。 「きっと何年たっても こうしてかわらぬ気持ちで / 過ごしてゆけるのね あなたとだから」
休日の午後に時々二人で古いアルバムを開き、まだやんちゃだった頃の写真を見て笑い合う。そんな「さりげなく過ぎてく毎日」を、これからもずっと二人で共有していくこと。 特別な大事件など起きなくても、愛する人と同じ風景を眺め、同じ日々を積み重ねていくこと自体が、実は人生において最も手に入れるのが難しく、そして最も尊い「未来予想図」なのだという真理を、この曲は優しく教えてくれます。

だからこそ、どれだけ時代が激変し、社会の価値観が多様化しても、この曲は結婚式という人生の最大の節目で選ばれ続け、世代を超えて愛され続けているのです。
結びに代えて:僕自身の「未来予想図」を重ねて
あれから本当に長い年月が流れました。当時31歳だった僕は、もう35年以上前のことです。
今こうして自分のブログで大好きな音楽への思いを発信しながら、1989年当時の自分には想像すらできなかった日々を全力で楽しんでいます。
僕が思い描いていた仕事の未来予想図は、時代と共に形を変え、全く違うキャンバスに描き直されました。 しかし結果としては、あの頃この曲から感じ取った「かわらぬ気持ち」の延長線上にあります。形は変われど、僕にとっての最も大切な未来予想図は、紆余曲折を経ながらも割と叶えられてきたのだと実感しています。
時代が昭和から平成、そして令和へと移り変わり、若者たちの乗る車がガソリン車から静かなハイブリッドカーやEVに変わっても、大切な人を思う気持ちの本質は決して変わりません。 吉田美和の誕生日に、この『未来予想図Ⅱ』の美しいメロディーを改めて聴き直すと、日常の足元に咲く小さな幸せを見落とさないように生きていくことの大切さを強く再確認させられるのです。



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