🎸僕の勝手なBest25【レッド・チェッペリン編】-第14位『Black Dog』をご紹介!

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🎸【レッド・チェッペリン編】第14位は・・・・

第14位は『Black Dog』です。

この順位を見て、「それでも、まだ上を想像する人がいても」不思議ではありません。
『Black Dog』は、レッド・チェッペリンという名前から連想される要素を、ほとんどすべて備えている曲だからです。
強いリフ、張りつめた演奏、そしてイントロが鳴った瞬間に空気を切り替える力。
いわゆる代表曲として扱われることにも、十分な理由があります。

それでも今回、僕はこの曲を18位に置きました。
これは評価を下げた結果ではありません。
むしろ逆で、この曲の性格を、そのまま順位に反映させた結果です。

『Black Dog』は、深く沈み込む曲ではありません。
何かを回想したり、感情を溜め込んだりする余裕を、あまり与えない。
その代わり、曲が始まった瞬間から、聴き手の姿勢を一気に前へ引っ張ります。
この「即座に前のめりにさせる力」は、Best25の中でもかなり特異なものです。

その前のめりな力を、流れの中でどう使うかを考えた結果、僕には18位という位置が自然でした。

超約

この曲で描かれているのは、ある相手に対して強く惹かれながら、距離を詰め続けている状況です。
語り手は、相手の反応を確かめるように言葉を投げかけ、引き返すことなく前へ進み続けますが、関係がどう決着するかは示されません。
物語の中心にあるのは結果ではなく、駆け引きが同じ温度のまま続いてしまう状態です。
感情が大きく変化するのではなく、動きだけが持続していく構造が保たれています。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源)
曲名:Black Dog(Remaster)
アーティスト:Led Zeppelin
収録アルバム:Led Zeppelin IV
リリース年:1971年
形態:Official Audio(Remastered)
提供:Rhino Atlantic
配信元:Led Zeppelin 公式YouTubeチャンネル

🎵 2行解説
強烈なリフと変則的な歌の入りが交錯し、聴き手の身体感覚を即座に前へ引き出す一曲。
『Led Zeppelin IV』の中では、流れを説明するのではなく、勢いそのものを起動させる役割を担っている。
日本語クレジット(公式ライブ映像)
曲名:Black Dog
アーティスト:Led Zeppelin
収録映像:Madison Square Garden 公演(1973年7月/ニューヨーク)
原曲収録アルバム:『Led Zeppelin IV』
公開形態:公式ライヴ映像(Official Video)
公開元:Led Zeppelin 公式YouTubeチャンネル
権利表記:℗ Atlantic Recording Corporation

🎼2行解説
巨大な会場を前に、緊張感のある間合いと爆発的な推進力が交錯する1973年のライヴテイク。
スタジオ版以上にリズムの駆け引きが可視化され、バンドの即時的な集中力が鮮明に伝わってくる。

対象曲の基本情報

今回扱う曲について

  • アーティスト名:Led Zeppelin
  • 曲名:Black Dog
  • 収録アルバム:Led Zeppelin IV
  • リリース年:1971年

アルバムの中で鳴るときの感触

『Led Zeppelin IV』は、アルバム全体として見ると、重心が頻繁に切り替わる作品です。
静かな曲があり、内側へ沈み込む曲があり、神話的なスケールを持つ曲もある。
聴いていると、自然に呼吸の深さが変わっていきます。

その中で『Black Dog』が鳴ると、空気は広がるのではなく、一度、引き締まる
考える前に、身体が反応する。
理解よりも先に、足元の感覚が変わる。
僕にとってこの曲は、アルバムの流れを説明する存在ではなく、流れを起動し直す存在です。

事実ブロック

「歌が前に立つ」構造

『Black Dog』の特徴を一つだけ挙げるなら、僕は「歌が前に立つ構造」を選びます。
この曲では、演奏が主役になる前に、まず声が空間を作ります。

リフは強烈ですが、それがすべてを支配するわけではありません。
歌が入ることで、音の重心が固定されず、場面ごとに前へ出る役割が入れ替わる。
そのため、音数が多くなっても、圧迫感が残りにくい。

この構造は、曲を重たくしない代わりに、落ち着かせる時間も与えない。
だから聴き手は、立ち止まらないまま、次の展開へ押し出されていきます。

サウンドが作る「不安定な足場」

揃わない歩幅が生む推進力

『Black Dog』を聴いていると、完全に身を預けられそうで、どこか預けきれない感触があります。
リズムに乗っているつもりでも、足元が一段ずれる。
それでも転ばない。
むしろ、その不安定さが、前へ進む勢いになっている。

この曲は、聴き手を安心させるための音ではありません。
「次はどう来るのか」と身構えさせたまま、休ませずに進む。
その硬さが、この曲の輪郭をはっきりさせています。

物語とテーマを「感情」ではなく「状況」で捉える

近づき続けること自体が主題になる

『Black Dog』の歌詞を読んでいて印象に残るのは、語り手がどこにも到達しないことです。
相手に近づこうとする意志ははっきりしている。
言葉も投げ続けている。
それでも、関係がどうなったのかは最後まで語られません。

ここで描かれているのは、成功や失敗ではなく、距離を詰め続けてしまう状態です。
相手がどう感じているのか、受け入れられたのか、拒まれたのか。
そうした判断は保留されたまま、動作だけが前へ進み続ける。

僕はこの構造を、「恋の歌」というより、勢いの制御が効かなくなった場面の記録として受け取っています。
感情が高まっているというより、止まる理由が見つからない。
そのため、物語は膨らまず、同じ温度のまま持続します。

行き先を持たないことで生まれる硬さ

この曲では、音が鳴った瞬間から、展開が更新され続けます。
立ち止まるための合図も、振り返るための間もありません。

終わったあとに残るのは、整理された印象ではなく、まだ次が来そうな空気。
この感触が、『Black Dog』を単純な推進力だけで語れなくしています。

サウンドと歌詞の関係

音が意味を追い越していく

『Black Dog』では、歌詞の内容を理解しようとするより先に、音が前へ進みます。
歌が入るたびに場面は切り替わりますが、その切り替えを説明する余白は与えられません。

結果として、聴き手は意味を整理するより、動きに同調させられる
この関係性は偶然ではなく、曲全体の設計によるものだと思います。

音が言葉を支配するのではなく、言葉が音に追い立てられている。
その逆転が、この曲に独特の緊張感を与えています。

僕自身の時間軸での変化

若い頃は「強さ」の象徴だった

最初にこの曲を繰り返し聴いていた頃、僕は『Black Dog』を、ただ強度の高い曲として受け取っていました。

鳴らした瞬間に空気が変わり、場が一気に引き締まる。
その反応の速さこそが、この曲の魅力だと思っていた。

当時は、歌詞の組み立てや、終わり方が定まらない構造にまで、意識が向くことはありませんでした。
勢いを借りるための一曲、それくらいの距離感で聴いていたのだと思います。

なぜ第14位なのか

時間型で考えたときの、最も安定する位置

この曲は、いつ聴いても同じ強度で立ち上がります。
時間が経っても、鋭さが薄れることがない。
その一方で、聴き込むほどに関係が深まっていくタイプの曲でもありません。

一度鳴れば、必ず前へ引き出す。
ただし、そこに長く留まらせることはしない。
『Black Dog』は、常に即効性の側に立ち続ける曲です。

その性格を時間軸で考えると、極端な起点や終点に置くよりも、流れの中盤に差し込んだほうが、力が素直に機能します。

上位には置くが、核にはしない。
下げすぎて、初動の勢いを失わせることもしない。

このバランスが最も安定する位置として、僕には14位という場所がしっくりきました。


この順番で置く意味

この位置に『Black Dog』を挟むことで、それまでに積み重なってきた音の距離感や配置が、一度、身体側の感覚へ引き戻されます

考える前に動く。
整理する前に進む。

その切り替えがあるからこそ、この先に続く曲たちも、「理解」ではなく「反応」として聴こえてくる。


まとめとして

『Black Dog』は、物語を完結させる曲ではありません。
感情を回収する曲でもない。
ただ、前へ出る動きを止めない。

その性格を、評価の高さではなく、流れの中で果たす役割として捉えたとき、この曲はBest25の中で、非常に重要な位置を占めます。

強さの象徴でありながら、中心には据えない。
流れを押し出すための、確かな推進点。

僕にとって『Black Dog』は、この場所でこそ、最も正しく鳴る一曲です。

※「Black Dog」は、1971年発表のアルバム
『Led Zeppelin IV』に収録されています。

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