🎸僕の勝手なBest25【レッド・チェッペリン編】-第22位『Rock and Roll』をご紹介!

【レッド・チェッペリン】について、詳しくはこちら・・・・➡ 🎈(Zeppelin)

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この記事は、約3分の音声ナレーションでもお楽しみいただけます。
文章の流れをもとに構成し、
第22位『Rock and Roll』が持つ即応性と身体感覚を、語りとして辿ります。
読む前に、あるいは読み終えたあとに、ぜひ耳でも確かめてみてください。

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🇺🇸 English narration

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🎸【レッド・チェッペリン編】第22位は・・・・

第22位は『Rock and Roll』です。

この曲は、聴こうとして構える前に、先に身体が反応します。
再生ボタンを押した瞬間、重心が前へ移り、呼吸が短くなる。
理解や評価よりも早く、足の裏が床を捉えてしまう。
僕にとって『Rock and Roll』は、そういう始まり方をする曲です。

ここでは、評価を固めたり、意味をまとめたりする前に、この曲が鳴っているあいだ、どんな状態が立ち上がっているのかを見ていきます。
言葉より先に起きることを、できるだけそのまま辿ります。

超約

この曲の語り手は、しばらく遠ざかっていた場所へ、もう一度戻ろうとします。
戻りたいのは過去そのものではなく、かつて自分の体を動かしていた衝動や、始まりの手触りです。
時間が空いたことで、その衝動は弱まったのではなく、むしろ「取り戻したいもの」として輪郭を持ちます。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源)
曲名:Going to California
アーティスト:Led Zeppelin
収録アルバム:Led Zeppelin IV
リリース年:1971年
形態:公式オーディオ(Official Audio)
配信元:Led Zeppelin 公式YouTubeチャンネル

🎼2行解説
アコースティック・ギターとマンドリンを軸に、移動と未確定の心情を静かに描いた一曲。
壮大さを抑えた演奏が、理想を探し続ける途中の状態を、そのまま音に定着させている。
🎬 公式動画クレジット(公式ライブ映像)
曲名:Rock and Roll
アーティスト:Led Zeppelin
公演名:Live at Knebworth
開催年:1979年
原曲収録アルバム:Led Zeppelin IV(1971)
形態:公式ライブ映像(Official Video)
配信元:Led Zeppelin 公式YouTubeチャンネル

🎵 2行解説
キャリア後期のレッド・チェッペリンが、原曲の勢いを保ったまま巨大な屋外空間を制圧するライブテイク。若さの爆発ではなく、積み重ねた時間を引き受けたうえで鳴らされるロックンロールの持続力が刻まれている。

対象曲の基本情報

今回扱う曲について

  • アーティスト名:Led Zeppelin
  • 曲名:Rock and Roll
  • 収録アルバム:Led Zeppelin IV
  • リリース年:1971年

アルバムの中で鳴るときの感触

このアルバムには、風景を広げる曲も、内側へ沈んでいく曲もあります。
その流れの中で『Rock and Roll』が鳴ると、空気が説明されるというより、姿勢が変わる。
視線が動く前に、まず身体が立つ。
この切り替わりが、アルバム全体に実在感を与えているように思います。


この曲で描かれているのは「感情」ではなく「状態」

主人公は、立ち止まって考えない

歌の中に、長い回想や丁寧な感情整理は出てきません。
後悔や反省が前面に出ることもない。
あるのは、「しばらく時間が空いていた」という感覚と、それでも声が出て、身体が動いてしまうという事実です。

ここでは、理解が行動を導いていません。
行動が先に起き、そのあとで状況が見えてくる。
この順序が、曲全体の推進力になっています。

時間の長さが、重さとして扱われない

「長い時間」という言い方は示されます。
けれど、それは嘆きや停滞の理由として使われない。
時間は、克服すべき壁ではなく、ただの空白として置かれている。
その空白を抱えたまま音が前へ進むところに、この曲の軽さがあります。


サウンドが作るのは、勢いではなく「即応性」

ドラムが提示するのは速度ではなく足場

この曲の始まりで印象に残るのは、速さよりも、反応のしやすさです。
ドラムが鳴った瞬間、テンポに振り落とされる感じがしない。
足場がはっきりしているから、踏み出せる。
加速装置というより、身体を支える地面として鳴っています。

音が前に出すぎないから、身体が動ける

ギターもベースも、複雑な道筋を作らない。
今鳴らすべき形だけを保ち、余計な説明をしない。
その結果、聴き手は追いかける必要がなく、自分の動きが自然に音に重なる。
この即応性こそが、『Rock and Roll』の核だと感じます。

僕の時間軸で、この曲が占める位置

若い頃は「考えずに使える音」だった

ここからは、一般論ではなく、僕自身の話として書きます。

最初にこの曲を何度も聴いていた頃、僕は『Rock and Roll』を「考えなくていい音」だと思っていました。
頭が重くなっているとき、場の空気を切り替えたいとき、理由を探さずに再生できる。そういう即効性が、この曲にはありました。

当時の僕は、歌がどんな状態を描いているかよりも、鳴った瞬間に身体が動くことを、そのまま肯定していたのだと思います。
だからこの曲は、印象には残っても、立ち止まって考える対象にはなりにくかった。

時間が経って、残ったのは「戻り方」だった

しばらく時間が経ってから聴き直すと、この曲は、単なる切り替え役ではなくなりました。

何かを始め直すとき、以前と同じやり方が通用するかどうか分からない状態で、それでもまず身体を動かしてしまう。
『Rock and Roll』は、その瞬間の姿勢にとても近い。

うまくいく保証はない。
戻れたという確認もない。
ただ、音が出てしまう。声が出てしまう。

その無造作さが、年を重ねた今の自分には、軽さではなく、現実的な強さとして響いています。

歌詞の奥で残り続けるもの

感情の行き先が示されないということ

この曲は、感情をどこかへ導こうとしません。
高揚も、安心も、決意も、明確な形では提示されない。

それでも、何も残らないわけではない。
残るのは、「動いてしまった」という事実と、その事実を否定せずに受け止めている姿勢です。

僕はここに、気持ちを整理するより先に生活が進んでしまう感じ、決断の理由を言葉にできないまま、次の一歩が出てしまう感覚を重ねます。

この曲が現実的に感じられるのは、感情の行き先を用意しないまま、それでも時間が流れていく構造を、そのまま鳴らしているからだと思います。

強さが誇示されない理由

『Rock and Roll』は、とても力強い曲です。
けれど、その強さは、証明や主張として使われない。

音は前へ進み続けますが、「自分は戻れた」「自分は変わらない」と言い切る場面はありません。
だからこの曲は、勝ち取った場所ではなく、通過点として残る。

僕には、その通過点性が、とても信用できるものに思えます。

なぜ第22位なのか

比較ではなく、使用される距離として

この順位は、完成度や影響力を比べた結果ではありません。
僕にとっては、この曲とどのくらいの距離で付き合ってきたか、その感覚に近い。

『Rock and Roll』は、いつ聴いても身体が反応します。
ただし、そこに長く留まることはあまりない。
立ち上がったら、次へ進ませる。

だからこの曲は、中心に据えて向き合う対象というより、必要な場面で自然に手が伸びる存在であり続けました。

その距離感を考えたとき、この位置が、今の僕にはいちばんしっくりきます。

この順番で置く意味

この曲が、Best25の序盤に現れることで、ここまで続いてきた「状態を描く曲」の流れが、一度、身体の側へ引き戻される。

言葉より先に動く。
理解より先に反応する。

その切り替えを、この地点で挟むことで、以降に出てくる曲たちの聴こえ方も、少し変わってくる。
僕はそう考えています。

最後に

『Rock and Roll』は、何かを説明してくれる曲ではありません。
背中を押すというより、気づいたら足が前に出ている。

その感覚は、若い頃にもあったし、今もほとんど変わらず残っています。

だから僕はこの曲を、「代表的かどうか」ではなく、何度でも現在に戻してくれる音として、この場所に置きました。
音はとても分かりやすい。
それでも、必要なときに確実に機能する、信頼できる位置です。

※「Rock and Roll」は、1971年発表のアルバム
『Led Zeppelin IV』に収録されています。

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