🎸僕の勝手なBest25【レッド・チェッペリン編】-第4位『Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)』をご紹介!

【レッド・チェッペリン】について、詳しくはこちら・・・・➡ 🎈(Zeppelin)

🎧 音声で聴く

この記事は、約3分の音声ナレーションでもお聴きいただけます。
第4位『Achilles Last Stand』が持つ、止まることを許されない疾走感と、
鋼鉄のように硬質な音の密度を、ナレーションとともにたどります。
読む前に、または読み終えたあとに、音でもぜひお楽しみください。

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🇺🇸 English Narration

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🎸【レッド・チェッペリン編】第4位は・・・・

第4位に選んだのは、1976年発表のアルバム『Presence』の冒頭を飾る、10分25秒の巨星、『Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)』です。

僕にとって、アルバム『Presence』は他のどの作品とも違う、奇妙な「硬質さ」を持って響いていました。

良いとか悪いとか、そういった次元を超えて、ただひたすらに「乾いた音」が脳内を支配していく感覚。特にこの曲は、一度再生を始めると、その強烈なドライブ感から逃れることができません。気づけば数十年が経過した今でも、ふとした瞬間にあの軍馬の嘶きのようなリフが脳内でリフレインし始めるのです。

トップ3を目前にしたこの位置に、彼らが最も過酷な状況下で生み出した、この「鋼鉄の叙事詩」を据えたいと思います。

【超約:限界を超えた疾走】

肉体の束縛を振り切り、精神の荒野を全速力で駆け抜ける。 アキレスの踵(弱点)を突きつけられながらも、 止まることを忘れた魂が描き出す、終わりのない追跡の記録。 それは、崩壊の危機に直面したバンドが放った、最も気高く、最も激しい生存証明です。


🎥 まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源) 
楽曲名:Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)
アーティスト:Led Zeppelin
収録アルバム:Presence(1976年)
作詞・作曲:Jimmy Page / Robert Plant
音源:リマスター版(公式オーディオ)

2行解説
ゼップ史上、最も長く、最も激しい疾走感を誇る10分間の叙事詩。ジミー・ペイジが短期間で何十回も重ねたという多層的なギター・オーケストレーションが、圧倒的なスケール感を生み出しています。
🎬 公式動画クレジット(ライブ映像)
楽曲名:Achilles Last Stand
アーティスト:Led Zeppelin
ライブ:Live at Knebworth(1979年)
映像作品:Led Zeppelin DVD(2003年)

2行解説
1979年、ネブワース・フェスティバルでの歴史的パフォーマンス。スタジオ盤の緻密な構成を、ライブならではの野性味溢れるダイナミズムで再構築した、バンドの底力が爆発する瞬間です。

『Presence』というアルバムが持つ異質な「乾き」

第5位の『Good Times Bad Times』が、新しい時代の始まりを告げる色鮮やかな宣戦布告だったとすれば、この第4位『Achilles Last Stand』が収録されたアルバム『Presence』は、どこかモノトーンで、それでいて異常なほど高密度な「物質感」を湛えています。

装飾を剥ぎ取った「四人の純粋な対話」

このアルバムを聴く際、僕が抱ていた「他のアルバムとは違うイメージ」の正体。それは、この作品が持つ徹底したストイシズムにあるのではないかと考えます。

これまでの彼らの作品にあったアコースティックな叙情性や、キーボードによる色彩豊かな装飾はここにはありません。あるのは、ジミー・ペイジの多重録音されたギター、ジョン・ポール・ジョーンズのうねるベース、ジョン・ボーナムの爆撃のようなドラム、そして、ロバート・プラントの魂の叫び。その4つの要素だけで、一切の逃げ道を塞ぐように構築されています。

10分間、一度も速度を落とさない「意志」

「曲の長さ」についても、本作(アルバム『Presence』)は特筆すべき特徴を持っています。アルバム全7曲のうち、3曲が7分を超える大作です。

しかし、この『Achilles Last Stand』の10分25秒という時間は、決して冗長なものではありません。それは、一度走り出したら二度と止まれない、あるいは「止まった瞬間にすべてが崩壊してしまう」という、当時のバンドが置かれていた切迫した状況が、そのまま音の長さ、そして速度となって現れた結果なのです。

ジミー・ペイジの執念:ギター・オーケストレーションの極致

この曲を語る上で避けて通れないのは、ジミー・ペイジがこの曲に注ぎ込んだ、狂気とも言える執念です。

短期間で構築された「音の壁」

当時、ロバート・プラントが交通事故による大怪我で車椅子生活を余儀なくされるという、バンド存続の危機にありました。そんな中、ペイジはわずか数週間のうちにこの複雑な楽曲をまとめ上げ、録音を完了させました。

特にこの曲におけるギターの多重録音は、もはや「ギター・オーケストラ」と呼ぶにふさわしい、緻密な階層構造を持っています。リフ、メロディ、ハーモニー。何層にも重ねられたレスポールの音が、一つの巨大な「うねり」となって押し寄せてくる。アパートの部屋でこの音に耳を澄ませていた僕は、その重厚な重なりの向こう側に、ペイジの言葉にならない悲壮な決意を読み取っていました。


鋼鉄のリズム:不屈の推進力が生む「軍馬の疾走」

この曲が10分という長尺を一切感じさせない最大の要因は、ジョン・ボーナムとジョン・ポール・ジョーンズが生み出す、異常なまでの「推進力」にあります。

ジョン・ボーナム:地鳴りのような「ギャロップ」

この曲を聴くたびに、荒野を全速力で駆ける軍馬の姿を幻視します。ジョン・ボーナムのドラミングは、単にリズムを刻むのではなく、楽曲そのものを前方へと突き動かす巨大な動力源です。

特に、バスドラムとスネアが織りなす「ギャロップ」のような独特のビート。それは、これまでのロックが持っていた「揺れ」を削ぎ落とし、ただひたすらに目的地へと向かって突進するような、ある種の「狂気」さえ孕んでいます。

ジョン・ポール・ジョーンズ:疾走を支える8弦ベースの重厚

そして、そのボーナムの爆撃に一歩も引かず、音の壁を補強しているのがジョン・ポール・ジョーンズのベースです。

本作で彼は、8弦ベースを駆使し、通常のベースラインよりもさらに低く、硬い音像を作り上げました。ペイジの多重録音されたギター群と完璧に共鳴するこの「鋼鉄のバラスト」があるからこそ、この曲はどれだけ速度を上げても空中分解することなく、圧倒的な質量を持って聴き手の脳内に飛び込んでくるのです。

ロバート・プラントの精神:車椅子の上の叙事詩

アルバム『Presence』の録音時、ロバート・プラントは交通事故による大怪我を負い、車椅子に乗った状態でマイクに向かっていました。

肉体の束縛を超えた「精神の旅」

肉体的な自由を奪われたプラントが、この曲で歌い上げたのは「精神の旅」でした。モロッコやギリシャといった異郷の地を巡る歌詞は、動けない彼の魂が放った切実なまでの逃避行であり、同時に不屈の探求でもありました。

アキレスという英雄の「踵(弱点)」を引き合いに出しながら、自らの脆弱さと向き合い、それでもなお高みを目指そうとするその歌声。かつてのハイトーン・シャウトとは異なる、どこか乾いた、しかし強靭な響きは、当時のバンドが置かれていた限界状況そのものを、気高き芸術へと昇華させています。

第4位という「到達点」:なぜこの曲が僕を掴んで離さないのか

数ある名曲の中で、なぜこの曲が4位なのか。それは、この曲がレッド・ツェッペリンというバンドが到達した「最も純粋で過酷な結晶」だからです。

『Presence』が暴き出した、四人の真実

アコースティックの装飾も、キーボードの色彩も排したこの曲は、彼らが「四人の音だけでどこまで行けるか」を極限まで追求した結果です。そこには、一切の虚飾がありません。剥き出しの才能と執念が、10分という時間の中で火花を散らし続けている。そのストイックな姿勢こそが、アルバムタイトル『Presence(存在)』という言葉の真意なのでしょう。

終わりに:いよいよ、聖域のトップ3へ

第4位、『Achilles Last Stand』。 この10分間の疾走を終えたとき、僕たちの前にはもはや遮るものは何もありません。

プレゼンスという「異質」な試練を経て、彼らはついに、ロックというジャンルの枠組みさえも溶解させるような、究極の領域へと到達します。ここから先は、もはやランキングという形式さえ無意味に思えてくるような、至高の3曲が待ち受けています。


(第4位『Achilles Last Stand』 完)

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