🎸【僕の勝手なBest10:Boston編】第6位『Something About You』~トム・ショルツの情熱が響く“技術と感情”の融合~

「観客と共に熱狂するボストンの一瞬」

【ボストン】について詳しくはこちらから!➡Wikipedia

僕の勝手なBest10:【Boston】編-第6位は・・・

【Boston】編-第6位は、『Something About You(サムシング・アバウト・ユー)』です。
最後まで同じことを書くと思いますが、曲ごとに個性は違うのに、なぜかこれまた実にすばらしいボストンサウンドです。


🎥まずは、注目の公式映像2本をご紹介!

📺 1. Boston – Something About You (Official Audio)です。

【クレジット】
曲名:Something About You
アーティスト:Boston
作詞・作曲:Tom Scholz
リリース年:1976年(アルバム『Boston』収録)
レーベル:Epic Records / Sony Music Entertainment
音源提供元:公式音源(Boston公式YouTubeチャンネル)

【2行解説】
黄金期アメリカン・ロックの代表格、Bostonのデビュー作からの人気曲。煌めくギターと分厚いコーラスが響き合う、爽快なサウンドが魅力です。

こちらは1976年リリース当時のスタジオ音源を収めた公式オーディオ版。アナログ録音ならではの温かみと、ブラッド・デルプの伸びやかな高音ボーカルがストレートに伝わる名演です。Bostonらしい立体的なギターサウンドも存分に楽しめます。

📺 2. Boston – Something About You (Live , 1977)

【クレジット】
曲名:Something About You(Live 1977)
アーティスト:Boston
音源提供:Routenote
権利表記:© musique d'herbs
元曲収録:1976年『Boston』より(本動画は1977年のライヴ音源とされる)

【2行解説】
Boston初期のライヴを収録した貴重な映像。スタジオ版よりも荒々しいエネルギーが感じられる好演です。

🎼 アナログの魔法が生んだ、地下室発の名曲

1976年8月25日、Bostonの衝撃的なデビューアルバム『Boston』が世に放たれました。その中の1曲、「Something About You」は、ギターの厚み、繊細なメロディ、そしてアナログ録音ならではの温かみが凝縮された作品です。この楽曲が録音されたのは、なんとトム・ショルツの自宅地下室彼はMIT卒の機械工学者でありながら、音楽的完璧主義者。12トラックのレコーダーを用い、ほとんどのパートを一人で演奏・録音しています。


🧠 歌詞が語る“孤独と愛の交差点”

“When I was younger I thought I could stand on my own
(若い頃の僕は 一人でもやっていけると思っていた)
It wasn’t easy, I stood like a man made of stone
(それは決して楽じゃなかった まるで石でできた男のように 固く立っていた)

この印象的な一節は、孤独に慣れた男性が、ある女性との出会いによって心の扉を開いていく過程を描いています。

「But there was something about you」(でも、君にはどこか特別なものがあった)というサビは、無機質な日常に差し込んだ光のような存在への驚きと感謝を象徴しています。冷戦下の70年代、無意識に“感情の表出”を抑えていた多くのリスナーにとって、この楽曲は心の解放そのものだったのかもしれません。


🧱 1976年の音楽風景とBostonの革新

1976年、ディスコブームがピークを迎える一方で、ロック界は複雑化と商業化の狭間にいました。

そんな中、Bostonは、「More Than a Feeling」のような明快なフックだけでなく、この「Something About You」のような深みある楽曲でもリスナーの心を掴みます。
同年、ウイングスの「Silly Love Songs」や、エルトン・ジョン&キキ・ディーの「Don’t Go Breaking My Heartなどがチャートを賑わせていましたが、Bostonは“硬派”なロックで静かな革命を起こしていたのです。


🗾 日本に届いた“東海岸ロック”の衝撃

当時の日本では「およげ!たいやきくん」が社会現象となり、フォークやニューミュージックが全盛でした。

そんな中、「Something About You」は、アメリカ東海岸から吹き込んだ異質な風として、多くの洋楽ファンに強烈な印象を与えました。イーグルスの西海岸サウンドとも異なる、どこか理知的で構築的なBostonの音は、日本の音楽ファンに“新しいロックの可能性”を示したのです。

アメリカ東海岸ニューヨークにある自由の女神像
アメリカ東海岸ニューヨークにある自由の女神像

⚙️ MIT出身の異端児が生んだ音響の革命

トム・ショルツが開発した「パワーソーク」や独自のコンプレッション技術は、当時のレコーディング業界においては“異端”とも言える手法でした。

それらを駆使して作り上げた「Something About You」のギターサウンドは、ただ歪ませるだけではない、空間的で立体的な響きを持っています。これが後年の多重録音時代や、レイヤー型ミキシング技術の先駆けとなりました。


💡 この曲が時代を超える理由

  1. 普遍的なテーマ
     ──「人生を変える出会い」という感情は、誰にでも共通する体験です。
  2. 緻密な構成美
     ──イントロからサビへの展開、ソロパートの構成まで、どこを切っても“ショルツ節”。
  3. アナログの温もり
     ──1976年の空気をそのまま封じ込めたような音の質感は、現代では再現が難しい芸術です。

🧪 技術と魂の融合、それがBostonの本質

「Something About You」は、“商業ロック”という文脈では語り尽くせません。MITで学び、地下室で音を追求し、巨大なスタジアムで鳴らされたその音は、テクノロジーと人間性の美しい接点です。

ブラッド・デルプのボーカルも、この曲では“完璧な楽器”として機能しています。どこまでも伸びる高音、それを支える繊細な低域。まさに、感情と構築美の究極のバランス。


🎬 まとめ:静かに燃えるような、永遠の愛の形

1976年に生まれたこの楽曲が、2025年の今もこうして語られる理由は何でしょうか?

それはきっと、この曲が持つ誠実さと深さ、そして情熱が、時代を超えても変わらず響くからでしょう。音楽に奇跡は必要ありません。必要なのは、揺るぎない意志と、それを伝える技術

そのすべてが詰まった曲、それが「Something About You」です。

『Something About You  Boston:意訳

一人でも平気だと信じていた
若さゆえの強がりだったんだ
冷たく見えるくらいに自分を守っていた

でも 君は違った
そのまなざしが 僕の心に風を吹かせた
何かが変わり始めていた

初めて 誰かを本気で欲しいと思った
もう隠すことなんてできない
胸の奥が 君を求めて叫んでいた

上手く言えないけど 信じてほしい
怒りや戸惑いの裏にある 本当の僕を
そして 君を大切にしたい気持ちを

君には 不思議な力がある
僕を変えたのは 君だったんだ
だから どうか見ていて――
僕が君をどれほど想っているかを

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