第3位:『スカイライン・ピジョン(Skyline Pigeon)』
エルトン・ジョンの「僕の勝手なBest10」。いよいよベスト3の発表です。
第3位は、『スカイライン・ピジョン(Skyline Pigeon)』です。
恐らくエルトンジョンファンでもこの曲を第3位に入れる人は少ないでしょう。でも、音楽って相対評価はできませんもんね。あくまで個々人による絶対評価です。
曲の良し悪しはもちろんですが、聴くタイミングでも評価は違ってきます。まさに、僕はそれで、エルトンジョンを本格的に好きだと思い始めてのが「ダニエル」を聴いてからです。そのシングルのB面がこの『スカイライン・ピジョン(Skyline Pigeon)』だったという訳です。B面だったけど、擦り切れるくらい聞いた曲。それがこの曲でした。
エルトン・ジョンの「スカイライン・ピジョン」:自由と希望を描いた初期の名曲

エルトン・ジョンの「スカイライン・ピジョン(Skyline Pigeon)」は、彼のキャリア初期を代表する重要な楽曲です。1969年にリリースされたデビューアルバム『エンプティ・スカイ(Empty Sky)』に収録されたこの曲は、エルトン・ジョンが作曲し、彼の長年のパートナーであるバーニー・トーピンが歌詞を手掛けました。自由への憧れや自己解放をテーマにしたこの楽曲は、その美しいメロディと詩的な歌詞で、初めて聴く人にも深い印象を与えます。
楽曲の特徴:ハープシコードが生むクラシカルな雰囲気
この楽曲で特徴的なのは、ハープシコードという楽器の使用です。この古典的な鍵盤楽器が、楽曲全体にクラシカルで清らかな雰囲気を与えています。その後、1972年に再録音されたピアノバージョンでは、ハープシコードに代わってピアノが前面に押し出され、より力強い感情表現が加わりました。この再録音版は、オリジナル以上に多くのファンに愛されるバージョンとなり、コンサートでも頻繁に演奏されています。
エルトン・ジョンの感情豊かなボーカルは、楽曲のテーマをより深く掘り下げ、聴く者を楽曲の世界へと引き込みます。彼の声の中には、希望、解放、そしてどこか寂しさが混じり合っており、そのバランスが絶妙です。
自由を求める切実な願いを描いた歌詞
バーニー・トーピンの手掛けた歌詞は、束縛から解放されたいという強い願望を描いています。「あなたの手から僕を放して」「遠い国へ僕を飛ばして」というフレーズは、現状から抜け出し、新たな世界へ飛び立ちたいという主人公の切実な願いを表現しています。また、「暗く寂しい部屋」という描写は、自由を奪われた閉塞感を象徴しており、主人公の心の中の葛藤が鮮明に伝わります。
これらの歌詞は、リスナーに自己解放の物語を想像させるだけでなく、自分自身の体験と重ね合わせるきっかけを与えます。自由や変化を求める気持ちは誰もが抱くものであり、この普遍的なテーマが「スカイライン・ピジョン」の魅力をさらに引き立てています。
エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの黄金コンビの原点
「スカイライン・ピジョン」は、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンのパートナーシップが生み出した初期の成果です。この二人のコンビはその後、数え切れないほどの名曲を生み出すことになりますが、「スカイライン・ピジョン」はその原点と言える楽曲です。
エルトン・ジョン自身もこの曲について、「バーニーとの間で何か特別なものが始まった曲」と語っています。歌詞の深い洞察力とエルトンのメロディセンスが絶妙に調和し、長いキャリアを支える強固な基盤がここに築かれました。
社会的背景と楽曲が持つ希望のメッセージ

「スカイライン・ピジョン」が生まれた1960年代後半は、世界中で社会的変革が叫ばれ、個人の自由が重視されるようになった時代でした。この楽曲の歌詞には、そんな時代背景が反映されています。社会的な束縛や個人的な葛藤から抜け出し、新たな未来を目指すというメッセージは、当時の若者たちの心情を代弁するものでした。
また、自由を求めて羽ばたく鳩という象徴は、単なる希望だけでなく、不確かな未来への不安も表しています。それでも飛び立とうとする姿に、多くのリスナーは勇気をもらい、困難を乗り越える力を得てきました。
カバーされた楽曲の影響力
「スカイライン・ピジョン」はその後、多くのアーティストにカバーされ、時代を超えて愛される楽曲となりました。エルトン・ジョン自身が1972年に再録音したピアノバージョンもまた、新たなアレンジで聴衆に感動を与えました。特にライブパフォーマンスでは、この曲が持つ感情的な力がさらに増幅され、観客との特別な一体感を生み出しています。
「スカイライン・ピジョン」の最大の魅力は、その普遍性にあります。自由への憧れ、変化への期待、そして自己解放への願いといったテーマは、どの時代、どの世代にも共感されるものです。エルトン・ジョンの感情豊かな歌声と、バーニー・トーピンの詩的な歌詞が融合し、この楽曲を時代を超えた名曲として確立しました。
まとめ
エルトン・ジョンの「スカイライン・ピジョン」は、彼の音楽キャリアの出発点として重要な位置を占める楽曲であり、自由への憧れというテーマを見事に表現しています。その美しいメロディと詩的な歌詞は、聴く人々に深い感動を与え続けています。
Turn me loose from your hands
Let me fly to distant lands
Over green fields, trees and mountains
Flowers and forest fountains
Home along the lanes of the skywayきみの手から僕を放してよ
遠い土地へと僕は羽ばたきたいのさ
緑の野を越え 木々や山を越え
花が咲き乱れ 森の中に泉が湧いてる
僕の故郷は空路に沿った先にあるんだFor this dark and lonely room
Projects a shadow cast in gloom
And my eyes are mirrors
Of the world outside
Thinking of the way
That the wind can turn the tide
And these shadows turn
From purple into greyこの暗くて淋しい部屋は
暗い影を映し出してる
僕の両目は外の世界を映す鏡さ
どうしたらいいんだろうか
風が潮の流れを変えるには?
この暗い影の色が
紫から灰色に変わるには?For just a Skyline Pigeon
Dreaming of the open
Waiting for the day
He can spread his wings
And fly away againFly away skyline pigeon fly
Towards the dreams
You’ve left so very far behindFly away skyline pigeon fly
Towards the dreams
You’ve left so very far behind地平線を飛ぶ鳩は
開かれた世界を夢見てる
翼を広げてもう一度飛べる日を
待ち続けてるのさ飛び立て スカイライン・ピジョン
飛ぶんだ
遠い昔に置き忘れてきた
きみの夢を追いかけて飛び立て スカイライン・ピジョン
飛ぶんだ
遠い昔に置き忘れてきた
きみの夢を追いかけてJust let me wake up in the morning
To the smell of new mown hay
To laugh and cry, to live and die
In the brightness of my day朝になったら起こしてよ
刈りたての干し草がいい匂いさ
笑って 泣いて 生まれてそして 死ぬ
輝く日々を送りたいんだI want to hear the pealing bells
Of distant churches sing
But most of all please free me
From this aching metal ring
And open out this cage towards the sun遠くの教会から聞こえてくる
鐘が鳴っている音を聞きたいよ
でもまずはお願いさ
このうずくような痛みのする
重い鉄の足輪を外して
僕らを自由にしてほしい
そして太陽に向かって
この鳥かごを開けてくれFor just a Skyline Pigeon
Dreaming of the open
Waiting for the day
He can spread his wings
And fly away againFly away skyline pigeon fly
Towards the dreams
You’ve left so very far behindFly away skyline pigeon fly
Towards the dreams
You’ve left so very far behind地平線を飛ぶ鳩は
開かれた世界を夢見てる
翼を広げてもう一度飛べる日を
待ち続けてるのさ飛び立て スカイライン・ピジョン
飛ぶんだ
遠い昔に置き忘れてきた
きみの夢を追いかけて飛び立て スカイライン・ピジョン
飛ぶんだ
遠い昔に置き忘れてきた
きみの夢を追いかけて…引用:ブログ 洋楽和訳 Neverending Music 日本語訳 by 音時 より
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