❶ 今日はライアン・デューシックの誕生日
ライアン・デューシック(Ryan Dusick, 1977年9月19日生まれ)は、Maroon 5(前身はKara’s Flowers)のオリジナル・ドラマーであり、初期サウンドを決定づけた創設メンバーの一人です。デビュー作『Songs About Jane』(2002)で演奏・コーラスを担い、本稿の「She Will Be Loved」をはじめ初期の代表曲群を支えました。ツアーでの故障を機に2000年代半ばにバンドを離れ、その後は制作・執筆やメンタルヘルス分野の活動にも関わっています。派手に前へ出るタイプではありませんが、歌心を押し立てる堅実なグルーヴこそ、初期Maroon 5の魅力でした。
🎧 超約(She Will Be Loved)
壊れた笑顔を隠す少女に、「完璧じゃなくていい」と伝えたくて、いつでも戻れる場所で待ち続ける。
虹や蝶ばかりじゃない日々でも、君はきっと愛される――という誓いの歌。
今日の紹介曲:『She Will Be Loved』
まずはYoutube動画(公式動画)からどうぞ!!
🎥 公式動画クレジット
楽曲名:She Will Be Loved
アーティスト:Maroon 5
出典:© 2004 OctoScope Music, LLC
公式チャンネル:Maroon 5(YouTube公式)
公式動画:Maroon 5 - She Will Be Loved (Official Music Video)
📌📖 2行解説
Maroon 5が2004年に発表した代表的なバラード曲で、デビューアルバム『Songs About Jane』に収録されています。優しいメロディと切ない歌詞が世界中で支持され、彼らの名を広めるきっかけとなった楽曲です。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 2004 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
僕が46才の頃です。僕に歴史ではごく最近の曲です。それでも20以上前の曲になるんですねぇ!?
サラリーマン生活では、皆同じ働き盛りの年頃!・・・本部勤務で毎日毎日うなされるような日々でした。その時のことを想うと、それ以降にぶつかったどんな仕事や、困難な問題も全て軽く感じたものです。二度と同じ経験はしたくないけれど、その経験が今の僕の後ろ盾になっているから不思議です。
本題からそれてしまいましたが、
おそらく、Maroon 5を初めて知った曲は『This love』だと思いますが、この曲(She Will Be Loved)も中々のもんです。ポップ調で耳障りが良いのがとても気に入っております。
本格的に彼らを聴きこんではいませんが、機会があればゆっくりと聞いてみたいバンドだと思います。
楽曲リリースと背景
登場時期とヒットの経緯
「She Will Be Loved」は『Songs About Jane』からの3枚目のシングルとして2004年に発表されました。アルバム自体は2002年に出ていますが、ツアーとラジオの浸透でじわじわと拡大し、2004年の「This Love」の大ヒットで一気に主流へ。そこへ続いた本曲が“ポップ・ロック+R&Bの柔らかな肌触り”を広い層へ届け、Maroon 5が一過性の新人ではないことを決定づけます。全米を含む世界各国のチャートで上位を獲得し、アダルト・コンテンポラリー局でも長くオンエアされたことが、曲の普遍性を物語っています。

2000年代前半の音楽シーン
当時のUS/UKのロック界は、ガレージ・リバイバルの勢い(The Strokes、The White Stripes)と、メインストリームではポップ・パンク/R&Bの二極化が進んでいました。そこにMaroon 5はソウル由来のグルーヴとギター・バンドの骨格を同居させることで割って入り、クラブでもカフェでも鳴らせる“軽やかな強度”を提示します。

Maroon 5が示した新機軸
iTunesの台頭で“曲単位”のヒットが加速しはじめた時代、ミドルテンポで耳に残る本曲はストリーミング普及以前から「単曲で生き延びる」条件を備えていました。
音楽的な特徴と構造サウンドとアレンジの印象
イントロから、透明感のあるギターが静かに刻まれ、穏やかなビートがそれを支えます。
派手な音を重ねるのではなく、楽器ひとつひとつに「余白」を持たせることで、ボーカルが際立つ設計です。
サビではコーラスが重なり、ふわりと広がるような音の層が生まれます。
メロディとボーカルの魅力
メロディは全体的にやさしく滑らかで、低めの音から始まり、サビで一気に開ける構成になっています。
「And she will be loved」の部分では、アダム・レヴィーンの伸びやかな高音が印象的で、一度聴いたら耳に残るフレーズです。
声を張り上げるのではなく、自然に感情をのせるスタイルが、この曲の穏やかさを際立たせています。

リズムとバンド全体の役割
ドラムやベースは常に控えめで、リズムを主張するよりも歌をそっと後ろから支える立ち位置です。
ギターやキーボードも、複雑なフレーズよりシンプルな音色で雰囲気を整えることに専念しています。
全体として「盛り上げる」より「包み込む」方向を目指しており、このバランス感覚が初期Maroon 5の魅力でもあります。
歌詞とメッセージ
歌詞が描く人物像と視点
歌詞の主人公は、18歳で大人びた美貌を持ちながらも、心に深い悩みを抱えた少女を見つめています。
Beauty queen of only eighteen(まだ18歳の美しすぎる少女)
Had some trouble with herself(自分自身のことで悩みを抱えていた)
彼女の外見的な完璧さと、内面に潜む孤独や苦悩のギャップが、物語の起点です。
主人公は、問題を解決するヒーローではなく、**「いつでも帰ってこられる存在」**を目指しているのが特徴です。

象徴的なフレーズの分析
特に印象的なのが、プリコーラスからブリッジにかけての以下の一節です。
Tap on my window, knock on my door(窓をたたいて、ドアをノックして)
I want to make you feel beautiful(君を美しいと感じさせてあげたい)
It’s not always rainbows and butterflies(いつも虹や蝶ばかりじゃない)
It’s compromise that moves us along(前に進めるのは妥協する力なんだ)
表面的な愛の言葉ではなく、感情の揺らぎや現実を受け止める姿勢が中心に据えられています。
この「無理に元気づけるのではなく、存在そのものを認める」という視点は、当時のラブソングとしてはかなり異質で、リスナーの共感を集めました。
サビの構造と反復の役割
And she will be loved(そして彼女は愛されるだろう)
この一文は曲中で何度も繰り返されます。
構造的にはコード進行が解決に向かう瞬間に配置されており、音楽的カタルシスと歌詞の「保証」が重なる設計です。
短いフレーズながら、感情的な頂点ではなく“静かな確信”として響かせているのが秀逸です。

MVに見る物語的演出
ドラマ仕立ての構成
公式ビデオは、郊外の家庭を舞台にしたドラマ仕立て。
主人公は年上女性と恋に落ちますが、その女性の家庭環境には緊張と暴力の気配が漂っています。
彼は彼女を救い出すことはできず、ただ彼女が戻れる場所としてそこにいるという選択をします。
歌詞との連動
映像では、表情や仕草に「壊れた笑顔」が象徴的に描かれ、歌詞の世界観と重なります。
派手な演出を避けた映像構成も、曲が持つ内省的な誠実さを引き立てています。

本曲の位置づけと現在の評価
同時代の曲との比較
同アルバムの「Sunday Morning」がジャジーなコード感で日曜の軽さを演出するのに対し、「She Will Be Loved」は平日の雨を思わせる等速ビートと直線的なハーモニーが軸です。
甘さ一辺倒に傾かず、ライブセットでも流れを保つ中速バラードとして機能しています。
現在のリスニング環境での魅力
2004年当時はCDとラジオ、着信音、iTunesが混在する過渡期でした。
中速・歌メロ勝負の本曲は媒体の違いに左右されにくく、今のストリーミング環境でも安定した人気を保っています。
テンポが90〜110BPM帯に収まっているため、プレイリストにも組み込みやすいのも強みです。

今あらためて聴く意味
本曲の核心は、相手の感情や選択を修理しようとしない姿勢にあります。
必要なのは説教でも劇的な救出劇でもなく、いつでもドアを開けておく構え。
SNS時代のように即時的な反応を求めがちな関係性とは対照的で、“待つ”という技術の大切さを教えてくれます。
恋愛だけでなく、家族・友人・仲間との関係にもそのまま当てはまる思想です。
🎯まとめ
ライアン・デューシックの誕生日にあらためて聴く「She Will Be Loved」は、派手さで押さず、選択と節度で成り立つ名曲だと気づかせてくれます。
歌を前に出し、演奏は後ろから支える――その美学がMaroon 5の初期を特別なものにしました。
今日はぜひ、イントロからサビの余計な装飾のない美しさまで、じっくり味わってみてください。

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