今日は、アラン・クラーク(Alan Clark)の誕生日です。
今日は1952年生まれのアラン・クラークの誕生日です。おめでとうございます。
ロックバンド、ダイアー・ストレイツの初代キーボード奏者であり共同プロデューサーでもありました。 2018年、彼はバンドの重要なメンバーとしてロックの殿堂入りを果たしています。
今日の紹介曲:『悲しきサルタン(Sultans Of Swing)』-(ダイアー・ストレイツ)
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60~ |
曲のリリース | 1978 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
僕がこの曲を初めて聴いたのは、大学2年生の時です。そう、いつもの世田谷区松原のアパートの一室にいた時ですね。
成田空港が開港した年で、福田首相から大平内閣への移行、そして「空白の一日」で有名なジャイアンツの江川(卓)事件があった年です。
ダイアー・ストレイツのデビューシングルだったわけですが、新たなジャンルの音楽登場・・・といった軽い衝撃を受けましたね。マーク・ノップラーの才能が輝いています。今から思えばですが、その後の活躍もこの時予想できましたね。
小気味よいカッティング!!大好きな楽曲です。
『悲しきサルタン』:ダイアー・ストレイツが刻んだ静かなる伝説
ダイアー・ストレイツ(Dire Straits)のデビューシングル「Sultans of Swing」(邦題:悲しきサルタン)は、1978年5月19日にイギリスでリリースされ、同年10月にはアルバム『Dire Straits』にも収録されました。作詞・作曲はバンドのフロントマンでありギタリストのマーク・ノップラー(Mark Knopfler)です。彼の独特なギタープレイと詩的な歌詞が融合し、のちにロック史に残る名曲となりました。
しかし、この曲の成功は決して順調なものではありませんでした。リリース当初、イギリス国内ではほとんど注目されませんでしたが、1979年に再リリースされると状況は一変します。アメリカではビルボード・チャートで4位、イギリスでも8位にランクインし、ダイアー・ストレイツを世界的なバンドへと押し上げました。
この楽曲は、1970年代後半のロックシーンにおいて、ディスコの衰退とパンクの勢いの狭間で異彩を放ちました。派手なシンセサイザーや力強いシャウトはなく、あるのはノップラーの指弾きギターが紡ぐ美しいメロディと、ロンドンの片隅で演奏する無名のバンドを描いた静かな物語でした。
インスピレーションの源泉:場末のパブでの一夜
「Sultans of Swing」の誕生には、ノップラーがロンドン南部のデプトフォード(Deptford)で経験したある夜の出来事が関係しています。彼が偶然立ち寄ったパブでは、小さなジャズバンドが、まばらな客の前で演奏していました。決して華やかなステージではなく、バンドの演奏も特別に上手とはいえませんでした。しかし、演奏を終えたリーダーが「グッドナイト、ありがとう。我々はスウィングの王様(Sultans of Swing)だ」と誇らしげに名乗った瞬間、ノップラーはその場の空気とのギャップに思わず笑ってしまったそうです。
この場面が、彼の中で曲のイメージとして膨らみ、詩的なリアリズムを帯びた歌詞へと結実しました。このパブが具体的にどこだったのかは明らかにされていませんが、ファンの間ではデプトフォードの「The Duke of Albany」や「The Bird’s Nest」ではないかと推測されています。
また、このバンドが「サルタン(スルタン)」と名乗った背景には、1950年代のディキシーランド・ジャズのリバイバルが影響していた可能性もあります。当時のイギリスでは、古き良きジャズが一部の愛好家の間で根強い人気を誇り、地方のパブで細々と演奏されていました。ノップラーは、そんな時代遅れの音楽への皮肉と愛情を込めて、この曲を作り上げたのかもしれません。
不遇なスタートと意外な転機
「Sultans of Swing」は、1977年7月にノースロンドンのパースウェイ・スタジオ(Pathway Studios)で録音されたデモテープがきっかけで注目を集めました。このデモがBBCラジオ・ロンドンのDJ、チャーリー・ジレット(Charlie Gillett)の番組「Honky Tonk」でオンエアされると、リスナーからの反響が殺到しました。これを受けて、フォノグラム・レコード(Phonogram Records)との契約が決まり、正式なレコーディングが行われました。
しかし、最初のシングルリリース(1978年5月)は振るわず、BBCラジオからも「歌詞が多すぎる」と難色を示されました。当時のイギリスでは、パンクロックが主流であり、シンプルで攻撃的なサウンドが求められていたため、「Sultans of Swing」のような穏やかでストーリー性のある楽曲は時流に合わなかったのです。
それでも、この曲の持つ普遍的な魅力は徐々にリスナーを惹きつけていきました。特にオランダではラジオで頻繁に流されるようになり、ヨーロッパ全体で人気が高まりました。そして、1979年にアメリカで再リリースされると、全米トップ10入りを果たし、ダイアー・ストレイツの名を世界に知らしめました。
ノップラーのギターテクニックと音楽的特徴
指弾きギターの魅力
「Sultans of Swing」の最大の魅力は、マーク・ノップラーのギターテクニックにあります。彼はピックを使わずに指弾き(フィンガーピッキング)を駆使し、クリアで繊細なトーンを生み出しました。このスタイルは、後のエリック・クラプトンやジョン・メイヤーらにも影響を与えたとされています。
音楽的構成とコード進行
楽曲はDマイナーキー(ニ短調)で書かれ、コード進行にはアンダルシア旋法(Andalusian cadence)やフリジアン・テトラコードの影響が見られます。これにより、スペイン音楽由来の哀愁を帯びた響きが生まれ、曲全体の雰囲気がより深みのあるものになっています。
歌詞の魅力:日常の中の小さなドラマ

歌詞は、ロンドンの片隅で演奏する名もなきバンドの姿を描いています。「ギター・ジョージはコードを知り尽くしているけど、リズムに徹している」「ハリーは昼間仕事をして、夜はホンキートンクを弾く」といったフレーズが、無名のミュージシャンたちの哀愁と誇りを巧みに表現しています。
このリアリズムは、ノップラーのバックグラウンドに起因します。彼は音楽活動を本格化させる前、リーズ大学で英語を学び、新聞記者として働いていました。その経験が、彼の歌詞に独特の観察眼と叙情性をもたらしたのかもしれません。
結び:時代を超えたスタンダード
「Sultans of Swing」は、決して派手な楽曲ではありません。それでも、40年以上にわたり多くのファンに愛され続けています。ノップラーのギターが生み出す唯一無二のサウンドと、日常の情景を切り取った詩的な歌詞が、時代を超えて響き続けるからです。
無名のジャズバンドへのオマージュから生まれたこの楽曲が、結果的にロックの歴史に名を刻んだのは、音楽の持つ小さな奇跡のひとつなのかもしれません。
『Sultans of Swing』–ダイアー・ストレイツ
You get a shiver in the dark
It’s raining in the park, meantime
South of the river you stop and you hold everything
A band is blowing Dixie double four time
You feel alright when you hear that music ring暗いなか寒さで震えてる
公園に雨が降ってるそんななか
川の南で足をとめ じっと耳を傾けたディキシージャズを4分の4拍子のリズムで
演奏してるバンドの音だったんだ
こんな音楽を耳にするとホッとするよなAnd now you step inside,
but you don’t see too many faces
Coming in out of the rain to hear the jazz go down
Competition in other places,
a butter horn be blowing out sound
Way on downsouth,
Way on downsouth London townでも 店のなかに入ってみると
客足はまばらだった
雨のなか わざわざジャズを聴きに来るなんてなほかの場所でもコンペはいろいろやられているが
カッコいいホーンが聴けたんだよ
南に下ったところ
ここはロンドンの南の方なんだYou check out Guitar George,
he knows all chords
Mind he’s strictly rhythm,
he doesn’t wanna make it cry or sing
Left-handed old guitar is all he can afford,
when he gets up under the lights to play his thingギターのジョージに注目だ
あいつはコードをぜんぶ知ってるぜ
リズムも忠実に刻んでる ギターを
泣かせたり歌わせたりするのは好きじゃないヤツが持つのは左利き用のおなじみのギター1本
そいつでライトに照らされて演奏を聴かせるんだAnd Harry doesn’t mind,
if he doesn’t make the scene
He’s got a daytime job,
he’s doing alright
He can play the honky tonk like anything
Saving it up for Friday night
with the Sultans,
with the Sultans of Swingハリーは人気なんて
ちっとも気にしちゃいない
ヤツは昼間の仕事があって
そこそこ稼いでいるからなヤツはホンキートンクはお手の物さ
でも金曜の夜のために取っておくんだ
だって金曜は
“Sultans of Swing”のステージだから
Then a crowd of young boys,
they’re fooling around in the corner
Jogging dressed in their best brown baggies
and their platform soles
They don’t give a damn
about any trumpet playing band
It ain’t what they call rock and roll
And the Sultans
Yea the Sultans played Creole …Creoleそれから若い連中は
店の片隅でバカをやってる
お気に入りの茶色いバギーパンツと厚底の靴をはいて
小突き合ってんのさトランペットのバンドなんてちっとも興味なし
ロックン・ロールじゃないからね
“サルタンズ”は
そう”サルタンズ”は初期のジャズ
~”クリオール”を演ったんだからThen the man steps right up to the microphone,
says at last just as time bell rings
‘Goodnight, now it’s time to go home’
And he makes it fast with one more thing
‘We are the Sultans …
We are the Sultans of Swing’メンバーの一人がマイクの正面に歩み出て
ベルが鳴るのに合わせ最後に言うのさ
“おやすみなさい お帰りの時間です”
そしてヤツは早口でもうひとつ言うんだ“私たちはサルタンズ…”
“私たちはSultans of Swingでした”…!引用:洋楽和訳 Neverending Music日本語訳 by 音時より
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