僕の勝手なBest10:『エルトン・ジョン』-9位=ロケット・マン(Rocket Man)

第9位:『ロケット・マン(Rocket Man)』

エルトン・ジョンの「僕の勝手なベスト10」の第9位は、名曲「ロケット・マン(Rocket Man)」です。この曲は彼の音楽キャリアにおいて象徴的な作品の一つです。この曲は1972年に発表され、エルトン・ジョンとその長年のパートナーである作詞家バーニー・トーピンのコラボレーションから生まれました。宇宙飛行士の孤独や葛藤を描いた歌詞は、広大な宇宙空間という舞台を借りて人間の普遍的なテーマを表現しています。
まずは公式動画をご覧ください。

超約

「Rocket Man」は、宇宙飛行士が地球や家族から離れて孤独を抱えつつ、職務として宇宙に送り出される姿を描いた歌です。
彼は「地上で思われている人物像」と「本当の自分」とのギャップに苦しみ、任務の果てしなさと虚無を感じています。火星で暮らすことの非現実性や、孤立した日常を嘆きながらも、それを淡々と“仕事”として受け止める心情が表現されています。

まずは公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット
Elton John – Rocket Man (Official Music Video)
チャンネル:Elton John(登録者数 約502万人)

✍️ 2行解説
1972年発表の代表曲「Rocket Man」を映像化した公式MV。
移民映像作家マジッド・アディンによるアニメーションで、旅と孤独を重ね合わせた新たな物語が描かれています。
🎬 公式動画クレジット
Elton John – Rocket Man (Royal Festival Hall, London 1972)
チャンネル:Elton John(登録者数 約502万人)

✍️ 2行解説
アルバム『Honky Château』制作直後のロンドン公演で披露された「Rocket Man」のライブ映像。
リリース前に演奏された貴重な初期ライブで、デイヴィー・ジョンストン(ギター)、ディー・マレイ(ベース)、ナイジェル・オルソン(ドラムス)の布陣が揃い、スタジオ版に迫る完成度を見せています。

歌詞に込められた孤独と絆

「ロケット・マン」の歌詞には、家族や愛する人々との絆、そしてその喪失感が深く描かれています。宇宙へと旅立つ主人公は、地球に残した家族や愛する人々への思いを抱きながら未知の世界へと飛び立ちます。この孤独と葛藤は、現代社会において多くの人々が経験する疎外感や孤立感と重なります。仕事や日々の忙しさの中で忘れがちな大切な人々とのつながりを、この曲は改めて思い起こさせてくれます。

また、バーニー・トーピンが語るところによれば、この曲のインスピレーションの一部は、レイ・ブラッドベリの短編小説『宇宙服を着た男』から得られたといいます。この物語では、宇宙飛行士の視点を通じて人間の孤独や家族への思いが描かれており、彼らが手がけた歌詞との共通点を見出すことができます。

メロディとアレンジの力

エルトン・ジョンの楽曲の中でも、「ロケット・マン」は特にそのメロディアスなスタイルが際立っています。彼のピアノ演奏は、曲全体に温かみと深みを与え、聴く者を包み込むような感覚を生み出します。特にサビの部分では、壮大なコーラスが加わり、希望と勇気を与える高揚感を演出しています。(最初の動画の58秒たりからのサビの展開が特に好きですねぇ!)

さらに、この楽曲のアレンジも特筆すべきポイントです。プロデューサーのガス・ダッジョンの手腕により、ストリングスやブラスセクションが巧みに取り入れられ、曲全体が豊かでドラマチックな響きを持つようになっています。エレクトリックギターのフレーズも効果的に配置されており、広大な宇宙を象徴するかのようなスケール感を生み出しています。

時代を超えた普遍性と新たな解釈

「ロケット・マン」は、リリース当時から多くのファンに愛されただけでなく、その後の世代にも広く受け入れられています。

例えば、ケイト・ブッシュが独自のアレンジで披露したカバーや、マイ・モーニング・ジャケットがライブで演奏したバージョンは、それぞれのアーティストが持つ個性を反映させたもので、新しい魅力を与えています。
また、2019年公開の映画『ロケットマン』では、この曲が物語の中心的なテーマとして使用され、エルトン・ジョンの人生とキャリアを象徴する楽曲として再評価されました。(※この記事を書いているのは2024年の11月ですが、今年はまさに日本中大谷翔平で大騒ぎでしたね。映画「ロケットマン」でロケットマンを歌う場所はなんと今大谷がいるドジャーズスタジアムですよ(>_<))

ライブパフォーマンスの魔法

エルトン・ジョンのライブで「ロケット・マン」が演奏される瞬間は、観客との一体感が最高潮に達する特別な時間です。エルトンがピアノに座り、イントロのメロディを奏でると、会場全体が静まり返り、次第に観客がそのメロディに引き込まれていきます。そして、サビの部分では観客全員が一緒に歌い上げ、音楽が持つ共有の力を強く実感させられます。

エルトン・ジョン自身も、この曲をライブで演奏することの特別な意味を語っています。「『ロケット・マン』は、どの会場でも特別な反応を引き出す曲だ。観客が一緒に歌い、感動を共有する瞬間を見ると、この曲の力を改めて感じるよ」と彼は述べています。

歌詞に隠された深いテーマ

「ロケット・マン」は宇宙飛行士の視点を借りて、人間の孤独や自己探求といった深遠なテーマを探求しています。広大な宇宙における孤独感は、現代社会における個人の孤立やアイデンティティの模索を象徴しています。この曲を聴くことで、聴く者は自分自身の内面と向き合い、人生の目的や意味について考えるきっかけを得ることができます。

また、バーニー・トーピンは「ロケット・マン」について、「これは単に宇宙を飛び回る男の歌ではない。もっと深いところで、疎外感や孤独、そして帰属感の渇望を描いた歌なんだ」と語っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました