【5月28日】はジョン・フォガティの誕生日:『Proud Mary』(CCR)をご紹介!

【5月28日】はジョン・フォガティの誕生日

【5月28日】は、アメリカのロック・レジェンド、ジョン・フォガティの誕生日。1945年カリフォルニア州生まれの彼は、1960年代末に一世を風靡したバンド「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)」の中心人物として知られています。ヴォーカル、ギター、作詞・作曲を一手に担い、「Proud Mary」「Bad Moon Rising」「Have You Ever Seen the Rain?(雨を見たかい)」など数々の名曲を生み出しました。

荒削りでブルージーなサウンドと、アメリカ南部を思わせる世界観は“スワンプ・ロック”と称され、現在でも世界中の音楽ファンから支持を受け続けています。ソロ転向後も精力的に活動を続け、アメリカ音楽の原風景を現代に伝える存在として、まさに“生きる伝説”と呼ぶにふさわしい人物です。

1969年の川の物語──クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル「Proud Mary」の響き

まずはYoutubeの公式動画をご覧ください。

🎧  「Proud Mary」公式オーディオ(1969年スタジオ録音)
タイトル:Creedence Clearwater Revival - Proud Mary (Official Audio)
作詞作曲ジョン・フォガティ
プロデューサージョン・フォガティ
レーベル:Fantasy Records
収録アルバム:『Bayou Country』(1969年)
録音スタジオ:RCA Studios(カリフォルニア州ハリウッド)

この音源は1969年のスタジオ録音版で、ジョン・フォガティの鮮烈なボーカルと軽快なギターが印象的。アメリカ南部の風景を想起させるサウンドが、彼らの代表作として広く知られる原点です。

🎤 「Proud Mary」ライブ映像(1970年ロイヤル・アルバート・ホール公演)
タイトル:Creedence Clearwater Revival - Proud Mary (Live At The Royal Albert Hall)
録音日:1970年4月14日
会場:ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン、イギリス)
リリース日:2022年9月16日(アルバム『At The Royal Albert Hall』およびドキュメンタリー『Travelin’ Band』と同時公開)

1970年ロンドン公演の貴重な映像で、CCRの圧倒的ライブパフォーマンスを堪能できる。
時代を超えて蘇るサザン・ロックの名演は、まさに“生きたロックの記録”といえる内容です。

僕がこの曲を始めて聴いたのは・・・

My Age 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年1969
僕が聴いた時期

僕がこの曲を初めて聴いたのは中学生の時ですね。CCRの「雨を見たかい」が1971年にリリースされましたが、その少し前だと思います。

テンポがよく、ジョン・フォガティのが鳴り声というかだみ声というか、好きでしたね。

毎日中学校の休憩時間に洋楽仲間と話をするのが楽し過ぎた頃でした。(>_<)

「Proud Mary」―ミシシッピ川を舞台にした力強いロック曲

1969年にシングルとしてリリースされたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)の「Proud Mary」は、ミシシッピ川を舞台にした力強いロック曲で、時代を超えて多くの人に愛されてきました。ジョン・フォガティが書き、バンドのエネルギッシュな演奏が支えるこの曲は、全米2位を記録し、後にアイク&ティナ・ターナーのカバーで再注目されました。本記事では、1969年の社会背景、音楽の流れ、CCRの歴史、そして当時の日本を振り返りながら、この曲の魅力を掘り下げます。1960年代の音楽世界へ、さあ出発です。

1969年の世界と日本──変化の波と新たな一歩

1969年、世界は大きな転換点にありました。アメリカではベトナム戦争が続き、反戦デモが全国で高まりを見せます。7月20日、アポロ11号が月面着陸を達成(この放送もテレビで見てました!)し、ニール・アームストロングの「一歩」が人類史に刻まれました。8月にはウッドストック・フェスティバルが開催され、40万人以上の若者が音楽と平和を共有し、ヒッピー文化のピークとなりました。映画『明日に向って撃て!』が公開され、西部劇の新たなスタイルが話題に。社会の分断と希望が交錯する年でした。

日本では、10月に東京で日本万国博覧会が開幕し、未来技術の展示が約1,000万人の来場者を惹きつけました。3月には東海道新幹線が開業し、時速210kmの速さが国民を驚かせました。しかし、学生運動が活発化し、全学共闘会議が大学を占拠。社会に緊張感をもたらす一方、経済成長が続き、都市部では生活が豊かさを増していました。こうした中で、若者たちは音楽を通じて自己表現や解放感を求めていたのです。

ロックとフォークの交差点──1969年の音楽風景

1969年の音楽シーンは、ロックとフォークが互いを刺激し合う活気ある時期でした。アメリカでは、ボブ・ディランの「Lay Lady Lay」がカントリーフォークの柔らかさを広げ、クロスビー、スティルス&ナッシュのデビューがハーモニーの美しさを示しました。レッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」がハードロックの勢いを加速させ、ビートルズが『Abbey Road』の録音を進め、ポップロックの完成度を高めました。

日本では、フォークが若者の心をつかみ、日本では、フォークが若者の心をつかみ、ザ・フォーク・クルセダーズは『帰って来たヨッパライ』で一世を風靡しつつも、『イムジン河』のように歴史的テーマに挑んだ未発売曲もあり、その姿勢が後年評価されています。またグループ・サウンズのザ・テンプターズ(ボーカルはショーケンこと萩原健一でした)が「エメラルドの伝説」でポップな魅力を維持。ロックとフォークが交錯する中、CCRの「Proud Mary」は、南部風の力強さで日本の音楽ファンにも新鮮な印象を与えたのです。

朝鮮半島「分断された祖国」:イムジン河
朝鮮半島「分断された祖国」:イムジン河

湾岸出身の4人──CCRのルーツと個性

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルは、1967年にカリフォルニア州エルセリートで誕生しました。メンバーは、ジョン・フォガティ(ボーカル、ギター)、トム・フォガティ(リズムギター)、スチュ・クック(ベース)、ダグ・クリフォード(ドラムス)。当初「The Golliwogs」として1964年にデビューしましたが、大きな成功には至らず、1967年に現在の名前に変更。ファンタジー・レコードと契約し、南部風のロックで独自の道を切り開きました。

ジョン・フォガティの指導力がバンドの核となり、彼の多重録音技術がサウンドに深みを加えました。1968年のデビューアルバムで注目を集め、1969年の『Bayou Country』で「Proud Mary」を発表。ジョンは幼少期に南部音楽に惹かれ、その影響をサウンドに反映しました。1972年の解散まで5年間で7枚のアルバムをリリースし、ロック史に残る存在となりました。フォガティの生々しい声とストーリーテリングが、CCRの特徴です。

川の鼓動を刻むサウンド──「Proud Mary」の音楽的特徴

「Proud Mary」は、1969年1月にシングルとしてリリースされ、アルバム『Bayou Country』に収録されました。イントロのギターリフが力強く流れ、ミシシッピ川の蒸気船を連想させる勢いがあります。ジョンの荒々しい声が労働者の誇りを歌い上げ、サビの「Rollin’ on the river」でコーラスが加わり、会場を一つにするエネルギーを放ちます。メロディーは単純ながら、南部風のビートとロックの骨太さが融合し、親しみやすさが際立ちます。

アレンジには、ドラムとベースが川の流れを表現し、オルガンが南部らしい色合いを添えます。録音はカリフォルニアのスタジオで、1960年代後半の生々しい音質が特徴です。1971年にアイク&ティナ・ターナーがカバーし、ソウルフルなアレンジで全米4位を獲得。CCRのオリジナルは、ライブでのコール&レスポンスが映える構成で、70年代初頭のロックの多様性を象徴する一曲となりました。

旅と解放の物語──歌詞に込められた人生讃歌

「Proud Mary」の歌詞は、ミシシッピ川を進む蒸気船を舞台に、人生の旅路を讃えます。「Left a good job in the city, workin’ for the man ev’ry night and day」という冒頭は、都会の束縛からの脱出を象徴。船員として働く主人公は、「Rollin’ on the river」で川と共に前進し、労働の喜びを力強く歌います。「Big wheel keep on turnin’, Proud Mary keep on burnin’」は、困難を乗り越える生命力を表し、希望を残します。

ジョン・フォガティは、1968年の仕事のストレスから着想を得てこの曲を書きました。カリフォルニア育ちの彼が、南部の文化に憧れ、川のイメージを膨らませたのです。歌詞には、労働者階級の日常や自由への渇望が込められ、1960年代の社会変革を反映しています。アイク&ティナ版では、女性の視点が加わり、解放感が強調され、異なる解釈が楽しめる楽曲となっています。

ロックの広がりの中で際立った独自性

1969年のロックシーンは、多様なスタイルが競い合う時期でした。ザ・フーの『Tommy』がロックオペラの先駆けとなり、ジェフ・ベックの「Beck’s Bolero」がインストゥルメンタルの可能性を示しました。ブラッド・スウェット&ティアーズの『Blood, Sweat & Tears』がジャズロックを広げ、クレイジー・ホースのバックでニール・ヤングが活動を始めました。ウッドストックでは、ザ・フーやジョプリンが多様な音楽を披露しました。

「Proud Mary」は、南部風のルーツロックで、過剰な装飾を避けたストレートなアプローチが特徴です。ハードロックの重さとは異なり、親しみやすいリズムと物語性が光り、ライブでの一体感が人気を支えました。アイク&ティナ版のソウルフルな解釈も加わり、ロックの幅広さを示しました。1960年代末の社会運動と音楽の結びつきを体現する一曲として、時代に根付いたのです。

日本の若者に届いた旅の歌

日本では、「Proud Mary」が1969年にシングルとして登場し、洋楽ファンの間で徐々に人気を獲得しました。原題のまま親しまれ、フォークブームの若者たちに川の旅という異文化が新鮮に響きました。あるリスナーは、「新幹線の開業を祝った日にこの曲を聴き、旅の自由を夢見た」と振り返ります。万博の活気や学生運動の緊迫感の中で、この曲は若者に活力を与えました。

時代を超えるCCRの響き

「Proud Mary」は、CCRの短い活動期間に大きな影響を与えました。1972年の解散後、ジョン・フォガティはソロで「Rockin’ All Over the World」(1975年)をリリースし、再評価されました。アイク&ティナ版は1972年のグラミー賞にノミネートされ、ロックの多様性を示しました。1993年にロックの殿堂入りも果たし、CCRの遺産が認められました。

2025年現在、CCRの「Proud Mary」は、SpotifyやYouTubeなどの音楽ストリーミングサービスで引き続き親しまれており、1970年代のロックを振り返るファンに愛されています。また、2018年に公開された映画『Proud Mary』では、同名のタイトルが使用され、サウンドトラックもリリースされました。 この映画の音楽は、作曲家フィル・アイスラーが手がけています。

CCRの音楽は、南部風のルーツとジョン・フォガティのストーリーテリングが融合し、時代を超えてリスナーの心に響き続けています。 「Proud Mary」は、川の旅を象徴する楽曲として、今も自由と誇りを伝えています。

川の流れに身を任せる夜

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「Proud Mary」は、1969年の激動の中で生まれた、川の旅と人生の讃歌です。力強いリズムと南部風のハーモニーが融合したこの曲は、時代を超えて多くの人を惹きつけます。カリフォルニア育ちのフォガティが、南部のイメージを音に変えました。夜にこの曲を聴けば、1960年代の自由な魂と川の流れが心に広がるでしょう。

Proud MaryCCR)

都会での堅実な職を捨て、私は自由を求めて川沿いの世界へと旅に出た。
眠れぬ夜を過ごし、皿を洗い、街を転々としながらも、心は軽かった。
「Proud Mary」という名の船の車輪は、今日も静かに回り続ける。
過去を悔やまず、未来を急がず、ただ“流れに乗る”という生き方。

人々は川辺で暮らし、与えることにためらいがない。
金がなくても、そこで生きることはできる。
彼らの穏やかな笑顔と歌声に包まれ、私はようやく“本当の人生”に触れた。

華やかな街の光ではなく、川面を照らす夕陽のような温もり。
「ロックンロール」の疾走感とともに、魂は再生される。
Proud Maryは止まらない。回り続けるその車輪のように、
私の人生もまた、流れ続けていくのだ。

by ken

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