槇原敬之について詳しくはこちら➡Wikipedia
今日は5月18日:槇原敬之の誕生日!
今日は5月18日。シンガーソングライター・槇原敬之の誕生日です。
1969年に大阪府高槻市で生まれた槇原は、1989年に「NG」でメジャーデビューを果たし、1991年の「どんなときも。」で一躍トップアーティストの仲間入りをしました。以降も数々のヒット作を生み出し、その誠実なメッセージ性とやわらかな歌声で、J-POPシーンを牽引してきました。
彼の音楽には、どこか生活に根ざしたリアルさがあります。喜びや痛みを過剰に dramatize せず、それでいて心に静かに染みわたる歌詞とメロディ。その魅力は、恋愛や人生に迷いがあるときこそ、いっそう際立ちます。
まずは、この曲を公式のYoutube動画でチェック!
【公式】槇原敬之「もう恋なんてしない」(MV)【5thシングル】(1992年)
クレジット:
曲名: もう恋なんてしない(Mo Koi Nante Shinai)
アーティスト: 槇原敬之(Noriyuki Makihara)
リリース日: 1992年5月25日(5thシングル)
収録アルバム: 君は僕の宝物(1992年6月25日発売)
公式配信元: Warner Music Japan(YouTube公開日:2012年11月12日)
視聴回数: 約9,400万回(2025年5月現在)
【2行解説】
失恋からの再生を描いた名曲で、ドラマ『子供が寝たあとで』の主題歌としても知られる。等身大の歌詞と温かなメロディが世代を超えて共感を呼び、槇原敬之の代表作として定着した。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 1992 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
春の夜、テレビから流れてきたあの歌声
僕がこの曲を初めて耳にしたのは、リリース直後だと思います。「ハッキリとは覚えてません!」シリーズのようですが、さすがに当時このブログを書くことを計算していたならメモってたでしょうけど(;”∀”)
社会人12年の頃です。テレビではBest10などの番組が多くあり、よく見てましたからね。

この曲はドラマにも使用されていたようですが、ドラマを見る習慣はあまりなかったので、テレビから流れてきたドラマのエンディング・・・ではないと思います。
いずれにせよ、その中で優しく響いていたのが、槇原敬之の『もう恋なんてしない』でした。
「どんなときも」も素晴らしい曲ですが、僕的にはこちらかと思います。
「君がいないと何にもできないわけじゃないわけじゃないと・・・」いいですねえ! この冒頭のフレーズ。誰もが経験するような別れの痛みを、どこかユーモラスに、でも誠実に描いたその歌詞。明るさと切なさが同居するようなメロディがよくて、歌も上手かった。好きな一曲でした。
アーティストと時代背景
バブル崩壊と90年代の空気感
1992年当時の日本は、バブル崩壊による社会不安が広がりつつありました。
地価や株価の暴落、就職氷河期の足音、社会制度や価値観の揺らぎ…。若者たちの多くが、未来に明るい展望を描けずにいた時代です。

そのような背景のなかで、槇原敬之の音楽は多くの人にとって“心の避難所”のような存在になっていました。派手なアレンジでも、大きな声でもない。むしろ等身大の視線と、ふとした感情をそのまま受け止めるような歌詞が、重く沈みがちな空気の中に、やさしい風を吹かせていたのです。
飾らない感情表現と“等身大の力”
槇原敬之は、学生時代からギターとピアノを独学で学び、曲作りに没頭してきたといいます。1989年のデビュー以降、華やかなルックスや演出とは一線を画し、あくまで“言葉”と“メロディ”で勝負する姿勢を貫いてきました。

1991年の「どんなときも。」で一気に全国区へ躍り出たのちも、そのスタイルは変わりません。
明るく聴きやすいメロディの中に、自己肯定や共感、人生の痛みと回復といった深いテーマを織り込みながら、あくまで“身近な感情”を丁寧に扱うこと。それが彼の音楽の本質でした。
『もう恋なんてしない』も、そんな槇原さんの姿勢が表れた代表曲のひとつです。
失恋の痛みを真正面から描くのではなく、少し肩の力を抜きながら、でも本音を語る。
そのさじ加減が、私たちの心をふっと軽くしてくれるのです。
『もう恋なんてしない』の誕生と構成の妙
ドラマ主題歌としての誕生
『もう恋なんてしない』は、1992年5月25日にリリースされた槇原敬之の5枚目のシングルです。
当時放送されていた日本テレビ系ドラマ『子供が寝たあとで』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、ドラマとともに多くの家庭の茶の間に届きました。槇原敬之にとっては「どんなときも。」に続くミリオンヒットとなり、約140万枚を売り上げる大ヒットを記録しました。

この楽曲は、サポートキーボーディストであり編曲家の本間昭光氏との共作的関係から生まれた作品でもあります。実際、本間氏の実体験による失恋エピソードが元になっているとされ、槇原敬之がその話を聞きながら作詞を進めていったというエピソードも伝えられています。
音楽構成と印象的なサウンド
楽曲の冒頭では、あたたかくて少し切ない雰囲気のピアノの音色が、静かにそっと始まります。そこに弦楽器のやわらかい音が重なって、曲全体がじんわりと広がっていくような印象です。
リズムは早すぎず遅すぎず、ちょうど“誰かに静かに語りかけるような”落ち着いたテンポ。難しい音使いではなく、耳にすっと馴染むやさしい流れの中で、メロディが自然に揺れ動きながら、物語のような展開を描いていきます。
編曲は本間昭光氏が担当し、リズムセクションを控えめに、ボーカルを中心に据えたアレンジとなっています。打ち込みによるドラムやベースはあくまで控えめに使われ、メインの楽器はピアノとストリングス、そして柔らかいコーラス。この編成が、詞のもつ繊細な感情を過不足なく支えているのです。

言葉と旋律が交差する魅力
日常の中にある心のつぶやき
「君がいないと何にもできないわけじゃないと・・・」
この一節に、この曲のすべてが凝縮されていると言っても過言ではありません。
失恋を経験した人がよく使う“強がり”の裏にある、本当の感情。槇原敬之は、それを押しつけがましくなく、むしろ少し照れたように描いています。
サビに登場する「もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対」という、二重否定による独特の言い回しも印象的です。このフレーズは、単に前向きというより、“それでも人を好きになることをやめられない自分”を優しく認めているように響きます。
メロディに込められた“やわらかな余白”
音楽的にも、サビに向かって少しずつ広がっていく構成が特徴です。
Bメロの終わりでピアノが静かに溜めをつくり、サビで一気に開放感を持たせる。その展開が、“泣きながら笑っているような感情”を見事に表現しています。

また、全体を通してメロディラインには無理がなく、あくまで自然な歌い回しが貫かれています。聴き手が自分の気持ちとして「語る」ことができるように設計されたような旋律。だからこそ、多くのリスナーがこの歌に自分の体験を重ね合わせることができるのです。
このように、『もう恋なんてしない』は、詞と音がどちらも主張しすぎず、寄り添い合うような絶妙なバランスで成り立っています。
時代を越えて響く共感と再評価
発表当時の評価とヒット
リリース当時、『もう恋なんてしない』はオリコンチャートで初登場2位を記録。1992年の年間シングル売上ランキングでは第7位にランクインし、槇原敬之の人気を決定づけた一曲となりました。ドラマの影響もあって、幅広い世代に知られることになり、「失恋ソングといえばこの曲」と言われるほどの定番に定着していきました。
同年の音楽シーンは、B’z「ZERO」、WANDS「もっと強く抱きしめたなら」、DREAMS COME TRUE「決戦は金曜日」など、大型ヒットが多数並ぶ激戦の年。その中で、テンションを抑えたこの楽曲が独自の存在感を保ち続けたのは、まさに“共感力の勝利”と言えるかもしれません。
春の夜にそっと寄り添う歌
『もう恋なんてしない』は、失恋の涙をそのまま肯定しつつ、それでも前を向こうとする人の背中を静かに支える歌です。
30年以上が経った今でも、あの春の夜のように、変わらぬぬくもりをもって、聴く人の心に寄り添ってくれる──そんな力を持った一曲です。

もしあなたが今、少し立ち止まっているのなら、ぜひこの曲を静かに聴いてみてください。恋に疲れた日にも、人を愛する勇気をくれるこの歌は、きっとまた新たな気持ちで歩き出すきっかけになるはずです。恋は成就してもしなくても、人生に色どりを与えてくれます。はいこれホント!!
そして最後に伝えたいのは「やっと自由を手に入れた ぼくはもっと淋しくなった」という歌詞
自由になることは、寂しいことだし、かえって不自由でもあるんですよ(>_<)
人間ってホントに不思議な生き物です。
コメント