【7月3日】は、ミッシェル・ポルナレフの誕生日『忘れじのグローリア』をご紹介!

今日7月3日は、ミッシェル・ポルナレフの誕生日!

ミッシェル・ポルナレフ(Michel Polnareff)は、1944年7月3日、フランス・ロット=エ=ガロンヌ県ネラック生まれクラシック音楽の作曲家だった父レオ・ポルのもと、幼少期から厳しい音楽教育を受けて育ちました。青年期に反発し、ギターを手にロックやポップスの世界へ転身します。

1966年、シングル『ノンノン人形(La Poupée qui fait non)』で鮮烈なデビューを飾り、繊細なメロディと独特のビジュアルスタイルで一躍注目を浴びました。以後、フランス国内外で数々のヒット曲を送り出し、1970年代には演出性の高いライブや社会的スキャンダルでも話題を集めました。

白いサングラス、中性的な衣装、挑発的な言動で“異端のポップスター”として独自の存在感を確立。代表作に『シェリーに口づけ(Love Me, Please Love Me)』『グローリア』『愛のコレクション(Lettre à France)』などがあります。

フランス音楽界の常識を塗り替えた孤高のアーティストとして、今なお多くのファンに愛され続けています。

今日の紹介曲:『忘れじのグローリア』(ミッシェル・ポルナレフ)の世界!

まずはYoutube動画の(公式動画)からどうぞ!!

🎧 公式動画クレジット
Michel Polnareff – Gloria
配信:Michel Polnareff Officiel(公式チャンネル)
提供:Universal Music Group(UMG)による公式配信音源

🎵 解説(2行)
1970年リリースのバラード曲で、繊細なメロディと感情豊かな歌声が魅力。アルバム『Pop Rock en Stock』に収録され、現在も根強い人気を誇ります。

『忘れじのグローリア(Gloria)』概要

  • リリース年:1974年
    同年に発売されたライブアルバム『Polnarévolution(ポルナレボリューション)』に収録された楽曲。フランスを離れる直前の時期に制作され、ポルナレフの心情が色濃く反映された作品です。

主な聴きどころ

① 情念が迸るファルセット

「Gloria, Gloria…」と繰り返されるサビでは、切迫感のある高音ファルセットが炸裂します。
男性的な地声と、女性的な裏声が交錯し、愛と絶望のコントラストを生み出しています。

② 映画のような構成美

静かなピアノのアルペジオから始まり、ストリングスが加わって徐々に盛り上がる構造は、まるで6分間の音響ドラマ。中間部ではエモーショナルなギターソロも挿入され、クライマックスへとなだれ込む展開が秀逸です。

③ 哲学的な歌詞世界

グローリアという女性を、宇宙・光・川といった抽象的・象徴的な存在へと昇華。現実の恋愛感情を超えて、人生・存在・喪失の本質に迫るような詩世界が広がっています。

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60代
曲のリリース   1974     
聴いた時期   ●     

僕がこの曲を初めて聴いたのは高校1年生の時です。

中学時代から、ポルナレフは聴いていたので、自然と情報は入ってきます。

『シェリーに口づけ』『愛の休日』・・・などなどたくさんの名曲がありますが、僕の中での1番がこの『忘れじのグローリア』です。
単純ですが、さびに向かっていく高揚感と、さびの爆発力と哀愁。忘れられない一曲です。あとフランス語なのもGoodです。僕は、女性が多いだろうとゲスの考えで大学時代に第2外国語としてフランス語を取ったのですが、覚えているのは、👉 Je t’aime(ジュ・テーム)くらいですかね!!(「aime」= 愛している(動詞「aimer」の一人称活用)、「Je」= 私、「t’」= 君を(「te」の省略形))(;”∀”)

1974年という時代に刻まれた、ひとつの“叫び”

混乱のヨーロッパとポルナレフの出発点

この楽曲が世に出たのは1974年オイルショックの影響で世界中が混乱していた時代です。フランスではポンピドゥー大統領の急逝とジスカール・デスタン新政権の登場が重なり、国民の間に不安と期待が交錯していました。

ポルナレフはこの頃、音楽的成功とは裏腹に、プライベートでは深い混乱の中にいました。税務トラブルによって財産を失い、信頼していた人物に裏切られ、彼はフランスを離れざるを得ない状況に追い込まれます。その直前に発表されたのが『グローリア』でした。

世界的な音楽のうねりと共振する構成

同年、世界ではクイーン(いずれBest30作成予定です!!)が『キラー・クイーン』で一気にブレイクし、ABBAが『恋のウォータールー』で世界的な注目を集め始めた頃です。ポルナレフの『グローリア』も、こうした演劇性と大衆性のバランスが際立った楽曲として、世界的な音楽の潮流とどこかで共鳴していたことは見逃せません。

しらん、おっさんが一人いる???

ミッシェル・ポルナレフという人物

クラシックと反骨精神の融合

1966年、衝撃的なデビューを果たした彼は、やがてフランス国内に“異端の美学”を持ち込む存在として話題を集めます。

スカートのような衣装、大胆な白いサングラス、女装ポスター騒動……。すべてが彼にとっては“自己表現”の一部でした。そうした奇抜なビジュアルとともに、クラシックに裏打ちされたメロディの緻密さ、ロックの情熱、ポップの親しみやすさを兼ね備えた彼の音楽は、フランス国内の枠を超えて広がっていきます。

『グローリア』と「亡命」の影

税金滞納と経済的破綻、そしてスキャンダルに揺れた1973年。彼はフランスを離れ、事実上の“亡命”としてアメリカへ渡ります。このとき、彼の心にあったのは喪失感と挫折、そして絶望。それらの情念が結晶化されたような楽曲が『グローリア』でした。


楽曲構成の妙:6分間の音響詩

静寂から激情へと至る構造

冒頭は、独奏ピアノの繊細なアルペジオ。そこに乗るのは、深く掠れた声で始まる語りのような歌唱です。次第にオーケストラとストリングスが加わり、楽曲は徐々に熱を帯びていきます。

そしてサビに入ると一気にファルセットが炸裂。ポルナレフの裏声は、技術を超えて「叫び」そのものです。男性的な地声と女性的な裏声を交差させることで、絶望と祈り、怒りと哀しみの両極を行き来します。まるで魂が震えるような体験です。

ギターとコーラスが交錯するクライマックス

中盤以降には、エモーショナルなギターソロが挿入され、ストリングスとの対話のように展開されます。終盤には壮大なコーラスが加わり、サビが幾度も繰り返され、聴き手を“終わらせないエンディング”へと導きます。そして最後は、冒頭と同じ静寂なピアノの音へと戻り、音のドラマが終わりを告げます。

この「静と動」の構造は、まさに一本の短編映画を見るような体験。聴き終えたあとに、深い余韻が残る作品となっています。


歌詞の主題:光と闇の狭間に

『グローリア』の中で主人公は、失われた愛の記憶を“宇宙”や“光”といった抽象的なイメージに投影します。その描写は、彼女が単なる個人ではなく、自らの人生の意味や存在の拠り所だったことを暗示しています。

「僕は君のもの」「毎朝待っている」「この旅をひとりで終えたくない」――
これらの一節には、現実の喪失と、それでも信じたい未来への執着が交錯します。ここに描かれているのは、誰しもが経験する“心のグローリア”の追憶ともいえるでしょう。


“あなたのグローリア”に思いを馳せて

普遍的なテーマとしての“栄光と喪失”

『グローリア』という名は、“栄光”という意味を持つラテン語に由来します。しかし、ポルナレフのこの曲が歌い上げるのは、失われた愛であり、取り戻せない時間です。栄光とは何か? 愛とは何か? 喪失の中でも生きていくとはどういうことか――。


GloriaMichel Polnareff意訳

君がもう戻らないと言っても
僕の心は、なお君の光で満たされている。
どんなに再会の望みが絶たれても、
僕は君の記憶を、水のように喉に流し込む。

許してほしい――
うまく愛せなかった僕を。
だけど、君はなぜ行ってしまったのか?
君を閉じ込めておけたなら、
こんな孤独は訪れなかったのに。

人は言うだろう、まだ待つなんて愚かだと。
でも僕は、死ぬまで君を待ち続ける。
道の果てで、朝が来るたび、君を思う。
僕の旅はまだ終わらない。
君なしでは、どこにもたどり着けないんだ――
おお、グローリア。

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