■HSCCについて詳しくは、こちらから➡|HSCCという奇跡のバンドを知っていますか?
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冒頭:物語の扉
1980年、世界中のラジオから流れてきた心地よいエレクトリック・ピアノの響き。ダリル・ホール&ジョン・オーツによる『Kiss On My List』は、ブルーアイド・ソウルの金字塔として今も色褪せない輝きを放っています。
今回ご紹介するHSCCのカバーは、原曲の洗練されたポップネスに、オーストラリアの凄腕職人たちが「生身の熱量」と「極上のグルーヴ」を注ぎ込んだ見事なテイクです。計算し尽くされた80年代のスタジオマジックが、血の通ったライブアンサンブルとしてどう生まれ変わったのか。僕と一緒に、その心地よい音の波に乗ってみましょう。
歌詞:超約
友だちは、なぜ君に夢中なのか理由を知りたがる。
でも説明なんてできない――ただ君のキスが特別なんだ。
人生で大切なものリスト、その一番上に君がいる。
夜、灯りを消した瞬間にいちばん恋しくなる存在だから。

まずはYoutubeの公式動画からご覧ください。
✅ 公式動画クレジット
『Kiss On My List』(ホール&オーツ)
カバー演奏:ザ・ハインドリー・ストリート・カントリー・クラブ(HSCC)
フィーチャリング:ジョーダン・レノン
制作:The HSCC
編曲:コンスタンティン・デロ
ライブ録音:The House Of SAP
ミックス/マスタリング:Pete Sayad(NYC)
2行解説
1981年のHall & Oatesの全米No.1ヒットを、オーストラリアの人気カバープロジェクトHSCCがライブ形式で再現した公式セッション動画。原曲のAOR/ブルーアイドソウル感を保ちつつ、現代的なスタジオライブサウンドで仕上げた高品質カバー。
HSCCの真骨頂とも言える、笑顔とグルーヴが交差する極上のセッションです。メンバー全員が音を出す喜びを全身で表現しており、観ているこちらまで自然と体が揺れてしまいます。
原曲版動画:80年代ポップスの完璧な見本帳
ダリル・ホールの甘くソウルフルな歌声と、時代を象徴するポップなアレンジ。80年代特有の空気感をまとった、まさに「クラシック」と呼ぶにふさわしい公式映像です。
楽曲の背景 ── 時代を彩った「ブルーアイド・ソウル」
原曲のアイデンティティ:80年代の幕開けと洗練
1980年代初頭は、シンセサイザーやドラムマシンが本格的にポップミュージックに導入され始めた過渡期でした。ホール&オーツは、フィラデルフィア・ソウルの影響を受けたR&Bのフィーリングと、キャッチーなポップスを完璧に融合させ、この曲で全米ナンバーワンを獲得します。都会的で洗練されているのに、どこか人間臭い。それが彼らの音楽の最大の魅力でした。

「愛してる」とストレートに言わず、「君のキスがリストにあるから」と少し斜に構えてみせる。この「照れ隠し」の絶妙なバランスが、軽快なメロディに乗ることで、たまらなく魅力的なラブソングとして完成しています。
深掘り:HSCCによる「魂の再構築」
イントロの衝撃:シンセから生楽器への鮮やかな変換
原曲のイントロは、エレクトリック・ピアノとドラムマシン風のタイトなビートが印象的です。HSCCはこの無機質で洗練された導入部を、生楽器のふくよかな鳴りで見事に再構築しています。キーボードの煌びやかなタッチに、ギターのカッティングが絡み合う瞬間、この曲が本来持っていたR&Bのルーツが鮮やかに浮かび上がります。

リズムの鼓動:跳ねるベースとタイトなドラム
HSCCのリズムセクションは、今回も最高の仕事をしています。
原曲の軽快さを損なうことなく、ベースはよりファンキーに動き回り、ドラムはスネアの抜けの良さで楽曲全体に心地よいドライブ感を与えています。この「跳ねるようなグルーヴ」こそが、HSCC版が原曲以上に「肉体的」に聴こえる最大の理由でしょう。
歌声の対話:甘さとソウルフルな熱情の交差点
ボーカルの表現力も見逃せません。ダリル・ホールの歌声は「シルキーで甘い」のが特徴ですが、HSCCのボーカルはそこに「ソウルフルな熱量」をプラスしています。歌詞の持つ「照れ隠し」のニュアンスを保ちながらも、サビに向けて感情を解放していくような歌い回しは、ライブバンドならではの迫力に満ちています。

アンサンブルの妙:コーラスワークが織りなす至福の空間
そして特筆すべきは、サビの「(Because your kiss) your kiss is on my list」で幾重にも重なる厚いコーラスワークです。原曲の多重録音マジックを、HSCCはメンバー全員の生声によるハーモニーで再現。このゴスペルすら彷彿とさせる声の壁が、楽曲に圧倒的な高揚感をもたらしています。
原曲への敬意、そして現代への架け橋
リスペクトの形:ポップスを「極上のライブアンセム」へ
ホール&オーツがスタジオワークの粋を集めて作った完璧なポップスを、HSCCは「ステージの上で生身の人間が鳴らす音楽」へと見事に変換しました。原曲の素晴らしいメロディやコーラスの構成に深い敬意を払いながらも、決してただのBGMにはさせない。そんな彼らの気概が伝わってきます。

HSCCが守るもの:生演奏が生み出す「人と人との共鳴」
打ち込みのビートが主流となった現代だからこそ、HSCCが奏でる「揺らぎのあるグルーヴ」は私たちの耳にとても新鮮に響きます。メンバー同士が目と目を合わせ、息を揃えてキメのフレーズを鳴らす。そこにある「人と人とが音で共鳴する喜び」こそが、彼らがカバーを通じて守り、伝えようとしているものなのだと僕は思います。
結び:余韻のなかで
Because your kiss is on my list of the best things in life.
(なぜなら君のキスは、僕の人生の最高なものリストに入っているから)
なんてお洒落で、少しキザで、心温まるフレーズでしょう。

HSCCによる『Kiss On My List』は、この不朽のラブソングに隠されたソウルの熱を呼び覚まし、僕たちに最高の笑顔を届けてくれました。彼らの演奏を聴いた後、きっと皆さんの「人生の最高なものリスト」の中にも、このバンドの名前が新しく書き加えられるはずです。
さあ、次はどんな名曲が、彼らの手によって魔法をかけられるのでしょうか。
ブログ主より
最後までお読みいただきありがとうございました。
僕のブログ「Ken’s Music Eternity and Solitude」でのHSCCカバー特集、今回は80年代ポップスの名曲をお届けしました。皆さんは、原曲の洗練されたアレンジと、HSCCの生音のグルーヴ、どちらに魅力を感じましたか?ぜひ感想を教えてください。

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