【5月5日】は天野滋の誕生日!『夕暮れ時はさびしそう』-(NSP)をご紹介!

🎤【5月5日】は天野滋の誕生日

NSPの中心人物として活躍したシンガーソングライター、天野滋さんは1952年5月5日、岩手県一関市に生まれました。中村貴之さん、平賀和人さんと共に結成したNSPは、「夕暮れ時はさびしそう」など叙情的なフォークソングで人気を集めました。

日常の風景や青春の心情を素朴に描いた天野さんの詞とメロディは、多くの共感を呼び、今も色褪せることはありません。2005年に52歳で逝去されましたが、その音楽は世代を超えて愛されています。

📺🎵 NSP「夕暮れ時はさびしそう」公式音源

1974年7月にリリースされたNSPの代表曲「夕暮れ時はさびしそう」。柔らかなメロディと情感豊かな歌詞が印象的なこの曲は、今もなお多くのリスナーの心をとらえ続けています。

動画提供:NexTone Inc. / YouTube「N.S.P. - トピック」
楽曲:NSP「夕暮れ時はさびしそう」
作詞・作曲:天野滋
編曲:福井峻
リリース日:1974年7月10日(シングル)
URL:https://www.youtube.com/watch?v=eIoGdswQVWc

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫

My Age 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年1974
僕が聴いた時期

この曲がリリースされたのが、1974年の7月です。
おそらく僕がこの曲を聴いたのもその頃でしょう。

今回記事にするまでは、中学時代に聴いた曲だとばかり思っていました。何度もつぶやいていますが、ひとの記憶とはあてにならないものですね( ;∀;)

部活が終わり学校から帰って風呂に入る時には、当時必ずラジカセも持って入りこの「夕暮れ時はさびしそう」も入ったカセットテープを流し続けていたのを思い出します。

懐かしくも、どこかうぶで、思い出すと少し恥ずかしくなるような──そんな気がする曲でした。

🌅 あなたを誘う黄昏のテーマパーク──NSP「夕暮れ時はさびしそう」で感じるノスタルジー

1974年リリースのNSP「夕暮れ時はさびしそう」は、フォークのぬくもりと青春の切なさを凝縮した一曲です。岩手県一関の高専生3人組が放ったこの楽曲は、シングルチャートで11位を獲得(オリコン1974年10月14日付)し、彼らの代表作として世代を超えて愛され続けています。

黄昏の河原で寄り添う誰かを求める主人公の心情は、シンプルなメロディとあいまってリスナーを郷愁の世界に誘います。ここでは、当時の社会背景や音楽シーン、NSPの個性、そして歌詞とサウンドが描く青春像を多角的に紐解いていきます。


⛽️ 激動の時代を映した音楽──1974年の社会背景

世界を揺るがすオイルショックと若者文化

1973年の第一次オイルショックが尾を引き、物価高騰と生活不安が日本中を包み込んだ1974年。トイレットペーパー欠品騒動やガソリンスタンド前の長蛇の列が日常となり、経済への不安が広がりました。

一方、アメリカではウォーターゲート事件の余波が続き、1974年8月にニクソン大統領が辞任。政治不信と社会変動の中で、若者たちは音楽や文化に精神的な拠り所を求めていました。

日本の空気とフォークの共鳴

日本では、不況に加えて高度経済成長の歪みが露呈し、若者たちは大量消費社会に違和感を抱くようになります。その閉塞感に静かに寄り添うように、NSPのような叙情派フォークが注目され始めたのです。

🎸 フォーク×ロックの交差点──多彩に広がる音楽シーン

フォークとニューミュージックの進化

1974年は、吉田拓郎や井上陽水が台頭し、フォークにロック的エッセンスを取り入れた「ニューミュージック」の時代でもありました。かぐや姫の「神田川」が大ヒットし、個人の感情や日常風景を丁寧に描く手法が主流となっていきます。

洋楽の波とロックの衝撃

一方で洋楽では、ABBAの「Waterloo」がユーロビジョン優勝を果たし、キャロルなど日本のバンドもその影響を受けながら、エネルギッシュなロックを打ち出し始めます。ロックとフォークが拮抗する中、NSPはあえて静かさで勝負する個性を発揮しました。


🏫 岩手から飛び立った叙情派──NSP結成と上京の軌跡

一関高専で出会った3人の青春

NSP(ニュー・サディスティック・ピンクの略)は、岩手県一関工業高専の同級生であった天野滋、中村貴之、平賀和人の3人によって1972年に結成。当初はロック寄りの演奏をしていましたが、徐々に叙情的なフォーク路線へと移行します。

メジャーデビューとヒットへの道

1973年にヤマハポピュラーソングコンテストで入賞し、同年「さようなら」でデビュー。1974年にリリースした「夕暮れ時はさびしそう」が全国的な反響を呼び、オリコン11位にランクイン。アルバム『NSP III ひとやすみ』もオリコン4位を記録しました。


🍃 オカリナが描く情景──サウンドの核とアレンジ

静寂と温もりを両立する編成

「夕暮れ時はさびしそう」のイントロは、アコースティックギターのアルペジオとともにオカリナが柔らかく鳴り響きます。中村貴之によるこのオカリナの旋律は、楽曲全体に郷愁を与える決定的な要素となりました。

ハーモニーが生む包容力

三人のコーラスが丁寧に重なり、ドラムとベースは控えめにリズムを刻むことで、主人公の孤独と微かな希望を包み込みます。音数を絞ったアレンジは、聴く人の想像力を喚起し、田舎の黄昏風景を心に描かせるのです。


💬 歌詞の行間ににじむ心情──思春期の風景と願い

具体性と普遍性が同居する描写

田舎の堤防」「ぼんやりベンチ」といった情景描写は、誰しもの記憶にあるような場面を呼び起こします。「よりそう人が 欲しいもの」という言葉には、単なる恋愛感情を超えた、人とつながりたいという普遍的な欲求が込められています。

軽やかなユーモアと詩情

「虫にさされるのは いやだけど 肩をならべていたいよと」などの一節は、真剣すぎずユーモラス。ラストの「夕焼け雲さん 伝えてくれよ」では、語りかけるような切なさが募り、詩的な余韻を残します。



🏞 今、再び注目されるNSP──令和の時代への継承

地元とのつながりと文化継承

地元・一関では毎年「NSPメモリアルフェス」が開催され、ファンのみならず地域の若者にもその魅力が語り継がれています。音楽を通じた地域活性化の成功例として、音楽業界からも関心を集めています。


🎹 結びに──オカリナが呼び覚ます、あの頃の気持ち

「夕暮れ時はさびしそう」は、1970年代のフォークブームの中で生まれた名曲ですが、その魅力は時代を超えて生き続けています。オカリナの音色、静かなアコースティックギター、そして心を打つ詩情。

誰かと肩を並べたくなるような切なさと、そっと背中を押してくれるような温もり。この曲には、青春の普遍的な感情が詰まっています。


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