今日は、フィル・イーハート(Phil Ehart)の誕生日です。
今日(2025.2.4)は1951年生まれのフィル・イーハートの74才の誕生日です。
おめでとうございます。
しかし、昨年(2024年)彼は、心臓発作を起こしツアーから離脱、現在は治療中とのことです。早い回復を祈念しております。
今日の紹介曲:『伝承(Carry On Wayward Son)』-(カンサス)です。(2本とも公式動画です)
最初の動画は、Official Videoですので恐らく50年ほど前のものでしょうね(;”∀”)
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 1976 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
僕がこの曲を初めて聴いたのは、大学1年生の時だと思います。1977~1978年頃です。
ハイ出ました、世田谷区東松原のアパートでのことです。
この曲は、1976年にリリースされたのですが、同年にボストンの「宇宙のかなたに」( More Than A Feeling)という曲が挿入された、デビュー・アルバム『幻想飛行』を聴きまくっていましたので、間違いなくボストン➡カンサスの流れです。
つまり、プログレッシブロックに本格的に興味を持ち始めた頃です。その流れでの「カンサス」はありでしょう!!
Kansas – Carry On Wayward Son: 名曲の魅力を徹底解説
Kansasの代表曲「Carry On Wayward Son」について、その魅力や背景、演奏や歌唱の特徴を深掘りしながら、楽しく読み応えのある記事をお届けします。この楽曲が今なお多くの人々の心に響き続ける理由を探ってみましょう。
歴史的背景と誕生のストーリー
「Carry On Wayward Son」は、1976年にリリースされたKansasのアルバム『Leftoverture』に収録されています。作曲を手がけたのは、ギタリスト兼キーボード奏者のケリー・リヴグレン(Kerry Livgren)。この曲には、彼自身の精神的葛藤や人生の旅路が反映されており、壮大な物語性が歌詞に込められています。
1970年代のロックシーンは、プログレッシブ・ロックが実験的なアプローチを追求する時代でした。Kansasもまた、複雑な楽曲構成と豊かな音楽性で独自のサウンドを確立し、その中でも「Carry On Wayward Son」は、バンドのアイデンティティを体現する重要な楽曲となりました。
楽曲構成とアレンジの妙
この曲の最大の魅力のひとつは、そのドラマティックな構成です。冒頭のアルペジオ調のギターリフが、新たな旅の始まりを予感させるかのように響き渡り、聴く者を一瞬で楽曲の世界へと引き込みます。
サビに入ると、パワフルなリズムセクションと壮大なコーラスが炸裂し、「道を進み続けろ」というメッセージが音楽そのものに具現化されます。対照的なセクションの連続が楽曲の躍動感を生み出し、聴衆を飽きさせません。
中盤のギターソロは技巧的なフレーズでありながらも、感情の爆発を予感させる構成となっており、Kansasの楽曲に見られる技術的な側面と感情的な表現の見事な調和が感じられます。
歌詞に込められた哲学とメッセージ

「Carry On Wayward Son」の魅力は、音楽的な完成度だけでなく、歌詞に込められた深いメッセージにもあります。タイトルにある「Wayward Son(道に迷った息子)」は、従来の価値観に縛られず、自らの道を模索し続ける若者や、迷いながらも成長していく人々を象徴しています。
歌詞には、「試練や葛藤の中で道を見失いそうになっても、諦めずに前を向いて歩み続ける」という普遍的なテーマが込められています。このメッセージは、世代を超えて共感を呼び、多くのリスナーにとって希望や励ましとなるでしょう。
歌唱とパフォーマンスの迫力
Kansasのボーカルであるスティーヴ・ウォルシュ(Steve Walsh)の力強くも情感溢れる歌唱が、この曲のエネルギーをさらに高めています。彼の声は、時に優しく、時に力強く、楽曲の浮き沈みを見事に表現しています。
特にサビの部分では、コーラスとの重なりが壮大なハーモニーを生み出し、まるで聖歌隊が響くかのような荘厳な雰囲気を醸し出します。この壮大なアレンジが、楽曲のドラマ性をより強調しているのです。
また、ライブパフォーマンスにおいても、この楽曲はKansasの代名詞とも言える存在です。観客を巻き込みながら、一体感のある演奏が繰り広げられ、スタジオ録音では味わえない生のエネルギーを体感できます。
楽器の役割と技術的側面
この曲のもう一つの大きな魅力は、楽器同士の見事な掛け合いにあります。キャッチーなギターリフと、ドラム、ベース、キーボードのリズムセクションとのバランスは、緻密に計算されたアレンジメントの賜物です。
- ギター: ソロはテクニカルでありながらもメロディアスで、多くのロックファンの心を捉えています。
- ドラム: 力強いビートが楽曲全体に躍動感を与えています。
- ベース: 低音が曲の重厚感を支える役割を果たし、ダイナミクスを生み出します。
- キーボード: 幻想的なパッドサウンドや力強いリード音で、全体のサウンドスケープに奥行きを与えています。
また、楽曲内に挿入されたソロパートやブレイクのセクションは、まるで一つの物語を紡ぐような流れを持ち、聴く者に新たな発見をもたらします。
文化的影響と今なお輝く理由
「Carry On Wayward Son」は、そのリリースから何十年経った今でも、多くの映画、テレビ番組、スポーツイベントなどで使用され、ポップカルチャーに深い影響を与え続けています。
特に、アメリカの人気ドラマ『スーパーナチュラル』のテーマソングとして使用されたことで、若い世代にも広く認知されるようになりました。また、スーパーボウルや映画のトレーラーなど、さまざまな場面で流れることが多く、その壮大なサウンドが幅広いシーンに適応しています。
さらに、現代の音楽シーンにおいても、カバーやサンプリングの対象となることが多く、常に新しい解釈が生まれています。このような再評価のプロセス自体が、楽曲の不朽の名曲としての地位を裏付けるものと言えるでしょう。
総括:音楽的冒険の先にあるもの
「Carry On Wayward Son」は、単なるロックソングの枠を超え、聴く者一人ひとりの人生の旅路を照らす灯火のような存在です。壮大な楽曲構成、緻密な演奏、心に響く歌詞、そしてライブでの圧倒的なパフォーマンスが、曲全体に独自の神話的なオーラを与えています。
楽曲の中に散りばめられた技術的なディテールと感情の起伏は、まさに音楽の「冒険」を体現しており、聴く者に「生きる力」や「前進する勇気」を与えてくれます。
Kansasの持つ魔法と、ロックというジャンルの奥深さを再認識させてくれるこの名曲は、これからも多くの人々の心を打ち続けることでしょう。時代を超えて愛される理由は、その「普遍性」と「革新性」にあるのです。
おまけ・・・Kansas – Carry On Wayward Son: 名曲の魅力と比較
Kansasの代表曲「Carry On Wayward Son」について詳しく掘り下げましたが、実は今回紹介するにあたり、本当は他の2曲と迷いに迷いました。
そこで、この迷いの理由を楽曲同士の比較にてご紹介します。その2曲とは、「Dust in the Wind」 と 「Point of Know Return」 です。
では・・・・・
繰り返しになりますが、彼らの音楽はこの一曲だけにとどまりません。Kansasの代表曲としてよく挙げられる 「Dust in the Wind」 と 「Point of Know Return」 を加え、これらの楽曲が「Carry On Wayward Son」とどのように異なるのか、それぞれの特徴や魅力を比較しながら紹介します。
「Dust in the Wind」 – 儚さと叙情美が際立つアコースティックバラード
● 楽曲の概要と背景
「Dust in the Wind」は、1977年にリリースされたアルバム『Point of Know Return』に収録された楽曲で、Kansasにとって最大級のヒットとなりました。この曲は、バンドのメンバーであるケリー・リヴグレンがアコースティックギターの練習をしていた際に偶然生まれたメロディをもとに作られました。彼の妻がこのメロディに魅了され、彼に曲にするよう勧めたのが始まりだったといわれています。
● サウンドとアレンジ
「Dust in the Wind」は、Kansasの楽曲の中でも特にシンプルなアレンジが特徴です。バンドの持ち味であるプログレッシブな展開やダイナミックな構成はなく、
- 繊細なアコースティックギター
- 美しいコーラス
- 控えめなストリングス
といった、非常にミニマルな編成で構成されています。エレクトリックギターの派手なリフやプログレ的な展開は一切なく、あくまでアコースティックギターのアルペジオとボーカルが楽曲の中心です。
● 歌詞とメッセージ
「Dust in the Wind」は、そのタイトルの通り、「すべては風の中の塵(Dust in the Wind)」であり、人の人生や夢もやがて儚く消えていく、というテーマを持っています。
歌詞の中では、「どんなに努力しても、結局はすべてが時の流れに消えていく」という無常観が描かれており、非常に哲学的で深いメッセージを持っています。
● 「Carry On Wayward Son」との違い
- 「Carry On Wayward Son」 は前向きなメッセージと力強い演奏が特徴だが、「Dust in the Wind」 は静かで叙情的、そして儚さを感じさせる。
- 音楽的にも、「Carry On Wayward Son」はエレクトリックギターを中心としたプログレッシブロックであるのに対し、「Dust in the Wind」はアコースティック主体のシンプルなバラード。
- 「Carry On Wayward Son」は戦い続ける姿勢を讃える楽曲であるのに対し、「Dust in the Wind」は人生の儚さを歌う楽曲であり、対照的なテーマを持つ。
「Point of Know Return」 – プログレッシブな冒険心を象徴する楽曲
● 楽曲の概要と背景
「Point of Know Return」は、1977年のアルバム『Point of Know Return』のタイトル曲であり、Kansasの代表的なプログレッシブロックナンバーのひとつです。タイトルの「Point of Know Return」は、船や飛行機が燃料的にもう引き返せない地点(Point of No Return)を示唆しつつ、それを「知識(Know)」と掛けた言葉遊びになっています。
このタイトルは、人が人生において一度選択したら後戻りできない瞬間を象徴しており、Kansasらしい深みのあるテーマを持つ楽曲になっています。
● サウンドとアレンジ
「Point of Know Return」は、「Carry On Wayward Son」と同様に、プログレッシブロックの要素が強く、短いながらもスリリングな展開が特徴的です。
- ギターリフが躍動感に満ちており、曲のテンポが速め
- バイオリンが楽曲のアクセントになり、Kansasらしいシンフォニックな雰囲気を演出
- コーラスワークがキャッチーで、比較的ポップな要素も感じられる
Kansasの楽曲の中では比較的コンパクト(約3分)ながらも、緻密に構成されたアレンジが印象的です。
● 歌詞とメッセージ
「Point of Know Return」の歌詞は、未知の領域へと進むことの興奮と不安を描いています。
「自分が進んでいるこの道は、本当に正しいのか? それとも、もう後戻りできないのか?」
というテーマが込められており、Kansasが持つ哲学的な視点が表現されています。
● 「Carry On Wayward Son」との違い
- 「Carry On Wayward Son」 は個人の精神的な旅路を歌った楽曲だが、「Point of Know Return」 はより冒険的なテーマを持ち、未知の領域に踏み込むことのスリルを描いている。
- 「Carry On Wayward Son」は5分を超える壮大な構成だが、「Point of Know Return」は短く、キャッチーでスピーディーな展開が特徴。
- サウンド的には、「Carry On Wayward Son」はギター主体のプログレロック、「Point of Know Return」はバイオリンとコーラスを活かしたシンフォニックな要素が強い。
Kansasの楽曲の多様性と魅力
今回紹介した3曲は、それぞれ異なる魅力を持っています。
- 「Carry On Wayward Son」 – 力強くドラマティックなプログレッシブロックの代表曲
- 「Dust in the Wind」 – シンプルで美しいアコースティックバラード、人生の儚さを歌う
- 「Point of Know Return」 – 短くも緻密なアレンジが光る冒険的な楽曲
Kansasの音楽は、プログレッシブロックの要素を基盤としながらも、力強いロック、バラード、そしてシンフォニックなサウンドまで幅広いスタイルを取り入れています。こうした音楽の多様性が、彼らの楽曲を時代を超えて愛されるものにしているのです。
というわけで、本来僕は、一番良く聴いたのは「Dust in the Wind」ですが、ご案内のように彼らをプログレッシブバンドと位置付けるなら、まずは『Carry On Wayward Son』から・・となったわけであります。ここまで読んでくれた方はかなりのカンサス好きですな!!( ;∀;)
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