🎤【4月23日】は、前田 亘輝の誕生日
前田亘輝(のぶてる)は1965年4月23日生まれ、神奈川県横須賀市出身。1985年にTUBEのボーカリストとしてデビューし、以来、グループの顔として数々のサマーソングを世に送り出してきました。
力強くも透明感あるハイトーンボイスと、感情を丁寧に織り込む表現力が魅力。TUBEの多くの楽曲で作詞を担当し、情景豊かな詞世界を築いています。
またソロアーティストとしても活動しており、1990年代以降はテレビドラマの主題歌や映画主題歌なども手がけるなど、多方面で活躍を続けています。
まずは、この曲を公式のYoutube動画でチェック!
📺 動画クレジット
動画提供:Sony Music (Japan) / TUBE Official Channel
楽曲:TUBE「虹になりたい」
作詞・作曲:前田亘輝
編曲:TUBE & 坂基文彦
リリース日:2000年6月28日(シングル)
URL:https://youtu.be/5GlINQ8CjMo?si=1uJLhemewcK5gBkz
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60~ |
曲のリリース | 2000 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
この曲大好きです!!(>_<)
僕がこの曲を初めて聴いたのは、2000年のリリース時ですね。
仕事中に車のラジオか何かで聴いたのだと思います。
というのも、この曲を初めて聴いたとき、いいメロディーと歌唱力が僕の好みのど真ん中! 誰が歌ってんだろう?と思った記憶はあるのです。この年の夏、転勤で大分県の中津市に単身赴任したばかりの頃です。
その時は、誰の曲かわからないままでしたね。しばらくしてTUBEの曲だとわかり、(この曲との再会と、夏のイメージしかなかったTUBEの楽曲ということのダブルで)感動したものです。
青空だけじゃない──TUBEが描いた新たな心象風景
TUBEといえば、誰もが夏を思い浮かべるバンドですね。海、太陽、青空、そして解放感。そんなイメージを塗り替える一曲が、2000年6月28日にリリースされた『虹になりたい』でした。デビュー15周年の節目に送り出されたこのシングルは、ミディアムテンポのバラードでありながら、TUBEの音楽的円熟を感じさせる重要な作品です。

ボーカルの前田亘輝さんが生まれた1976年4月23日を祝うにふさわしい一曲として、今回はこの楽曲を徹底的に掘り下げてみたいと思います。
サマーソングを越えたバンドの進化
夏のバンドが見せた静かな覚悟
『あー夏休み』『シーズン・イン・ザ・サン』など、数々の爽快なヒットを生み出してきたTUBE。しかし『虹になりたい』は、それらのイメージとは異なる落ち着いた情感で彩られています。雨の中に立ち尽くすような静かなメロディと歌詞が、TUBEの新たな一面を引き出しています。
この作品は、1998年の『きっとどこかで』に続く“バラード路線”の深化とも言える一曲であり、彼らが常に自己更新を怠らないバンドであることを示す証拠でもあります。
ハワイに虹を架けた記念公演
2000年6月1日、TUBEはハワイ・アロハスタジアムでの単独ライブを敢行しました。この公演は、ハワイ州から正式に”TUBE DAY”として認定されるほどの成功を収めます。その3週間後に発表されたのが『虹になりたい』。この流れは、バンドにとっての晴れ舞台の“余韻”であり、“新たな幕開け”でもありました。
歌詞に刻まれた、喪失と再生の対話
はじまりの一節が映し出す心の陰影
「涙がにじんでいる 君の瞳見れない僕」──この歌い出しからして、既に『虹になりたい』はこれまでのTUBEとは異なる場所に立っていることがわかります。
恋人との別れを描いたこの曲には、苦しみの最中で“何かに生まれ変わりたい”と願う主人公の姿が丁寧に描写されています。虹というモチーフは、希望だけでなく、雨を必要とする象徴でもあります。

サビに込められた希望と無力の同居
「この空を飛べるといつでも信じてた僕は」(※この歌詞に入る時のメロディーが最高っす!)「夢を見ないあの虹になれると」──この部分では、かつて信じていた希望と、今感じている現実との落差が浮かび上がります。それでも“虹になりたい”と願うことは、希望を完全に捨てきれない人間らしさの表れです。
アンサンブルで紡がれる“雨の旋律”
控えめなイントロに込めた繊細な美意識
アコースティックギターとピアノによる静かな導入は、まるで霧雨のようにそっと耳に届きます。そこに前田亘輝さんの柔らかいボーカルが重なり、聞き手を優しく包み込みます。特筆すべきはその抑制された感情表現。叫ぶことなく、静かに訴えかける歌声が、かえって強い印象を残します。

バンドとしての厚みを見せる後半部
サビに入ると、松本玲二のドラムが空気を押し出すように展開し、角野秀行のベースがそれを下支えします。ギタリスト・春畑道哉のフレーズは派手さを抑えながらもメロディをリードし、TUBEのバンドとしての成熟を存分に感じさせます。
編曲はTUBEと坂基文彦の共同によるもので、バンドの個性と客観性が絶妙に融合した仕上がりです。
世紀の転換点とJ-POPの潮流
新たな時代へ向かう感性
2000年という年は、単なる西暦の切り替えではなく、音楽業界にとっても一つの転換点でした。CD全盛期からストリーミングやネット配信へと移行し始めたこの時代、TUBEのような長寿バンドもまた、その波を受け止めながら表現を模索していました。
宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、B’z、小田和正など、多様なジャンルが交錯する中、TUBEが選んだ“心にしみ込む一曲”としての『虹になりたい』は、意義深い選択だったと言えるでしょう。
「未来日記6」で若年層の心にも届く
TBS系の人気バラエティ『ウンナンのホントコ!』内コーナー「未来日記6」で使用されたことにより、『虹になりたい』は若年層にも広く浸透しました。番組の恋愛ドキュメントという性質と、楽曲が持つ“失ってもなお誰かを思う”感情が高い親和性を持っていたからです。
タイアップ効果もあり、同曲はオリコン週間チャートでも好調なセールスを記録。2000年前後のJ-POPを語る上で見逃せない一曲となりました。
虹のように儚く、そして強く
『虹になりたい』は、TUBEにとってもリスナーにとっても“節目”を象徴するような楽曲です。四半世紀が経った今なお、そのメロディと言葉は色褪せることなく、雨のあとの心をそっと照らし続けています。
海でもなく、空でもなく、雨のあとに現れる“虹”を選んだ彼らの選択は、たしかにバンドの表現をひとつ拡張した瞬間だったと言えるでしょう。

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