【5月2日】はルー・グラムの誕生日:『アイ・ウォナ・ノウ』(フォリナー)をご紹介!

【5月20日】のルー・グラム)の誕生日によせて

フォリナーのサウンドを語るうえで欠かせない存在が、ヴォーカリストのルー・グラムです。
1950年5月2日にアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターで生まれた彼は、力強さと繊細さを兼ね備えた独特の歌声で、多くのリスナーを魅了しました。

『I Want to Know What Love Is』においても、ルー・グラムの情感豊かな歌唱が、楽曲の深い訴求力を支えています。彼の歌声は、ロックの力強さとソウルの温かみを併せ持ち、フォリナーの音楽的なアイデンティティを確立する上で中心的な役割を果たしました。

永遠に響く愛の探究――フォリナー『I Want to Know What Love Is』が問い続けるもの

はじめに:公式ミュージックビデオで体感する愛の叫び

まずは、オリジナルの感動をそのまま味わってみてください。
フォリナー公式チャンネルから公開されている『I Want to Know What Love Is』のミュージックビデオをご紹介します。

ミック・ジョーンズとルー・グラムが紡ぎだす壮大なサウンドと、ニュー・ジャージー・マス・クワイアによる荘厳なコーラスの響きを、映像とともに体感してみてください。

🎬 動画クレジット
曲名:I Want To Know What Love Is
アーティスト:Foreigner
出典:YouTube - ForeignerVEVO公式チャンネル
著作権表記:© Foreigner / Atlantic Recording Corporation

僕がこの曲を初めて聴いたのは

My Age小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年1984
僕が聴いた時期

1984といえばそう、村上春樹の1Q84ですね?!
と堂々とボケをかましたところで、この曲を初めて聴いたのは、リリース時の1984年だと思います。

社会人生活4年目に入る年です。もちろん仕事と家族中心の日々。音楽はついで存在しているような状況でした。

 フォリナーは深入りしてませんが、学生時代に「ダブル・ヴィジョン(1978年)」や社会人になりたての頃の「ガール・ライク・ユー(1981年)」は聴いていました。でも今日紹介する『アイ・ウォナ・ノウ』はスケール感が圧倒的に違います。せひお聴きください。


読み手を包み込む“魂のハーモニー”-愛の真意を追い求める不朽のバラード

1984年にリリースされたフォリナーの「I Want to Know What Love Is」は、単なるポップ・バラードの枠を超え、聴く者すべてに普遍的な愛への渇望を訴えかける金字塔です。
ミック・ジョーンズが個人的な精神的探求の末に生み出したこの楽曲は、煌びやかなシンセポップやニューウェーブが全盛だった時代に、あえて真っ直ぐに「愛」というテーマに向き合いました。
リリースから40年近くが経った今も、世界中のファンを魅了し続けています。


1984年──保守化とビジュアル・ミュージックの狭間で

アメリカ社会と音楽シーンの変貌

1980年代初頭、アメリカはレーガン政権下で保守主義が強まる一方、音楽シーンではMTV(1981年開局)による映像革命が起きていました。
マイケル・ジャクソン、マドンナ、デュラン・デュランなど、“映える”アーティストたちが頂点に立ち、ミュージックビデオが音楽の成否を左右する時代に突入していたのです。

シンセサウンドとニューウェーブの熱狂

同時に、シンセサイザーを駆使したポップスや、ニューウェーブの流行も頂点に達していました。
こうした中で、フォリナーはビジュアルに頼ることなく、純粋な音楽の力でリスナーの心を掴もうとしたのです。


フォリナー――英国と米国が紡いだ多国籍バンド

バンド結成の経緯と特色

フォリナーは1976年、イギリス人ギタリストのミック・ジョーンズと、アメリカ人ヴォーカリストのルー・グラムを中心に結成されました。バンド名「Foreigner(異邦人)」は、メンバーの国籍が混在していたことに由来します。

ハードロックとポップスの融合

彼らはハードロックを軸に据えながら、キャッチーなメロディーと洗練されたポップ感覚を巧みに融合。「Cold as Ice」(1977年)、「Hot Blooded」(1978年)、「Waiting for a Girl Like You」(1981年)など、数々のヒット曲で世界的な人気を博しました。


『I Want to Know What Love Is』誕生の舞台裏

楽曲制作とプロデュース

1984年、バンドは5作目のスタジオアルバム『Agent Provocateur』を制作。
セカンドシングルとして発表された『I Want to Know What Love Is』は、伝説的プロデューサー、トム・ダウドの手によって仕上げられました。

ブルースから壮大なバラードへ

当初、ミック・ジョーンズはブルージーなアレンジを想定していましたが、制作過程でより壮大なゴスペル調バラードへと昇華されました。リリース後は全米・全英両チャートで1位を獲得し、フォリナー史上最大のヒットとなりました。


歌詞に込められた普遍のメッセージ

愛とは何か――率直な問いかけ

歌詞は、過去の傷と向き合いながら、それでも真実の愛を求め続ける人間の姿を描きます。
In my life, there’s been heartache and pain」という一節に象徴されるように、痛みと不安を乗り越えようとする切実な願いがストレートに表現されています。

サビが持つ圧倒的な力

I wanna know what love is」というサビの叫びは、誰もが心の奥底で抱える問いを代弁し、世代や国境を越えて共感を呼び起こしました。

“魂のコーラス”が楽曲を昇華させる

ニュー・ジャージー・マス・クワイアの力

本楽曲の象徴的要素であるコーラスには、ニュー・ジャージー・マス・クワイアが参加しています。
彼らの荘厳なハーモニーが、個人的な苦悩を超え、普遍的な魂の叫びへと昇華させました。

ギターソロとクライマックスの爆発力

ミック・ジョーンズによるギターソロもまた、曲のクライマックスでエモーションを爆発させ、聴く者を深い感動へと導きます。


日本での受容と1984年の音楽シーン

日本国内の洋楽ブームと多様化

当時の日本では、テクノポップブームが落ち着きを見せ、演歌とポップスの両輪で多様な音楽文化が発展していました。BOØWYや中森明菜など、新たなアーティストたちが台頭し、音楽の嗜好が広がっていたのです。

『I Want to Know What Love Is』の影響

この楽曲は、ラジオエアプレイ、テレビ出演、ディスコでの浸透を通じて、日本でも広く受け入れられました。若者層だけでなく、大人世代にも深く響いた稀有な洋楽バラードと言えるでしょう。


カバーと影響――時代を超える名曲

有名アーティストたちの再解釈

『I Want to Know What Love Is』は、ホイットニー・ヒューストンにカバーされ、楽曲の持つ普遍性と強いメッセージ性が再確認されました。

インディーシンガーによる新たな息吹

さらに、2000年代以降、インディー系アーティストたちがアコースティック・アレンジによる繊細なカバーを発表。
たとえばJulianna Gianniによる静謐なバージョン(映画『ヴァニラ・スカイ』収録)などが知られ、原曲とは異なる静かで内省的な感動を与える新たな解釈も生まれています。


終わりなき愛の探求として

愛とは何か――その問いに明確な答えはありません。
しかし、『I Want to Know What Love Is』は、誰もが一度は抱えるこの問いに対し、真正面から向き合う勇気を与えてくれます。


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