🎸僕の勝手なBest10【フリートウッド・マック編】第7位『Little Lies』をご紹介!

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僕の勝手なBest10:フリートウッド・マック(Fleetwood Macleetwood Mac)編―第7位は『Little Lies』です。

Fleetwood Macの「勝手にBest10」の第7位は、「Little Lies」です。
この曲は、1987年リリースのアルバム『Tango in the Night』に収録された代表的シングルです。愛と欺瞞のはざまで揺れる感情を、シンセサイザーを基調とした洗練されたサウンドで包み込んでいます。夕暮れ時や静かな夜に聴くと、心の奥に潜む淡い記憶がふっと浮かび上がるような感覚を覚える一曲です。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎼 楽曲詳細(オリジナル版)
タイトル:Little Lies
アーティスト:Fleetwood Mac(フリートウッド・マック)
作詞・作曲:Christine McVie(クリスティン・マクヴィー)Eddy Quintela(エディ・キンテラ)
初出アルバム:Tango in the Night(タンゴ・イン・ザ・ナイト)(1987年)
リマスター版収録:50 Years – Don’t Stop(2018年リリースのベスト盤)
🎛 リマスター版情報(2018 Remaster)
© 1987 Warner Records Inc.
2018年 Rhino Entertainment によりリマスター
オーディオエンジニア:Greg Droman
キーボード・シンセサイザー・ボーカル:Christine McVie

💬 解説(2行)
1987年のヒット曲「Little Lies」は、Fleetwood Mac後期の代表作のひとつ。幻想的でメロディアスな音作りとクリスティン・マクヴィーの透明な歌声が、現代でも色褪せない魅力を放っています。
🎵 クレジット情報(公式動画)
曲名: Little Lies
アーティスト: Fleetwood Mac
作詞・作曲: Christine McVie, Eddy Quintela
収録アルバム: Tango in the Night(1987年)
公式公開日: 2009年10月2日(YouTube)
提供元: Warner Records / Fleetwood Mac Official YouTube Channel
著作権: © 1987 Warner Records Inc.
📝 2行解説:
クリスティン・マクヴィーの穏やかな歌声が響く、1980年代後期の代表的ポップソング。愛の終焉と再生の狭間で、“やさしい嘘”にすがる切なさが胸を打つ名曲です。

甘く切ない嘘が紡ぐ夜のメロディー

Fleetwood Macの「Little Lies」は、1987年リリースのアルバム『Tango in the Night』に収録された代表的シングルです。愛と欺瞞のはざまで揺れる感情を、シンセサイザーを基調とした洗練されたサウンドで包み込んでいます。夕暮れ時や静かな夜に聴くと、心の奥に潜む淡い記憶がふっと浮かび上がるような感覚を覚える一曲です。

1987年という転換期に刻まれた再出発

結成から『Rumours』までの軌跡

バンドは1967年にロンドンで結成され、1977年には歴史的名盤『Rumours』で世界的成功を収めました。しかし1980年代に入り、ソロ活動や内部の不和によりバンドは不安定な状態に陥ります。

『Tango in the Night』での再集結

そんななかで制作された『Tango in the Night』は、Fleetwood Macにとって大きな転換点となりました。「Little Lies」は、クリスティン・マクヴィーと彼女の当時のパートナーであるエディ・クインテラによる共作で、リンジー・バッキンガムとリチャード・ダシュートがプロデュースを手がけています。シングルは1987年8月にリリースされ、全米Billboard Hot 100で最高4位、英国チャートでも5位を記録しました。

時代背景とポップスの潮流

バブルとMTVの文化的交差点

日本ではバブル経済が加速し、ディスコやハイファッションが街を彩っていた時期。テレビでは大型時代劇が人気を博し、音楽も多様化していました。一方で、世界ではMTVが音楽の流通と視覚表現を牽引。マドンナの「La Isla Bonita」、マイケル・ジャクソンの「Bad」、U2の「With or Without You」といった楽曲がチャートを席巻するなか、「Little Lies」は上品で緻密なポップスとして異彩を放ちました。

歌詞と社会の共振

歌詞に描かれる“小さな嘘”は、虚飾が広がる80年代の文化とどこか重なる部分があり、その意味合いが聴き手の感性に深く刺さったともいえるでしょう。

制作の舞台裏とメンバーの緊張関係

緊迫した録音現場の実態

ルバム制作時、バンドは一時的に結束し、再びスタジオに集結します。リンジー・バッキンガムがこの作品を最後に脱退するという背景もあり、制作現場には特有の緊張感が漂っていました。「Little Lies」にもその影響が滲み出ています。

クリスティンとバッキンガムの相互作用

クリスティンの柔らかさと、バッキンガムの完璧主義が、絶妙なバランスで交差して生まれた一曲。それぞれの音楽的役割が融合し、完成度の高い仕上がりとなっています。

音の構築と表現手法

シンセとコード進行の魅力

この楽曲は幻想的なシンセサイザーのイントロで幕を開けます。コード進行はAm-F-G-Cとシンプルながら、Aメロのシンセとギターが繊細に絡み合い、サビではクリスティンとスティーヴィー・ニックスの調和が心地よく響きます。

ボーカルと感情表現の妙

クリスティンの歌声は穏やかでいて芯のある表現力を持ち、「Tell me lies」のフレーズに込められた切なさと諦念が、聴く者の心を静かに揺さぶります。

プロダクションの工夫

バッキンガムによるプロダクションには、80年代特有の音響処理とエフェクトの工夫が詰め込まれており、統一感ある音像が作り上げられています。特にリバーブや多重録音による厚みは、この曲を印象深くしています。

歌詞の内面世界と共感性

“やさしい嘘をついてほしい”という思いは、誰しもが人生のある瞬間に抱くもの。「Little Lies」の歌詞は、そんな普遍的な感情を端的に、かつ美しく描き出しています。真実よりも心の平穏を優先したいという心理に静かに寄り添うような内容です。

視覚表現とアルバムの世界観

ジャケットデザインの意味

『Tango in the Night』のアルバムジャケットは、ブレット・リヴィングストン・ストロングによる幻想的な絵画を使用。南国の森の動植物が描かれており、音の世界観とのリンクを生んでいます。

ビジュアルと楽曲の融合

こうした視覚要素も「Little Lies」の持つ“幻想と現実の狭間”というテーマと見事に呼応しており、音楽体験をより豊かにしています。

アルバム内での位置づけと他楽曲との比較

他の代表曲との違い

同アルバムには「Everywhere」「Big Love」「Seven Wonders」などが収録されています。「Big Love」が技巧的ボーカルを前面に出した楽曲であるのに対し、「Little Lies」は穏やかな包容力が特徴で、アルバム後半の核として重要な役割を担っています。

音楽史的影響と文化的意義

アーティストへの影響

この曲は、シェリル・クロウやサラ・マクラクランなど、多くの女性アーティストに影響を与えたとされています。情緒の表現方法や音像の作り方において、その影響は顕著です。

世代を超えた普遍性

Fleetwood Macの音楽は、リリースから数十年を経てもなお、新たな世代に再発見されています。「Little Lies」もその代表例であり、再評価が進む一曲です。

ライブパフォーマンスとファンの反応

再結成後の演奏とライブの中での役割

2003年の『Say You Will』ツアーや2014年の再結成ツアーでは、クリスティンとスティーヴィーの掛け合いが際立ち、「Tell me lies」のリフレインが観客の大合唱を誘いました。

またこの楽曲はライブセットの中でも感情的なピークを担い、観客との一体感を生み出す要となっています。

現代のリスナーへの訴求力

デジタル時代での復活

SNSや動画配信が主流となった今、「Little Lies」はリマスター音源や過去映像を通じて若い世代の共感を得ています。2024年のリマスターでは細部の音がクリアになり、楽曲の新たな魅力が引き出されました。

総括:偽りの中に宿る真実

「Little Lies」が現代でも高い評価を受ける理由は、時代を超えて“人の本音と建前”というテーマに向き合っているからです。音楽的完成度の高さに加え、感情への共鳴力がこの楽曲を不朽の名曲へと押し上げています。

『Little Lies』Fleetwood Mac)―:意訳

もし時を巻き戻して、ほんの一日か二日でも組み替えられるなら、あなたとの関係を違うかたちで描き直せたのかもしれない。けれど現実には、信じるに足る理由を見つけられずにいる私がいる。それでも一日だけ、あなたを信じたふりをしてみたい──そんな自分に気づいている。

「嘘でもいい、優しく言って」
「甘い嘘でごまかして」
その繰り返される言葉が、救いにも呪いにも聞こえてくる。

何度も「隠せない」とわかっているはずなのに、心のどこかでまだ、嘘にすがってしまう。計画なんてない。未来を描こうとも思わない。ただ、理由もなく泣きたくなる夜に、あなたの言葉に逃げ場を求めているだけ。

「壊れた心はもういらない。離れていたほうがうまくいく」──そう悟ったのに、また「優しい嘘を聞かせて」と願ってしまう。

繰り返す「嘘をついて」「お願い、甘い嘘を」との言葉は、裏切りよりもむしろ、忘れたくない記憶への執着なのかもしれない。目を閉じて見えないふりをしても、真実はどこまでも追いかけてくる。だけど今だけは、それを遠ざけたい。

by Ken


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