【7月23日】は、スラッシュの誕生日『Don’t Cry』-(Guns N’ Roses )をご紹介!

  1. 今日7月23日はスラッシュの誕生日!
    1. 今日の紹介曲:Guns N’ Roses-『Don’t Cry』という奇跡のバラード!
      1. まずはYoutube動画(公式動画)からどうぞ!!
    2. 僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
  2. 『Don’t Cry』はどこから生まれたのか?
    1. バンド初期の感情が息づく、原点のような楽曲
  3. ロック史に刻まれた『Use Your Illusion』という挑戦
    1. 常識を超えた2枚同時リリース
    2. 鋭さのなかに宿る、感情の陰影
  4. 二つの歌詞が映す、感情の奥行き
    1. Alternate Lyricsが語る「その後」
  5. 時代の「静と動」のなかで生まれた名バラード
    1. ロックが変わりつつあった1991年
  6. スラッシュのギターが「泣く」と言われる理由とは
    1. 感情を弾く、という技法
  7. “泣きの声”を支えたもう一人の存在:シャノン・フーン
    1. まだ無名だった彼が残した大きな痕跡
  8. ミュージック・ビデオが紡ぐ“破滅の三部作”
    1. 『Don’t Cry』から始まる壮大な映像世界
    2. 映像に刻まれた愛憎と自己破壊のテーマ
  9. 「泣かないで」という言葉に託されたもの
    1. 強さでもなく、説得でもない慰めのかたち
  10. 今あらためて聴く『Don’t Cry』──時を越えて語りかけてくるもの
    1. 「懐かしさ」を超えた、今の私たちへの響き
  11. スラッシュのギターが「言葉の隙間」を埋めてくれる
    1. フレーズではなく、ひとつの「語り」としてのソロ
  12. 誰かに、そして自分自身に投げかける「泣かないで」
    1. 一方的な慰めではない、言葉の重み
  13. スラッシュの誕生日にこの曲をもう一度
    1. ギターは年齢を重ねても、なお「語り続ける」
  14. ほんの少し疲れたときに、この曲を
    1. 「明日」ではなく「今」のためにある音楽

今日7月23日はスラッシュの誕生日!

本日7月23日は、伝説的ギタリスト、スラッシュの誕生日です。
本名はソール・ハドソン(Saul Hudson)。1965年7月23日、イングランド・ロンドン(ハンプステッド)に生まれました。

彼はイギリス生まれですが、幼少期に家族とともにアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに移住しています。以降のキャリアはほぼアメリカで築かれましたが、英国籍とアメリカ国籍の両方を持つことでも知られています。

黒いシルクハットに長髪、サングラス越しの鋭いまなざし、レスポール・ギターを抱えるその姿は、今なおロックファンの記憶に鮮明に刻まれています。

彼のギタープレイには、派手さやスピードよりも「感情を伝える力」が際立っています。
なかでも『Don’t Cry』は、その感情表現の頂点ともいえる一曲です。

今日の紹介曲:Guns N’ Roses-『Don’t Cry』という奇跡のバラード!

まずはYoutube動画(公式動画)からどうぞ!!

🎧 公式動画クレジット
Provided to YouTube by Universal Music Group
Don't Cry (Original) · Guns N' Roses
Use Your Illusion I
© 1991 UMG Recordings, Inc.
Released on: 1991-01-01
Producer: Mike Clink

✅ 解説(2行)
1991年にリリースされた名盤『Use Your Illusion I』収録曲。
ガンズ・アンド・ローゼズの叙情的バラードとして長年愛され続けている1曲です。
🎧 公式動画クレジット
Guns N' Roses - Don't Cry
Official Music Video for "Don't Cry" performed by Guns N' Roses from their album Use Your Illusion I.
チャンネル:Guns N' Roses(認証バッジ付き)
公開日:2009年10月9日
再生数:8億3852万回以上
✅ 解説(2行)
バンドの映像表現力が際立つ『Don’t Cry』の公式MV。
幻想と現実が交錯する映像美で、名バラードに新たな深みを与えています。

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫

My Age 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年 1991
僕が聴いた時期

僕がこの曲を初めて聴いたのはリリース後そう遅くなかったと思います。

1991年なら、大阪支店にいましたし、1993年なら大分の本部に在籍していました。いずれにしても、仕事中心の生活には変わりはなかったですが、忙しい日々でも、音楽がその生活に色どりを与えてくれたのは間違いありません。ありがたいことです。

これまで、Guns N’ Rosesで紹介してきたのは『November Rain』『Sweet Child O’ Mine』ですが、彼らはれっきとした「ハードロック(Hard Rock)」バンド(ヘビメタバンド)です。そんなバンドが歌うバラードが僕は好きなんですよね!


『Don’t Cry』はどこから生まれたのか?

バンド初期の感情が息づく、原点のような楽曲

1991年に発表された『Don’t Cry』ですが、曲のルーツはずっと前にさかのぼります
バンド結成初期、アクセル・ローズとイジー・ストラドリンが同じ女性に恋をし、その女性にアクセルが「泣かないで」と語りかけた出来事が、この曲の原点とされているのです。

情景としてはシンプルですが、その一言が曲全体に通底する感情の核となりました。
実際、歌詞にもこうした優しさがにじみます。

Talk to me softly There’s something in your eyes
(優しく話しかけて、君の瞳には何かが映っている)

このような、静かで誠実な言葉選びにこそ、彼らの“初期衝動”が宿っているのです。


ロック史に刻まれた『Use Your Illusion』という挑戦

常識を超えた2枚同時リリース

Guns N’ Rosesの『Use Your Illusion I』『II』は1991年9月17日に同時リリースされ、全30曲・150分という規模は当時として異例でした。ツアーやメンバー間の問題を抱えながらも、この作品にはバンドの混乱と野心が詰め込まれています。

鋭さのなかに宿る、感情の陰影

この2枚の中には、ハードで攻撃的なナンバーも多く含まれていますが、『Don’t Cry』はその対極にあるような存在でした。
ギターのアルペジオから始まる穏やかな導入、繊細なヴォーカルライン。アクセル・ローズの声が語りかけるように紡がれるこの曲は、アルバム全体の「息継ぎ」のようにも機能していました。

例えば中盤では、こんな印象的なフレーズもあります。

I know how you feel inside, I’ve been there before
(君がどう感じているのか、僕にはわかる。僕もそこを通ってきたから)

この一節にこめられた“理解しようとするまなざし”が、聴く人に深い安堵感をもたらしてくれるのです。


二つの歌詞が映す、感情の奥行き

Alternate Lyricsが語る「その後」

『Don’t Cry』には、メロディが共通でありながら歌詞が異なる2つの公式バージョン──オリジナルと“Alternate Lyrics”版──が存在します。

オリジナル版は、別れの「その瞬間」に焦点を当てた、感情の揺れが生々しく描かれた内容です。一方、Alternate版では、時間の経過とともに生まれる内省的な感情に重きが置かれています。

たとえば「もしもう一度君を抱きしめられたなら」といった表現には、過去への悔いや届かなかった想いがにじみ、どこか静かな諦めのようなトーンが感じられます。

こうした構成は単なる“別バージョン”に留まらず、アルバム全体に奥行きを与える試みとも言えるでしょう。


時代の「静と動」のなかで生まれた名バラード

ロックが変わりつつあった1991年

この曲が発表された1991年は、Nirvana『Nevermind』の登場が目前に迫り、グランジやオルタナティブロックが台頭する直前の時期でした。
Guns N’ Rosesが象徴してきた、華やかで危ういLAメタルの終焉が見え始めていたのです。

一方、日本では小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」やCHAGE and ASKAの「SAY YES」が大ヒット。CDがミリオンセラーを記録する時代の真っ只中にありました。

そんな時代のなかで『Don’t Cry』は、派手さや奇抜さとは違う「静かな感情の輪郭」を描いたバラードとして、多くの人の心に深く届いたのです。


スラッシュのギターが「泣く」と言われる理由とは

感情を弾く、という技法

『Don’t Cry』が「名バラード」として語り継がれる最大の理由は、やはりスラッシュによるギターソロの存在でしょう。
イントロのアルペジオに始まり、静かにテンションを高めていく構成。そして、サビの頂点で感情がほとばしるようなギターソロへとつながっていきます。
スラッシュのギターは、単なる旋律ではなく、まるでひとつの声のように存在します。ブルースの伝統に根ざしたチョーキングやビブラートによって、音に揺らぎや「息づかい」が加わり、「語り」や「戸惑い」すら感じさせる独自の表現が生まれているのです。

「泣くギター」と呼ばれる所以も、こうした弾き手の感情が、そのまま弦を通して聴き手に伝わるような“語るような演奏”にあるのかもしれません。


“泣きの声”を支えたもう一人の存在:シャノン・フーン

まだ無名だった彼が残した大きな痕跡

『Don’t Cry』のレコーディングには、当時無名だったバンド「ブラインド・メロン」のヴォーカル、シャノン・フーンがコーラスで参加しています。
彼とアクセル・ローズはインディアナ州の出身で、幼なじみのような関係でした。

シャノンの声は、アクセルの高音を包み込むように重ねられ、楽曲に温かみと奥行きをもたらしています。その声のニュアンスが重なったことで、『Don’t Cry』の情感はさらに深くなったのです。

興味深いのは、シャノンが後にBlind Melonでデビューし、名曲「No Rain」でブレイクするものの、そのわずか4年後に薬物で急逝してしまうことです。
彼の声が『Don’t Cry』に残されたことは、後のファンにとっても貴重な遺産と言えるでしょう。


ミュージック・ビデオが紡ぐ“破滅の三部作”

『Don’t Cry』から始まる壮大な映像世界

『Don’t Cry』のMV(ミュージック・ビデオ」:2本目に紹介している動画です!)は、単体としても見応えがありますが、実は三部作の「第1章」として制作されています。
続く『November Rain』(同じく『Use Your Illusion I』収録)、そして『Estranged』(『II』収録)へと続く、連続したストーリー構造を持っています。

映像に刻まれた愛憎と自己破壊のテーマ

MVでは、アクセル・ローズとスーパーモデルのステファニー・シーモア(当時の恋人)がカップル役として登場します。
2人が言い争い、銃を手にする緊迫した場面や、カウンセリングを受けるメンバーの姿など、単なるラブソングの域を超えた物語が描かれています。

中でも圧巻なのが、スラッシュが恋人を乗せた車とともに崖から飛び出し、そのままギターソロを演奏しながら車が爆発するというシーン。
あまりに劇的で、象徴的で、そしてどこか現実離れしている――それが逆に彼らの現実の葛藤や精神状態を投影しているようにも見えるのです。

このような破滅的なビジュアルは、単なるエンターテイメントではなく、当時のGuns N’ Rosesが抱えていた「どうにもならないもの」を作品の中で昇華させた結果とも言えるでしょう。


「泣かないで」という言葉に託されたもの

強さでもなく、説得でもない慰めのかたち

歌詞の中で繰り返される “Don’t you cry tonight”(今夜は泣かないで)というフレーズ。
それは、相手を叱るでも、無理に励ますでもなく、ただ「今夜くらいは泣かずにいてくれたら」と、相手の弱さも含めた静かなメッセージのように響きます。

「明日は少しはマシになるかもしれない」「朝が来たら気持ちは変わるかもしれない」と、現実を変えずに、ただ“今”を耐えるための言葉がそっと置かれているのです。

その優しさは、シンプルであるがゆえに、心に深く残ります。


今あらためて聴く『Don’t Cry』──時を越えて語りかけてくるもの

「懐かしさ」を超えた、今の私たちへの響き

『Don’t Cry』が世に出たのは1991年。それから30年以上が過ぎた現在でも、多くの人がこの曲をプレイリストに入れ続けています。

これは、単に懐古的な感情による人気ではないように思います。
むしろ、時代が変わってもこの曲が語っていることは変わらない、そんな芯の強さがあるからこそ、人はふとした瞬間にこの曲を求めてしまうのではないでしょうか。
そうした温度感が、この曲の魅力の一つです。

歌詞の一節に、こんな言葉があります。

You’ll feel better tomorrow Come the morning light now, baby
(明日は少し楽になってるさ 朝の光が君を迎えるよ)

これを“励まし”と捉えるのか、“願い”と読むのかは、聴く人それぞれ。
その曖昧さ、強く言い切らない表現にこそ、この曲の深みがあるのだと感じます。


スラッシュのギターが「言葉の隙間」を埋めてくれる

フレーズではなく、ひとつの「語り」としてのソロ

『Don’t Cry』のギターソロは、聴いていると自然に胸が締めつけられるような感覚がやってくるのです。

スラッシュはこの曲で、「泣くようなギター」と評されることが多いのですが、それは単なる形容詞ではなく、ギター自体がひとつの声として機能しているという意味だと感じます。

特に終盤のフレーズは、語りかけるでも、慰めるでもなく、ただそこに存在しているような響き。
それがどれほどの安心感をもたらしているかは、言葉では言い表せません。


誰かに、そして自分自身に投げかける「泣かないで」

一方的な慰めではない、言葉の重み

歌詞では “Don’t you cry tonight” と何度も繰り返されますが、それは相手に強いる言葉ではなく、ただそこにいて見守る立場からのささやきのように感じられます。

それは他者だけでなく、過去の自分や、もう届かなくなった誰かに向けた言葉なのかもしれません。
だからこそ、このフレーズは人によってまったく違う受け取り方をされ、いつの時代も聴かれ続けるのでしょう。


スラッシュの誕生日にこの曲をもう一度

ギターは年齢を重ねても、なお「語り続ける」

スラッシュは2025年の今年で60歳を迎えますが、いまだに現役で世界中のステージに立ち続けています。音色は少し柔らかくなったかもしれませんが、彼の情熱と誠実さはいまも変わりません。


ほんの少し疲れたときに、この曲を

「明日」ではなく「今」のためにある音楽

この曲を必要とする瞬間は、決して大げさなドラマの中だけではありません。
ふと、疲れた夜。言葉にならない気持ちを抱えたとき。そんなときにこの曲を流すと、すぐに答えは出なくても、少しだけ心が落ち着く

“Don’t Cry” という言葉が、ただ「わかってるよ」と受け止めてくれるように響くからかもしれません。

『Don’t Cry』Guns N' Roses意訳

傷ついた心を無理に隠さなくていい
でも涙は今夜だけはしまっておいてくれ
過ぎた日々の後悔も、
僕の愛はまだここにあると知ってほしい

静かにさよならを告げて
君が歩き出せるようにと願ってる
いつかこの夜を越えて
明日は少しだけましになるはずだから

嘘はつかなかったし
君を責めるつもりもない
ただ、この気持ちだけは本物だった
だから行く前にもう一度だけ、笑ってほしい

もしもまた出会えるなら
その時こそ涙を忘れてほしい
今夜は
泣かないで──

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