僕の勝手なBest10:【Boston】編-第9位『Let Me Take You Home Tonight 』をご紹介!

「観客と共に熱狂するボストンの一瞬」

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僕の勝手なBest10:【Boston】編-第9位は・・・

【Boston】編-第9位は、『Let Me Take You Home Tonight 』です。レコードで聞けるイントロ部分の揺らぎが大好きな一曲です。

まずは2つの動画をご覧ください。


🎧 公式動画クレジット
🎵 Boston - Let Me Take You Home Tonight(Official Audio)
📅 公開日:2022年2月3日
📺 視聴回数:約70万回以上
👥 チャンネル登録者数:約29.6万人(Boston公式チャンネル)

【2行紹介】
デビューアルバム『Boston』(1976)に収録された、珠玉のラブバラード。Tom Scholzの緻密なアレンジとBrad Delpの歌声が光る、アルバムラストを飾る名曲

時代を撃ち抜いた音の彗星――『Boston』と「Let Me Take You Home Tonight」の深層

1976年、アメリカのロックシーンに突如として現れたバンド、ボストン(Boston)。彼らのデビューアルバム『Boston』は、当時の音楽界に新たな衝撃を与えるとともに、現代に至るまでその影響力を保ち続けています。中でも「Let Me Take You Home Tonight」は、ボーカルのブラッド・デルプが単独で作詞・作曲を手がけた唯一の楽曲として、アルバムの締めくくりを飾ります。

エンジニアの情熱が形にした革新的サウンド

ボストンの創設者であり、ほぼすべての楽曲を手がけたトム・ショルツは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で機械工学を修めたエンジニア出身。彼はポラロイド社でプロダクトエンジニアとして勤務するかたわら、自宅地下に「フォックスグローブ・スタジオ」と呼ばれる手作りの録音環境を築き上げました。

そのスタジオで録音されたデモテープはレコード会社に衝撃を与え、最終的にEpic Recordsとの契約に結実。ショルツが自ら開発したギターサウンド処理機器「ロックマン」をはじめとする自作機材によって生まれた緻密なサウンドは、70年代のアナログ全盛の時代において突出した透明感と迫力を放っていました。

デルプの繊細な世界――「Let Me Take You Home Tonight」

アルバムのラストに収録された「Let Me Take You Home Tonight」は、バンドの他楽曲と一線を画す柔らかさと親密さを持ちます。ショルツではなく、ブラッド・デルプによる唯一の単独作という点でも特筆すべき一曲です。

歌詞は「Now I’m not like this, I’m really kind of shy」と始まり、内気な主人公が思い切って気持ちを伝えるという、恋の始まりの瞬間を描いています。デルプの澄んだ高音と、重ね録りされたハーモニーは、技術的な緻密さの中にも人間味と温かさを感じさせます。

黄金の喉を持ったボーカリスト――ブラッド・デルプ

1951年、マサチューセッツ州ピーボディに生まれたデルプは、13歳のときにビートルズをきっかけに音楽の道に進みました。70年代初頭には地元クラブで活躍し、その美しく力強いボーカルで知られる存在になります。

1970年、デルプはショルツと出会い、その声がボストンのサウンドに不可欠な要素となります。彼の多重録音によるハーモニートラックの技術は、バンドの特徴的なサウンドの柱の一つであり、ライブでもその再現性に驚嘆の声が上がるほどでした。

2007年に55歳で亡くなったデルプですが、その歌声は『Boston』をはじめとする作品群を通じて今なお多くのファンに聴き継がれています。

デビュー作が打ち立てた金字塔

『Boston』は1976年8月25日にリリースされ、アメリカだけで1700万枚以上のセールスを記録。これは当時のロックアルバムとしては異例の成功であり、全世界でも2000万枚を超える売上を誇る名盤となりました。

特筆すべきは、その大部分がショルツの地下室で録音されたにもかかわらず、メジャースタジオ顔負けの完成度を誇っていた点です。「More Than a Feeling」や「Peace of Mind」などのヒット曲と並び、「Let Me Take You Home Tonight」の存在はアルバムに多様性と奥行きを与えています。

アメリカと日本、1976年の音楽的交差点

1976年当時、アメリカの音楽シーンではディスコやパンク、プログレッシブロックが勢力を伸ばしており、多様性のある混沌とした状況にありました。その中でボストンのサウンドは、過剰な実験性ではなく、構築美とメロディアスなロックを両立させたことで、多くのリスナーの心をつかみました。

一方、日本では山下達郎大滝詠一らが活躍し、ニューミュージックからシティポップへの過渡期を迎えていた時代です。海外のロックサウンドがテレビやラジオを通じて日常に浸透し始めており、ボストンのようなスタジオ重視のバンドは、日本の音楽制作者にも多大な影響を与えました。

技術と情熱が融合した名曲の力

「Let Me Take You Home Tonight」は、単なる恋愛の歌にとどまりません。エンジニアとアーティストの融合、緻密な構造の中にある感情の豊かさ――それらが織りなす音の絵画のような楽曲です。

デルプの素朴で誠実な感性と、ショルツの知的で精緻な音像がぶつかり合い、互いの魅力を最大限に引き出す構造になっています。実際、この1曲だけでもバンドの幅広い表現力と、メンバー個々の音楽的特性を理解する手がかりとなるでしょう。

色褪せない輝きを未来へ

『Boston』は、ただの成功作ではなく、ロック史における転換点を示した作品です。自宅スタジオから生まれたその音が、世界中のスタジオやミュージシャンに「可能性」を教えた点は、今後も語り継がれるべきエピソードです。

「Let Me Take You Home Tonight」を含むこのアルバムは、今なお新しいファンを惹きつけ、ジャンルや国境を超えて愛され続けています。テクノロジーと感性が融合したボストンの哲学は、時代を越え、未来の音楽にも確実に影響を与え続けるでしょう。

『Let Me Take You Home Tonight 』

僕は本来、そんなに大胆な性格じゃない。
だけど君が通り過ぎるたび、心が勝手に騒ぎ出すんだ。
どうしても気持ちを抑えきれない。
君を傷つけたいんじゃない、ただ幸せな気分にさせたいだけなんだ。

ずっと見つめてきた。
まるで前から知っていたような気さえする。
もし君が、僕のことを少しでも気にしてくれるなら——
今夜、一緒に過ごす時間をくれないか?

僕は何も偽ったり、言い訳をしたりしたくない。
ただ、君と一緒に自由になりたい。
誰にも邪魔されず、肩の力を抜いて、ありのままの2人で。

この気持ちは間違いじゃないと信じてる。
今夜、君の愛を夢見て眠りにつきたいんだ。
だから流れに身をまかせて。
僕の言葉を信じてほしい。

“今夜、君を家まで送らせてほしい”
それは口実じゃない、僕の願いそのもの。
君の笑顔に包まれるだけで、
僕はもう、ひとりでいる理由を見失ってしまうから。

by Ken

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