今日はギルバートオサリバンの誕生日です。おめでとうございます。
ギルバート・オサリバンは、1946年12月1日にアイルランドのウォーターフォードで生まれました。
本名はレイモンド・エドワード・オサリバンです。幼少期に家族とともにイギリスのスウィンドンへ移住し、そこで少年時代を過ごしました。
音楽に対する興味は早くから芽生えており、学校の合唱団に参加したり、ピアノやギターを独学で習得しました。
まずは、Youtubeの公式動画からご覧ください―『アローン・アゲイン』
【クレジット】
曲名:Alone Again (Naturally)
歌唱・作詞・作曲:Gilbert O'Sullivan
編曲:Gordon Mills(プロデュース)
アルバム:『Back to Front』収録
発売年:1972年(℗ 1972 Grand Upright Music Ltd.)
提供元:Gilbert O'Sullivan(YouTube公式チャンネル)
【2行解説】
軽快なメロディに深い孤独と喪失感を重ねた、1970年代を代表する哀愁のポップ・バラード。
淡々と語るような歌唱が、人生の不可解さと切なさを静かに問いかけてきます。
原曲はこんな感じです。彼の声と言い、楽器と言い、シンプルで美しいです。
【クレジット】
曲名:Alone Again (Naturally)(New Version)
歌唱・作詞・作曲:Gilbert O'Sullivan
編曲:Gilbert O'Sullivan(アコースティック・アレンジ)
撮影:Lafayette at King's Cross(London)
公開年:2023年(© 2023 Grand Upright Music Ltd.)
提供元:Gilbert O'Sullivan(YouTube公式チャンネル)
【2行解説】
ロンドンのライブハウスで収録された、柔らかく繊細な新アレンジによる公式映像。
半世紀を経た今も、彼の歌声は変わらぬ優しさと哀愁をたたえている。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 1972 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
僕がこの曲を初めて聴いたのは中学生の時ですね。洋楽好きの連中が休み時間に集まっては、あの曲がいいとかこの曲がいいとか、毎日われ先にと新情報の交換会をしまくっていた頃ですね~!
歌詞は当然分かっていません。でもこのメロディはとても美しかった。中学時代の宝物の一曲です。
デビューから成功への道のり
1967年、CBSレコードからシングル「Disappear」でデビューしましたが、大きな反響は得られませんでした。しかし、プロデューサーのゴードン・ミルズとの出会いを機に、MAMレコードと契約を結びます。1970年にリリースした「ナッシング・ライムド(Nothing Rhymed)」が全英シングルチャートで8位にランクインし、彼の名前が広く知られるきっかけとなりました。
その後も「アローン・アゲイン」をはじめとするヒット曲を次々と発表し、1970年代前半にはイギリスだけでなくアメリカでも人気を博しました。彼の楽曲はメロディアスで親しみやすく、それでいて深いメッセージ性を持っていることが特徴です。
『アローン・アゲイン』の制作背景とその深いテーマ
1972年にリリースされた『アローン・アゲイン(Alone Again – Naturally)』は、ギルバート・オサリバンの代表曲として世界的に知られています。この曲はアメリカのビルボードチャートで6週連続1位を獲得し、年間シングルチャートでも2位に輝く大ヒットとなりました。
歌詞の内容は、結婚式の日に花嫁に逃げられた男性が深い絶望に陥り、自らの存在意義を問い始めるというものです。さらに、両親の死についても言及されており、人生の孤独や喪失感がテーマとなっています。しかし、オサリバン自身はこの曲が実体験に基づくものではなく、フィクションであると明言しています。彼は11歳のときに父親を亡くしており、その経験が曲の感情的な深みを生み出しているとも言えます。

明るいメロディーと暗い歌詞のコントラスト
『アローン・アゲイン』の最大の特徴は、明るく親しみやすいメロディーと、深刻で重い歌詞とのコントラストです。一見するとポップで軽快な曲調ですが、その中に描かれる主人公の深い悲しみや孤独感が、リスナーに強い印象を与えます。このギャップが、多くの人々の共感を呼び、楽曲の魅力を高めています。
日本では、この曲がテレビCMやドラマの挿入歌として頻繁に使用され、そのメロディーは広く親しまれています。しかし、歌詞の内容を理解せずに使われることも多く、その場合は「ブラックユーモア」として受け取られることもあります。
オサリバン自身は、この曲が人々に深い思索を促すことを望んでおり、そのギャップこそが作品の魅力であると語っています。

音楽業界での試練と再起
1970年代前半に大きな成功を収めたオサリバンですが、その後はマネージャーとの契約問題や著作権に関する訴訟に巻き込まれ、音楽活動が停滞する時期がありました。
特に、元マネージャーのゴードン・ミルズとの法的紛争は長期化し、彼のキャリアに大きな影を落としました。これらの問題は、音楽業界の複雑さやアーティストが直面する困難を浮き彫りにしました。

しかし、オサリバンは困難を乗り越え、1980年代に音楽活動を再開します。自身のレーベル「Bygum Records」を設立し、クリエイティブな自由を追求することで、再び音楽界に復帰します。
新たなアルバムのリリースやコンサートツアーを積極的に行い、ファンとの絆を深めていきました。
『アローン・アゲイン』がもたらす影響とその意義
『アローン・アゲイン』は、人間の孤独や喪失感を深く描いた作品として、多くの人々に影響を与えています。その歌詞は、人生の試練や困難に直面したときの感情をリアルに表現しており、リスナーに共感と慰めを提供します。
また、この曲は多くのアーティストによってカバーされ、映画やドラマの挿入歌としても使用されています。エルトン・ジョンやニール・セダカなどの同時代のミュージシャンからも高い評価を受け、その普遍的なテーマと美しいメロディーは時代や文化を超えて人々の心に響いています。
ギルバート・オサリバンの現在とこれから
現在もギルバート・オサリバンは音楽活動を続けており、新しいアルバムの制作やライブパフォーマンスに取り組んでいます。彼は自身のウェブサイトやSNSを通じてファンとの交流を深め、新しい世代のリスナーにもアプローチしています。
2018年にはセルフタイトルのアルバム『Gilbert O’Sullivan』をリリースし、批評家から高い評価を得ました。このアルバムでは、彼のこれまでの音楽キャリアを総括しつつ、新しいサウンドにも挑戦しています。彼の情熱は衰えることなく、常に進化し続ける姿勢がファンに感動を与えています。
音楽的スタイルと影響
ギルバート・オサリバンの音楽は、ポップス、ロック、バラードと多岐にわたります。彼の楽曲はシンプルでキャッチーなメロディーラインと、深い洞察に満ちた歌詞が特徴です。ピアノを主体としたアレンジが多く、彼自身のピアノ演奏も高く評価されています。

まとめ:時代を超えて愛される音楽の力
ギルバート・オサリバンの音楽は、時代や国境を超えて多くの人々に愛されています。『アローン・アゲイン』をはじめとする彼の楽曲は、人間の内面を深く探求し、その感情を美しいメロディーに乗せて伝えています。

彼の人生には多くの試練がありましたが、それらを乗り越えてきた彼の姿勢は、音楽を通じて私たちに勇気と希望を与えてくれます。彼の音楽は、シンプルでありながら深い洞察に満ちており、現代の音楽シーンにおいてもその価値は色あせることがありません。
ぜひ彼の楽曲を改めて聴き、その深遠な世界観を感じ取っていただければと思います。ギルバート・オサリバンの音楽が、皆さんの心に響き、新たな発見や感動をもたらすことを願っています。
『アローン・アゲイン』- ギルバート・オサリバン:意訳
失意に沈む男が、一人きりで生きていくしかない現実と向き合う。
愛する人に見捨てられ、人生の希望を絶たれた彼は、絶望のあまり塔の頂から身を投げようとする。誰にも理解されない心の痛みを、せめて誰かに伝えたいと願いながら。教会に取り残された彼の姿を、人々は気の毒そうに眺める。
だが慰めも共感もなく、彼は再び「ひとり」に戻る。
つい昨日までは、未来への期待に胸を躍らせていたのに、現実は非情だった。
何の前触れもなく、幸せな日常は粉々に砕け散った。彼の信仰心すらも揺らぐ。
「神がいるなら、なぜこんな仕打ちを?」――必要な時に神は現れず、ただ孤独だけが残った。人間の心の痛みは数えきれず、癒されることもなく放置されている。
それを前に、我々は一体何ができるのか。彼は過去を振り返る。
父の死に泣き、そして母の苦悩を思い出す。
長年連れ添った伴侶を失い、心を壊された母は、彼の励ましにも応えることなく静かに逝った。その死に際し、彼はまたひとり泣き続ける。結局、人生とは、誰もが避けて通れない孤独の繰り返しなのかもしれない。
そして彼は今日もまた、自然に、静かに、「ひとり」になる。
by Ken
コメント