今日は、ジェイムズ・ハニーマン・スコットの誕生日です。
今日(2024.11.4)はジェイムズ・ハニーマン・スコット(James honeyman scott)の誕生日です。生きていれば、今日が68歳の誕生日です。残念ながら1982年に26歳の若さで亡くなっています。所属したプリテンダーズの1枚目、2枚目のアルバムは彼のギターがあってこその成功と言われています。
今日の紹介曲:「 Stop Your Sobbing 」-Pretenders
リリース日:1979年1月19日(英国)
この楽曲は、プリテンダーズにとってデビュー・シングルであり、The Kinks(キンクス)が1964年に発表した同名曲のカバーです。プロデューサーはニック・ロウ(Nick Lowe)が務めましたが、彼はこの1曲のみでプロデュースを降りています。
本作は、1979年に発表されたアルバム『Pretenders』(1980年1月7日リリース)の先行シングルでもあります。
まずはYoutubeの公式動画をご覧ください。
こちらの動画が今回紹介したい曲です。2番目の動画は基歌の「キンクス」の同曲ですが、失礼ながら最初の動画でクリッシー・ハインドがまるで別な曲のようにアレンジしています。
圧倒的にプリテンダーズの方が僕は好きですね。
🎬 クレジット
曲名:Stop Your Sobbing
アーティスト:Pretenders(プレテンダーズ)
公開元:Pretenders公式チャンネル(YouTube)
公開日:2021年10月8日
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=uQWk7l8Su2U
📝 2行解説
キンクスのレイ・デイヴィスが書いた名曲を、プレテンダーズがデビュー・シングルとしてカバー。1980年のファースト・アルバムに収録され、ニック・ロウがプロデュースを担当。
本家KINKSの公式動画です
🎵 クレジット
曲名: Stop Your Sobbing
アーティスト: The Kinks
リリース年: 1964年
レーベル: Pye Records
動画リンク: YouTube公式音源(The Kinks公式チャンネルより)
📝 2行解説
レイ・デイヴィスによる切なさを帯びたラブソングで、キンクス初期の代表的バラード。
のちにプリテンダーズがカバーしたことでも知られ、60年代ブリティッシュ・ロックの隠れた名曲です。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 1979 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
大学3年生の時でしたね。ロックはロックでも、これまで聴いたことのない音!しびれました。
歌はもとより、ボーカルのクリッシー・ハインドの歌い方の揺れが超魅力的で、カッコいい!!
これまでにないジャンルのように感じ衝撃的でした。

プリテンダーズは、イギリスの音楽誌の記者だったクリッシー・ハインド(ボーカル)を中心に結成され、当時のメンバーは、ジェイムス・ハニーマン・スコット(ギター)、ピート・ファーンドン(ベース)、マーティン・チェンバース(ドラム)でした。
1979年に、今日ご紹介するシングル「ストップ・ユア・ソビン」(キンクスのカバー)でデビュー。
翌年、ファースト・アルバム『愛しのキッズ』、同作からのシングル「ブラス・イン・ポケット」が共に全英1位となっています。
パンク/ニュー・ウェイヴが席巻した当時、ストレートなロックンロール、そう正にロックンロール!!のセンスと、ハインドのキャラクターが受け、人気のバンドとなりました。
女性ボーカルは、何といっても個性優先!という僕好みのボーカルです。
パワフルで、ユニークで、声質の特徴のある人、そんなボーカルが大好きですね。
線の細い声質のはどちらかというと好みではありません( ;∀;)

🎙 プリテンダーズ『Stop Your Sobbing』——カバーを超えた魂の吐露
■ 楽曲としての魅力と構造
◎ 感情の頂点に達するサビ
プリテンダーズの『Stop Your Sobbing』において、最も印象的なのは、やはりそのサビ部分です。
クリッシー・ハインドのボーカルは感情がむき出しで、聴く人の内面を深く揺さぶります。
繰り返されるメロディラインはキャッチーで耳に残り、一度聴けば忘れられないほどの強い印象を与えます。
◎ ボーカルがもたらす内面的共鳴
彼女の歌声には、単なる技巧やスタイルを超えた“実感”が込められています。
喜びや苦しみ、やるせなさといった感情が等しく混ざり合い、聴く人の胸にまっすぐ語りかけてくるのです。まるで彼女自身の人生の一部が、そのまま歌として昇華されているように感じられます。

◎ メロディが記憶に刻まれる仕掛け
繰り返されるサビの旋律は、耳心地の良さと感情の深い浸透力をあわせ持っています。
決して派手なメロディではありませんが、絶妙なリズムとハーモニーが心地よく重なり合い、聴く人の記憶にしっかりと残る力を発揮します。それこそが、この楽曲が持つ“記憶に残る力”の源なのです。
■ ギターが生み出す奥行きと対話性
◎ ジェームズ・ハニーマン・スコットの音の設計
ジェームズ・ハニーマン・スコットによるギターリフも、この楽曲の屋台骨として非常に重要な役割を果たしています。彼のプレイはシンプルでありながら洗練されており、必要最小限の音で最大限の効果を引き出す、職人的なセンスにあふれています。
◎ ボーカルとの拮抗によるドラマ性
彼のギターは、クリッシー・ハインドのボーカルに従うだけではなく、あくまでも“対話”として機能しています。ふたりの表現は拮抗しつつも響き合い、その関係性が音楽に深いドラマ性を与えているのです。この拮抗と調和のバランスこそが、プリテンダーズというバンドの真骨頂といえるでしょう。

■ クリッシー・ハインドの個人的解釈と精神性
◎ 選曲の背景にある私的な物語
この曲がオリジナルであるThe Kinksのカバーであることは広く知られていますが、クリッシー・ハインドの解釈にはそれ以上の深い意味が込められています。
実際、彼女はキンクスのレイ・デイヴィスと恋愛関係にあり、その個人的な背景が選曲やパフォーマンスに濃厚な影を落としているのです。
◎ カバーを“自分の歌”に変えた理由
彼女にとって、この曲は単なる選曲ではありませんでした。
それは、自分自身の傷や過去、迷いや葛藤と向き合うための“告白”のようなものであり、聴き手にもその切実な思いが自然と伝わってきます。だからこそ、多くのリスナーの心を強く打つのです。
◎ 再解釈の自由と表現の力
クリッシーは、カバーという行為を単なる再演ではなく、“解釈の再構築”として捉えていました。
原曲の構造を尊重しながらも、自らの感情や視点を注ぎ込むことで、まったく新しい感情曲線を持つ楽曲へと昇華させています。その姿勢には、アーティストとしての誇りと信念がしっかりと表れています。
■ Pretendersというバンドの特異性
◎ フロントウーマンという存在の衝撃
1978年、プリテンダーズはクリッシー・ハインドを中心に結成されました。
女性がロックバンドのフロントマン、いや“フロントウーマン”としてステージの中心に立つことは、当時としてはきわめて珍しいことでした。彼女のその姿勢は、音楽業界の常識や時代の価値観に対する、強いカウンターとしての意味を持っていたのです。

◎ ジャンルを越境する音楽性
プリテンダーズの音楽は、パンクの荒々しさとニューウェーブの鋭さ、そしてポップスの親しみやすさを併せ持ち、ひとつのジャンルには括れない“混成の美学”を体現していました。
その中心には常にクリッシー・ハインドの表現力があり、彼女の存在がバンド全体の輪郭を明確に形づくっていたのです。
◎ 同時代アーティストへの影響
彼女の持つ圧倒的な表現力と、バンドとしての完成度の高い音楽性は、当時の多くの女性アーティストやロックバンドに大きな影響を与えました。
“女性でもロックはできる”という認識の広がりは、まさに彼女の存在によって体現され、時代に新たな意識の扉を開いたのです。

■ カバーの事実に驚いた人々とその理由
◎ オリジナルの存在を忘れるほどの完成度
『Stop Your Sobbing』がThe Kinksのカバーであることを知らずに聴いていたリスナーは、決して少なくありません。実を言えば、僕自身もその一人です。初めてこの曲を聴いたとき、クリッシー・ハインドの歌声があまりにも感情に満ちていたため、完全なオリジナル曲だと信じて疑いませんでしたね。
◎ クリッシーの声が持つ“新たな命”
彼女の歌声には、「誰かの曲を再び演じる」という意識はまったく感じられません。
クリッシーはこの曲に新たな命を吹き込み、まるで“自分の言葉”で語るかのように歌い上げています。その表現の強さと誠実さこそが、この楽曲に深い説得力を与えているのです。
■ 今も響く、クリッシーの“声”の真価
◎ 音楽がもたらす“癒し”と“共鳴”
『Stop Your Sobbing』は、音楽が人の心に寄り添う力を証明してくれる一曲です。
クリッシー・ハインドのボーカルは、過去の傷や心のざわつきを優しく包み込み、聴く人に安らぎと共感をもたらしてくれます。

◎ 声を通して浮かび上がる人生の断片
彼女の声には、人生の挫折や喜びといった様々な経験が自然に織り込まれています。
そのため、リスナーは単に音楽を楽しむのではなく、“誰かの人生の断面”に触れているような感覚を味わうことになります。だからこそ、この曲は何度聴いても色あせることがないのです。
◎ 音楽が心を解放する瞬間
音楽が持つ本当の力とは、心の奥深くに触れ、自分でも気づかなかった感情をそっと引き出すことにあると思います。『Stop Your Sobbing』は、そうした“心の解放”の瞬間を私たちに与えてくれる、非常に希少な楽曲です。クリッシーの叫びは、聴く人の涙をそっと止めると同時に、その涙にやさしく寄り添ってくれます。
歌詞・・・意訳!
🎧 『Stop Your Sobbing』全体意訳
もう泣くのはやめて。
その涙が、私の心をかき乱す。
何があったのかはもう聞かない。
ただ、今ここにいる私のために、
微笑んでほしいんだ。笑おうとして、うまくいかなくてもいい。
それでも笑顔を見せようとしてくれることが、
私には何より大切なんだ。君の目からこぼれる小さな涙のひとつひとつが、
私を迷わせ、
それでも君を抱きしめたくさせる。
「やめてくれ」と言いたいのに、
その涙に惹かれてしまう。でも、愛し続けるには、
もう君の泣き顔に耐えられない。
涙ではなく、希望を。
別れじゃなく、再生を。どうかお願いだから、
泣くのは、今日で終わりにしよう。
この意訳は、歌詞の根底にある「やさしさと切なさが混ざった愛の訴え」を抽出し、
聴く者の心に残るように詩的・感情的にまとめた短文です。
by Ken
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