【6月2日】は、チャーリー・ワッツの誕生日-『悲しみのアンジー』(ローリング・ストーンズ)をご紹介!

【6月2日】は、チャーリー・ワッツの誕生日

1941年6月2日生まれ/2021年没。イギリス・ロンドン出身のドラマーで、ザ・ローリング・ストーンズのメンバーとして知られています。
ロック界屈指の寡黙な名手として、バンドのリズムを半世紀以上にわたって支え続けてきました。
ジャズを愛し、紳士的な佇まいと端正なドラミングで多くのミュージシャンに尊敬された存在です。

まずはYoutube動画の公式動画からどうぞ!!

🎬 公式動画クレジット(日本語)
🎵 The Rolling Stones – Angie (Remastered)
📀 収録アルバム:『Made In The Shade』
© 2005 Promotone B.V., under exclusive licence to Universal International Music B.V.
📅 配信開始日:2008年1月1日(YouTube公開日:2018年7月30日)

📝 2行解説(日本語)
美しくも儚いメロディに乗せて、叶わぬ愛と別れの余韻を綴った名バラード。ミック・ジャガーの繊細な歌声が、聴く者の心に静かに染み渡る。
🎬 公式動画クレジット
🎵 The Rolling Stones – “Angie (Official Promo Video)”
📅 公開日:2012年10月10日
🎥 チャンネル:The Rolling Stones(公式)
📀 オリジナル収録アルバム:『Goats Head Soup』(1973年)

📝 2行解説(日本語)
別れの悲しみと愛への余韻を描いた、ストーンズの珠玉のバラード。ミック・ジャガーの哀切なボーカルが、失われた愛の記憶を呼び起こす。
🎬 公式動画クレジット
🎵 The Rolling Stones – “Angie (Live at Roundhay Park, Leeds / 1982)”
📅 公開日:2015年12月23日
🎥 チャンネル:The Rolling Stones(公式)

📝 2行解説
1982年、ラウンドヘイ・パークでの熱狂的なライブ音源。成熟したバンドの風格と哀愁が交錯する「Angie」の名演。
🎬 公式動画クレジット(日本語)
🎵 The Rolling Stones – “Angie (Live at Madison Square Garden)”
📅 公開日:2013年2月14日
🎥 チャンネル:The Rolling Stones(公式)
📍 会場:マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)

📝 2行解説(日本語)
スタジオ音源とは異なる、成熟と余韻に満ちたライブ演奏。ミック・ジャガーの表現力が一層深みを増し、観客の心を震わせる一夜。

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫

My Age 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年1973
僕が聴いた時期

僕がこの曲を初めて聴いたのは、リリース時の中学3年生~高1の頃だと思います。

当時は小遣い制でもなく、必要な分しかお金はもらえなかった頃ですので、レコードは買っていません。アルバムを購入したのは4~5年後の大学生になってからのことです。

そういう理由で、中学・高校の頃は、もっぱらラジオかテレビが主な視聴環境で、仲間内でもアルバム談義はほぼなく、単発曲中心。「悲しみのアンジー」もその中の一つの楽曲です。

中学の頃は、主にポップス中心で仲間と盛り上がり、授業前、休憩時間が楽しかったのを覚えています。ですから、ストーンズもその面からしか当時は捉えておらず、「悲しみのアンジー」もポップバラードでスゲ~いい曲!という位置づけでした。

いつも言い訳をしますが、僕はローリングストーンズは追いかけてません。僕好みのタイプのバンドではなかったからです。でも、バラード系は何曲も好きな曲があります。コアなファンからは、ローリングストーンズの魅力はそこじゃない!!って叱られそうですね(T_T)/~~~


週末の静寂に響く、心を揺さぶるバラード──ローリング・ストーンズ『悲しみのアンジー』

1973年にリリースされたローリング・ストーンズのバラード『Angie(悲しみのアンジー)』、哀しみと希望が交錯する傑作として、今なお多くのリスナーの心を掴んで離しません。ミック・ジャガーの情感豊かなボーカルと、バンドならではの繊細なアンサンブルが織り成すこの名曲は、時代の空気を映し出しながら、普遍的な「別れと再生」のテーマを静かに語りかけてくれます。

楽曲概要とローリング・ストーンズの立ち位置

『Angie』はローリング・ストーンズの9作目のアルバム『Goats Head Soup』(1973年)からの先行シングルとして、同年8月に発表されました。作詞・作曲はお馴染みのミック・ジャガーとキース・リチャーズのコンビで、プロデューサーには彼らの黄金期を支えたジミー・ミラーが名を連ねています。全米ビルボード・チャートでは見事1位を獲得し、UKチャートでも5位にランクインするなど、商業的成功も収めました。

ローリング・ストーンズは、1962年にロンドンで結成されたブリティッシュ・ロックの巨星です。ブルースを礎とし、1960年代にはビートルズとは対照的な“反抗的なロックンロール・バンド”として一世を風靡しました。1970年代には、英国内の高額課税から逃れる形で国外拠点を設け、音楽的にもよりパーソナルかつ深淵な作品群を生み出していきました。

1973年、日本と世界の空気感

日本の情勢:繁栄から混乱の端境期

1973年の日本は、高度経済成長の終盤に差し掛かっていました。自動車・電機などの輸出産業が躍進し、生活水準は向上しつつありましたが、10月には第1次オイルショックが勃発し、インフレと物不足の時代が始まりました。その前の夏まではまだ明るい雰囲気が街を包んでおり、テレビでは『8時だョ!全員集合』が国民的人気を集め、家庭に笑いを届けていました。

世界の動きと音楽の潮流

世界ではベトナム戦争がパリ和平協定(1973年1月)により実質的終結を迎え、アメリカ国内ではウォーターゲート事件が政治不信を加速させていました。音楽シーンはグラムロックの黄金時代で、デヴィッド・ボウイの『Aladdin Sane』、T.レックスの『20th Century Boy』などがチャートを賑わせていました。その中で『Angie』は異質な静けさをまといながら、人々の心に深く染み込んでいきました。

『悲しみのアンジー』誕生の背景

私生活の混沌が音楽に染み出した瞬間

この楽曲は、ジャガーとリチャーズそれぞれの私生活が波乱含みだった時期に誕生しました。ジャガーは当時、ビアンカ・ジャガーとの結婚を目前に控え、娘ジェイドが誕生したばかりでした。一方、リチャーズはアニタ・パレンバーグとの関係に加え、麻薬問題にも苦しんでいました。

レコーディングはジャマイカのダイナミック・サウンド・スタジオなどで行われました。曲の原型はリチャーズが娘アンジェラを想って書いたという説や、ジャガーの内面の情動が反映されたという説もありますが、真相は曖昧なままです。ジャガーはこの楽曲について「別れと喪失感を受け入れるための静かな祈り」と語っています。

音楽的構造とボーカルの魅力

アレンジと構成:シンプルゆえの深さ

この曲はアコースティックギターの優しいアルペジオで始まります。4分の4拍子、スローテンポで展開され、コード進行はC-G-Am-Fを基本としています。シンプルながら哀愁に満ちた流れが、聴く者の心にそっと寄り添います。

随所でピアノを奏でるのは、名サポートメンバーのニッキー・ホプキンスです。彼の繊細なタッチがジャガーのボーカルと美しく絡み合い、サビでは感情が一気に解放されます。間奏のスライドギターはリチャーズによるもので、泣くようなトーンが切なさを引き立てます。

ジャガーのボーカル:儚さと力強さの共存

ジャガーの歌声は、低音の語りかけるようなAメロから、感情が爆発するサビへと見事に起伏を描きます。特に「Angie, I still love you」「There ain’t a woman that comes close to you」といった一節では、痛みと未練、そしてわずかな希望が入り混じります「You can’t say we never tried」という繰り返しには、別れに際しての精一杯の誠実さがにじんでいます。

歌詞が語るもの:別れと再生の寓話

『Angie』の歌詞は、一見すると失恋の悲しみに満ちていますが、その内側には「喪失の先にある生」への視線が潜んでいます。「All the dreams we held so close / Seemed to all go up in smoke」というラインでは、共に築こうとした夢が崩れ去る切なさを吐露する一方、「Ain’t it good to be alive?」では、生きていること自体への肯定が感じられます。

「With no lovin’ in our souls / And no money in our coats」という直接的な描写が、孤独感と生活の困難さを浮かび上がらせています。

ローリング・ストーンズの表現進化

粗野さから抒情へ

この作品は、ローリング・ストーンズが単なる“反骨のロックバンド”ではないことを証明した楽曲でもあります。1960年代には挑発的なイメージで注目を集めていましたが、1970年代に入ってからはより内面的な葛藤や人間的な弱さを織り交ぜた作品が増えていきました。

『Angie』は、その転換点に位置し、荒々しさと繊細さが見事に融合した名演です。これはジャガーとリチャーズだけでなく、ホプキンスやワッツといったメンバー全体の成熟の証でもあります。

日本と世界での評価と現在の再評価

日本における受容とその影響

1973年当時、『Angie』は日本の若者たちにとって“洋楽”との初めての出会いとなったケースもありました。FM放送の洋楽枠で頻繁に流され、輸入盤の売上も好調でした。1974年の来日公演が中止されたことで幻の存在となり、その神秘性も相まって人気が高まりました。

2020年代に入ってからも再評価が進み、特に2024年のリマスターブームではSNSを中心に「アンジーで泣いた」「令和の夜に聴くと沁みる」といった投稿が多く見られました。

総括:時代を超える再生のバラード

『悲しみのアンジー』は、ローリング・ストーンズの持つ反骨精神と抒情性が高次元で融合した作品です。時代背景、制作過程、音楽的魅力、そして現代への橋渡し──そのすべてがこの曲を特別な存在にしています。今この曲を聴くことで、きっと心のどこかがそっと救われる瞬間が訪れることでしょう。

Angie(悲しみのアンジー)』―(The Rolling Stones):意訳

アンジー、あの日の雲はまだ心にかかっている
僕らは愛を失い、ポケットには何もない
だけど、努力しなかったとは言わせない
君がどれほど美しかったか、どれほど愛していたか
あの夜に流した涙を、僕は今も忘れない

夢を信じていた。
それが一瞬で煙になったとしても、君を愛していたことは本当だった
別れの時が来たと、誰かが言う
だけどまだ、君の目が焼きついて離れない

アンジー、泣かないでくれ
甘く残るキスの記憶と、悲しみに濡れたその瞳
僕は君のすべてを知っているし、今も失ってはいない
他の誰も、君には届かない
だからどうか、涙を拭いて

生きているって、ほんとうに素晴らしいことじゃないか
僕らは愛した。そして闘った
それだけは、誰にも否定できない

by Ken

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