🎸【僕の勝手なBest10:アルバート・ハモンド編】第9位『If You Gotta Break Another Heart』をご紹介!

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僕の勝手なBest10:第9位は『If You Gotta Break Another Heart.』です。

アルバート・ハモンド編第9位は、『If You Gotta Break Another Heart』です。
昨日上アップした第10位記事の反応は今一のようですが、めげてませんよ。アルバートハモンドにピンとくるのはおそらく上位5位くらいからかと思います。

ああ、この曲知ってる(^_-)ってきっとなりますし、感動する曲にもどこかで必ず出会えますので、ご期待ください。

🎥🎼Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎵 『If You Gotta Break Another Heart』クレジット情報
曲名:If You Gotta Break Another Heart
アーティスト:Albert Hammond
動画提供:Albert Hammond Official(公式チャンネル)

甘い歌声に潜むリアルな痛み ─ 『If You Gotta Break Another Heart』深掘りレビュー

アルバート・ハモンドのキャリアを語るうえで、1976年3月にリリースされたシングル『If You Gotta Break Another Heart』は外せません。表題曲が描くのは、誰かの心を傷つける覚悟を伴う、大人の恋愛の葛藤と苦味。甘く澄んだ歌声の奥に秘められた複雑な感情を、ポップスでは稀有な率直さで表現しています。

1970年代半ば、揺れ動くアメリカ社会と音楽シーン

社会背景と音楽の潮流

ウォーターゲート事件後の政治不信、オイルショックによる経済停滞が続くなか、1970年代中盤のアメリカ社会は不安と閉塞感に包まれていました。音楽界では、ディスコの興隆、クイーンエアロスミスといったハードロックバンドの台頭が話題となる一方、キャロル・キングやジェームス・テイラーらシンガーソングライターによる内省的な作品も大きな支持を得ていました。

ハモンドのアプローチ

ハモンドの『If You Gotta Break Another Heart』は、派手なビートを避け、アコースティックギターとストリングスを基調としたシンプルなアレンジにより、楽曲のもつ切なさをより一層引き立てています。

ソングライターとしての血脈が息づく歌詞世界

アルバート・ハモンドの軌跡

1944年、イギリス領ジブラルタル生まれのアルバート・ハモンドは、1960年代後半にソングライターとしてキャリアをスタート。ザ・ホリーズやトム・ジョーンズなどに楽曲を提供し、早くからその才能を認められました。1972年の『It Never Rains in Southern California』の大ヒットにより、自身のアーティスト活動も軌道に乗せます。

歌詞の深み

『If You Gotta Break Another Heart』では、甘美な旋律に乗せて、恋愛における避けがたい痛みを真正面から歌い上げています。

“If you gotta break another heart, go on and do it If you gotta make somebody cry, then let me be the one”意訳:もし誰かの心を傷つけなければならないのなら、それでも構わない。涙を流させる相手が必要なら、その役目は私にさせてほしい。

このサビのフレーズは、罪悪感と自己犠牲を抱えながらも、愛に生きようとする主人公の心情を鮮やかに描写しています。

歌声とアレンジが生む普遍的な共鳴

ハモンドのハスキーで柔らかな歌声は、悲しみと温もりを同時に湛え、聴く者の心に静かに寄り添います。アコースティックなサウンドと控えめなリズムセクションの組み合わせは、歌詞の持つ”ほろ苦さ”を余すところなく引き立てています。

日本における共感の広がり

ニューミュージックとの共鳴

1970年代半ばの日本では、ニューミュージックが若者たちの心を捉えていました。荒井由実(松任谷由実)や井上陽水といったアーティストが台頭し、内省的で個人主義的な世界観を提示していた時代です。

ハモンドの受容

そんななか、ハモンドの楽曲は、洋楽ファンだけでなく、繊細な歌詞表現を求めるリスナー層からも共感を集めました。1976年のアルバム『When I Need You』には『If You Gotta Break Another Heart』も収録され、日本でもシンガーソングライターとしての評価を高める一助となりました。

制作の裏側と知られざるエピソード

モントルー・ジャズ・フェスティバル出演伝説

1977年、モントルー・ジャズ・フェスティバルにおいて、ハモンドが急遽セッションに参加したという逸話が語り継がれています。公式な記録は少ないものの、参加者の証言からも、即興演奏で会場を魅了した様子が伺えます。

BMI賞受賞の背景

『It Never Rains in Southern California』や、後に提供した『One Moment in Time』(ホイットニー・ヒューストン歌唱)で、BMI賞を受賞。彼の楽曲が映画やテレビを通じて広く認知される礎となりました。

カバーが証明する楽曲の普遍性

『If You Gotta Break Another Heart』は、1970年代初頭にアルバート・ハモンドが発表した楽曲です。豊かなメロディラインと感情豊かな歌詞で知られ、トリニ・ロペスによるカバーバージョンも記録されています。近年は広くカバーされることは少ないものの、その温かなサウンドと切ないテーマは、今なお聴く者の心に静かに響き続けています。華々しいヒット曲とは異なる、隠れた佳曲として長く愛されています。

終章:リアルな痛みと向き合う勇気

人間関係において、誰かを傷つけずに生きることは至難の業です。とりわけ恋愛においては、選択するたびに痛みを伴うことが避けられません。

『If You Gotta Break Another Heart』は、その痛みを否定するのではなく、静かに受け止めることの尊さを教えてくれます。甘美な旋律とリアルな感情のバランスによって生まれる共感。それが、この楽曲が時代を超えて愛される理由に他なりません。


『If You Gotta Break Another Heart』:意訳

愛に迷い、心を揺らすなら、ためらわず突き進め。
誰が何を言おうと、最後に選ぶのは自分自身だ。
壊さざるを得ない絆なら、潔く断ち切ればいい。
挑戦したいなら、恐れずに手を伸ばせ。
ただひとつ——迷った末に、また僕のもとに戻ってくるのだけはやめてほしい。

変化を望むなら、迷わず行動に移せ。
先延ばしにするくらいなら、今すぐにすべてを決めるべきだ。
誰もが知っている、君は生まれながらの流れ者だと。
どこにも根を下ろせないその魂を、僕は止めることなどできはしない。

だからもう一度言おう。
壊すなら壊せ、掴むなら掴め。
胸に秘めた音色を奏でたいなら、遠慮せず鳴らせ。
心の中の言葉を伝えたいなら、躊躇わずに叫べ。
ただ、二度と僕のもとへ駆け戻ってはこないでくれ。

by Ken

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