🎸【僕の勝手なBest10:Boston編】第6位『Something About You』~トム・ショルツの情熱が響く“技術と感情”の融合~

「観客と共に熱狂するボストンの一瞬」

【ボストン】について詳しくはこちらから!➡Wikipedia

僕の勝手なBest10:【Boston】編-第6位は・・・

【Boston】編-第6位は、『Something About You(サムシング・アバウト・ユー)』です。
最後まで同じことを書くと思いますが、曲ごとに個性は違うのに、なぜかこれまた実にすばらしいボストンサウンドです。


🎥まずは、注目の映像3本をご紹介!

📺 1. Boston – Something About You (Official Audio)です。

こちらは1976年リリース当時のスタジオ音源を収めた公式オーディオ版。アナログ録音ならではの温かみと、ブラッド・デルプの伸びやかな高音ボーカルがストレートに伝わる名演です。Bostonらしい立体的なギターサウンドも存分に楽しめます。

📺 2. Boston – Something About You (Live at Giants Stadium, 1979)

1979年のジャイアンツ・スタジアムでの貴重なパフォーマンス。オリジナル・ボーカリスト、ブラッド・デルプが伸びやかに歌い上げています。ギターの分厚い音の層と、観客の熱狂が融合した“黄金時代のBoston”を体感できます。

📺 3. Boston – Something About You (Live 2004)

2004年のパフォーマンスでは、ボーカルはトミー・デカーロに交代。デルプ亡き後もショルツの意志を継ぎ、非常に丁寧で力強い歌唱を披露しています。往年のファンにも新しい世代にも響くステージです。


🎼 アナログの魔法が生んだ、地下室発の名曲

1976年8月25日、Bostonの衝撃的なデビューアルバム『Boston』が世に放たれました。その中の1曲、「Something About You」は、ギターの厚み、繊細なメロディ、そしてアナログ録音ならではの温かみが凝縮された作品です。この楽曲が録音されたのは、なんとトム・ショルツの自宅地下室彼はMIT卒の機械工学者でありながら、音楽的完璧主義者。12トラックのレコーダーを用い、ほとんどのパートを一人で演奏・録音しています。


🧠 歌詞が語る“孤独と愛の交差点”

“When I was younger I thought I could stand on my own
It wasn’t easy, I stood like a man made of stone”

この印象的な一節は、孤独に慣れた男性が、ある女性との出会いによって心の扉を開いていく過程を描いています。

「But there was something about you」というサビは、無機質な日常に差し込んだ光のような存在への驚きと感謝を象徴しています。冷戦下の70年代、無意識に“感情の表出”を抑えていた多くのリスナーにとって、この楽曲は心の解放そのものだったのかもしれません。


🧱 1976年の音楽風景とBostonの革新

1976年、ディスコブームがピークを迎える一方で、ロック界は複雑化と商業化の狭間にいました。

そんな中、Bostonは、「More Than a Feeling」のような明快なフックだけでなく、この「Something About You」のような深みある楽曲でもリスナーの心を掴みます。
同年、ウイングスの「Silly Love Songs」や、エルトン・ジョン&キキ・ディーの「Don’t Go Breaking My Heart」などがチャートを賑わせていましたが、Bostonは“硬派”なロックで静かな革命を起こしていたのです。


🗾 日本に届いた“東海岸ロック”の衝撃

当時の日本では「およげ!たいやきくん」が社会現象となり、フォークやニューミュージックが全盛でした。

そんな中、「Something About You」は、アメリカ東海岸から吹き込んだ異質な風として、多くの洋楽ファンに強烈な印象を与えました。イーグルスの西海岸サウンドとも異なる、どこか理知的で構築的なBostonの音は、日本の音楽ファンに“新しいロックの可能性”を示したのです。

アメリカ東海岸ニューヨークにある自由の女神像
アメリカ東海岸ニューヨークにある自由の女神像

⚙️ MIT出身の異端児が生んだ音響の革命

トム・ショルツが開発した「パワーソーク」や独自のコンプレッション技術は、当時のレコーディング業界においては“異端”とも言える手法でした。

それらを駆使して作り上げた「Something About You」のギターサウンドは、ただ歪ませるだけではない、空間的で立体的な響きを持っています。これが後年の多重録音時代や、レイヤー型ミキシング技術の先駆けとなりました。


💡 この曲が時代を超える理由

  1. 普遍的なテーマ
     ──「人生を変える出会い」という感情は、誰にでも共通する体験です。
  2. 緻密な構成美
     ──イントロからサビへの展開、ソロパートの構成まで、どこを切っても“ショルツ節”。
  3. アナログの温もり
     ──1976年の空気をそのまま封じ込めたような音の質感は、現代では再現が難しい芸術です。

🧪 技術と魂の融合、それがBostonの本質

「Something About You」は、“商業ロック”という文脈では語り尽くせません。MITで学び、地下室で音を追求し、巨大なスタジアムで鳴らされたその音は、テクノロジーと人間性の美しい接点です。

ブラッド・デルプのボーカルも、この曲では“完璧な楽器”として機能しています。どこまでも伸びる高音、それを支える繊細な低域。まさに、感情と構築美の究極のバランス。


🎬 まとめ:静かに燃えるような、永遠の愛の形

1976年に生まれたこの楽曲が、2025年の今もこうして語られる理由は何でしょうか?

それはきっと、この曲が持つ誠実さと深さ、そして情熱が、時代を超えても変わらず響くからでしょう。音楽に奇跡は必要ありません。必要なのは、揺るぎない意志と、それを伝える技術

そのすべてが詰まった曲、それが「Something About You」です。

『Something About You  Boston

When I was younger
I thought I could stand on my own
It wasn’t easy
I stood like a man made of stone
yeah, yeah

今より若かった頃
一人で生きていけると思っていたんだ
楽じゃなかったよ
冷たい奴のように振る舞うのはね

yeah, yeah

But there was something about you
(I want you to know)
It brought a change over me
(It’s startin’ to show)
I’ve got this feelin’ inside
Gotta have ya, have ya,
ain’t no good to hide

でも
きみには何か惹きつけるものがある
(それを知ってほしいんだ)
僕の考えを変えてしまったんだ
(わかってきたところなんだ)
この胸のなかの想いを自覚したんだ
僕にはきみが必要だ
きみを僕のものにしたいんだ
もう隠してはいられない

(It isn’t easy to show)
What I’m feeling inside, girl
(It isn’t easy, I know)
Would you believe in a man like me

(なかなか表せないんだ)
僕の胸のなかのこの想いを girl
(難しいんだよ わかってるけど)
僕のようなヤツを信じてくれるかい?

When I get angry
I say things I don’t wanna say
I really mean it
I don’t want to leave you this way
yeah, yeah

機嫌が悪くなると
言いたくないことを口にしてしまう
それはホントはこういう意味さ
こんな風に
きみを放っておきたくないんだ

yeah, yeah

I couldn’t help my reaction
(I want you to know)
I lose control over you
(I just wantchu to know)
Got this feeling inside
Gotta have ya, have ya,
ain’t no good to hide

どうしても反発しちゃうんだよ
(きみに知ってほしいから)
きみに夢中でおかしくなってるのさ
(僕の想いをきみに伝えたい)
胸の中に生まれたこの想い
僕にはきみが必要だ
きみを僕のものにしなくちゃ
もう隠してはいられないのさ

(It isn’t easy to show)
What I’m feeling inside, girl
(It isn’t easy I know)
Would you believe in a man like me

(表現するのは難しい)
僕のこの想いをどうしたら? girl
(わかってるけど 難しいんだ)
僕のようなヤツをきみは信じてくれる?

But there was something about you
It brought a change over me
I got this feelin’ inside
(Gotta have you, have you)
Ain’t no good to hide

きみには不思議な魅力があるのさ
きみが僕に変化をもたらしたのさ
心の奥に生まれたこの気持ち
(きみがほしい きみが必要だ)
もう隠してはいられない

(It isn’t easy to show)
What I’m feeling inside, girl
(It isn’t easy, I know)
To believe in a man like me, like me
Can’tchu see,
I gotta, gotta have you?

(見せづらいこの気持ち)
僕のこの胸の奥の感情は girl
(わかってるさ 簡単じゃない)
僕のようなヤツを こんなヤツを
信じてもらうために
わかるかい
僕はきみを なんとしても
ぼくのものにしたいんだ!

Yeah, yeah, yeah

But there was something about you
(Yeah there was something about you)

きみには不思議な魅力がいっぱい!
(Yeah きみは素敵な魅力がたくさん)

引用:ブログ 洋楽和訳 Neverending Music 日本語訳 by 音時 より

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