今日は、カレン・カーペンター(Karen Anne Carpente)の誕生日です。
今日は1950年生まれのカレン・カーペンターの誕生日です。
おめでとうございます。
残念ながら、33才になる直前に若くして亡くなっています。
カレン・カーペンターは、カーペンターズのヴォーカリスト、ドラマー。 声種はアルトで3オクターブの声域を持っており、声の美しさはビートルズのジョン・レノンやポール・マッカートニーを始めとした一流アーティストたちにも絶賛された。
今日の紹介曲:『Top of the World』-(カーペンターズ)
まずは、公式動画(音源)からお聴きください。
🎵 公式クレジット(YouTube公式より)
Carpenters – “Top Of The World”
Provided to YouTube by Universal Music Group
From the album Gold – Greatest Hits ©1972 A&M Records
📘 2行解説
カーペンターズを代表するハートウォーミングな名曲。
リチャードの柔らかなアレンジとカレンの透明な歌声が、幸福の頂きを優しく描きます。
🎵 公式クレジット(YouTube公式より)
The Carpenters – “Top Of The World” (Live on TopPop, 1974)
Written by Richard Carpenter & John Bettis
Recorded live at Grand Gala du Disque, 15 February 1974, Amsterdam, The Netherlands
📘 2行解説
オランダで行われた1974年のTVライブ映像で、カレンの歌声が圧倒的な透明感を放つ名演。
アコースティックな温もりとともに、カーペンターズの音楽が世界を包み込んだ瞬間です。
僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫
My Age | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60才~ |
曲のリリース年 | 1972 | ||||||||
僕が聴いた時期 | ● |
この曲を初めて聴いたのは、1972年の中学2年生の時です。シングルカットされたのは、1973年ですが、アルバム挿入曲なので、1972年に聴いています。
気づいた方がいるかどうか?という気がしていますが、当初の Original Recordingとその後ヒットしたシングルバージョンとはアレンジが違うんですよ。よく聴かないとわかりません、何回も聴き倒した僕から言えばその差は大きいですね。まるで別な曲という気がします。
最初に紹介した動画が、その”Top Of The World” Original Recording, 1972です。
カーペンターズの楽曲は、僕の洋楽人生の入り口辺りに位置していまして、ポップスと言えば「カーペンターズ」というくらい聴きました。彼らには紹介しきれないくらい沢山の良い曲がありますし、僕もBest1は?と訊かれたら別の楽曲を挙げると思います。
しかし、「Top of the World」は本格的にカーペンターズを聴きこむきっかけとなった楽曲で、思い出の一曲でもあります。
ちなみに1973年のビルボードのBest1になった楽曲を以下に記載します。(なつかしい!!!)
1月: うつろな愛(カーリー・サイモン)
迷信(スティーヴィー・ワンダー)
2月: クロコダイル・ロック(エルトン・ジョン)
やさしく歌って(ロバータ・フラック)
3月: ラヴ・トレイン(オージェイズ)
4月: ジョージアの灯は消えて( ヴィッキー・ローレンス)
幸せの黄色いリボン(ドーン)
5月: サンシャイン(スティーヴィー・ワンダー)
フランケンシュタイン(エドガー・ウィンター・グループ)
6月: マイ・ラヴ(ポール・マッカートニー&ウイングス)
ギヴ・ミー・ラヴ(ジョージ・ハリスン)
7月: ラウンド・イン・サークルズ(ビリー・プレストン)
リロイ・ブラウンは悪い奴(ジム・クロウチ)
8月: モーニング・アフター(モーリン・マクガヴァン)
タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング(ダイアナ・ロス)
ブラザー・ルイ(ストーリーズ)
9月: レッツ・ゲット・イット・オン(マーヴィン・ゲイ)
デルタの夜明け(ヘレン・レディ)
レッツ・ゲット・イット・オン(マーヴィン・ゲイ)
アメリカン・バンド(グランド・ファンク)
10月:ハーフ・ブリード(シェール)
悲しみのアンジー(ローリング・ストーンズ)
夜汽車よ! ジョージアへ(グラディス・ナイト&ザ・ピップス)
11月: キープ・オン・トラッキン(エディ・ケンドリックス)
想い出のフォトグラフ(リンゴ・スター)
12月:トップ・オブ・ザ・ワールド(カーペンターズ)
朝やけの少女(チャーリー・リッチ)
タイム・イン・ア・ボトル(ジム・クロウチ)
カーペンターズ「Top of the World」の魅力を探る
カーペンターズの「Top of the World」は、幸福感と開放感を象徴する一曲として、世界中で愛され続けています。1972年のアルバム『A Song for You』に収録された後、1973年にシングルカットされ、ビルボードチャートで1位を獲得しました。以来、ラジオやCM、映画など、さまざまな場面で耳にする機会が多い名曲です。
この楽曲の特徴は、シンプルながらも洗練されたメロディラインと、カレン・カーペンターの澄み切ったボーカルにあります。作曲はリチャード・カーペンター、作詞はジョン・ベティスが手がけ、彼らならではの美しいハーモニーが際立っています。一見すると単純なラブソングに思えますが、実はカーペンターズの音楽的な工夫や、意外な背景が隠されているのです。本稿では、この楽曲の魅力を深く掘り下げ、リリース当時の時代背景や同時代の楽曲との比較を交えながら、その価値を考察します。
リリース当時の時代背景:日本と海外の音楽シーン
「Top of the World」がシングルとしてリリースされた1973年は、アメリカではベトナム戦争終結に向けた動きが活発化し、ウォーターゲート事件が政治を揺るがしていた時期でした。国内の不安定な社会情勢の中、人々は平和と安らぎを求め、音楽の世界でも心を落ち着かせるメロディが求められていました。
一方、日本では高度経済成長の真っ只中で、都市部を中心に消費文化が成熟しつつありました。洋楽はテレビやラジオを通じて広く紹介され、ビートルズ解散後もポール・マッカートニーやジョン・レノンのソロ活動、エルトン・ジョンやスティーヴィー・ワンダーといった新たなスターが続々と登場していました。
カーペンターズの音楽は、こうした時代の中で「心の安らぎ」を提供する存在でした。特に「Top of the World」のような明るく爽やかな楽曲は、社会の不安や変化の中で人々に癒しを与えるものとして、幅広い支持を得たのです。
カントリーとポップの絶妙な融合

「Top of the World」は、カントリー調の楽曲として制作されました。実際、カーペンターズが発表する前に、カントリー・シンガーのリン・アンダーソンがカバーし、カントリーチャートで成功を収めています。
オリジナル版はカントリー色が強かったものの、リチャード・カーペンターはシングル化するにあたり、ポップス寄りのアレンジに変更しました。ペダルスティール・ギターの響きを活かしつつも、カレンのボーカルには過度なエコーをかけず、ナチュラルな質感を維持。このバランスこそが、カーペンターズの楽曲が幅広い層に受け入れられた理由のひとつです。
また、1970年代初頭のアメリカでは、ロック、フォーク、カントリー、ソウルといったジャンルが互いに影響を与えながら発展していました。「Top of the World」は、カントリーとポップの融合の好例であり、ロックの隆盛とは異なるアプローチで成功を収めた点が興味深いところです。
カレン・カーペンターのボーカルの魅力と孤独
カレン・カーペンターの歌声は「クリスタル・ヴォイス」とも称されるほど透明感があり、多くのファンを魅了しました。しかし、その輝かしいキャリアの裏には、深い孤独と苦悩がありました。
カレンは極度のプレッシャーとストレスから摂食障害(拒食症)を患い、徐々に体重が減少していきました。当時、摂食障害に関する医学的理解は乏しく、彼女の体調悪化は周囲にも十分に認識されていませんでした。1983年、わずか32歳という若さで心不全により急逝。後に、拒食症が直接の死因につながったと診断されました。
彼女の死は世界中に衝撃を与え、アメリカ国内では摂食障害への関心が高まる契機となりました。「Top of the World」のような明るい楽曲を歌いながら、彼女自身は精神的な苦しみを抱えていたのかもしれません。このギャップこそが、カレンの歌に独特の切なさと深みを与えているのではないでしょうか。
まとめ:時代を超えて愛される理由
「Top of the World」は、シンプルな構成ながらも、聴く人の心を明るくする魔法のような楽曲です。爽やかなハーモニー、軽快なリズム、そしてカレン・カーペンターの澄んだ歌声が、いつまでも色褪せることなく人々の心に響き続けています。
しかし、その一方で、カレンが抱えていた苦悩を知ると、この曲の持つ輝きはさらに異なる意味を持って感じられるかもしれません。彼女は本当の意味で「Top of the World」にいたのか? その問いかけが、彼女の音楽の持つ奥深さをより際立たせています。
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