【2月20日】は、ウォルター・ベッカーの誕生日-『彩(エイジャ)』-(Steely Dan-スティーリー・ダン)を紹介!

今日は、ウォルター・ベッカー(Walter Becker)の誕生日です。

今日(2025.2.20日)は1950年生まれのウォルター・ベッカーの誕生日です。
残念ながら、2017年9月に亡くなられています。生きていれば、76才の誕生日でした。

ウォルター・ベッカー(英語: Walter Becker)は、アメリカ合衆国のジャズ・ロック・グループ、「スティーリー・ダン」の中心メンバーで、ギタリスト(ベースも担当する)、レコードプロデューサーとしても活躍しました。ニューヨーク市クイーンズ区出身です。
詳細はこちらからどうぞ!!

今日の紹介曲:『彩(エイジャ)』-(スティーリー・ダン)

このジャケットの表紙、大好きでした。モデルは日本人の山口小夜子さんという方です。

🎵 公式クレジット(YouTube公式より)
Steely Dan – “Aja”
Provided to YouTube by Universal Music Group
℗ 1977 Geffen Records / From the album Aja
Released: 1977-01-01

📘 2行解説
スティーリー・ダンの代表作にして、AOR史上屈指の名曲。ドナルド・フェイゲンの洗練されたメロディとスティーブ・ガッドの圧巻のドラムが神話的瞬間を生み出しています。
🎵 公式クレジット(YouTube公式より)
Donald Fagen – “Aja (Live with Steve Gadd)”
From Love Rocks NYC
Posted by Will Lee(bassist / musical director)
Featuring Donald Fagen (Steely Dan) and Steve Gadd (drums)

📘 2行解説
スティーリー・ダンの名曲「Aja」を、オリジナル録音の名ドラマー、スティーブ・ガッドが再演。
ドナルド・フェイゲンの緻密なアレンジと、ガッドの神がかったドラミングが奇跡的に融合しています。

僕がこの曲を初めて聴いたのは・・・♫

My Age 小学校中学校高校大学20代30代40代50代60才~
曲のリリース年1977
僕が聴いた時期

この曲を初めて聴いたのは、大学1年~2年生頃です。
この曲単体でも途轍もなくいい曲なんですが、真の良さを十二分に理解したいのなら、この曲を含めたアルバム『彩(Aja)』として絶対に聴くべきです。アルバムとしての完成度が素晴らし過ぎます。

『洗練された音』と呼ぶのに、これほどふさわしいアルバムには出会ったことがありません(>_<)

スティーリー・ダンの『彩(エイジャ)』 ー 音楽の到達点と隠された魅力

スティーリー・ダンの楽曲『彩(エイジャ)』は、1977年のアルバム『Aja』のタイトル曲であり、ジャズ、ロック、フュージョンを見事に融合させた音楽の到達点とも言える作品です。その洗練された音楽性と深みのある歌詞、そして高度な演奏技術により、多くのリスナーを魅了し続けています。本記事では、この楽曲の構造や背景、さらにはあまり語られない逸話に至るまで、多角的に掘り下げていきます。


楽曲の構造と音楽的革新

『彩(エイジャ)』は、スティーリー・ダンらしい洗練されたサウンドを象徴する一曲です。楽曲は大きく二部構成となっており、シンプルながらも緻密なメロディーが展開される前半と、ジャズ的な即興演奏が際立つ中盤、そして壮大なクライマックスへとつながる後半へと続きます

特に注目すべきは、リズムの独特な変化と和音の転回です。スティーリー・ダンは、ジャズのモーダルなアプローチとロックの躍動感を融合させ、時折変拍子を織り交ぜながら、流れるような美しいコード進行を作り上げています。実際、一部の音楽学者たちはこの曲のハーモニーを数学的に解析し、「偶然の産物ではなく、精密な計算に基づいて構築された音楽」と評価しています。

また、スタジオでの録音プロセスにも妥協はなく、スティーリー・ダンは100回以上のテイクを重ね最も完璧なフレーズを選び抜いたと言われています。その結果、どのパートも無駄なく、隅々まで磨き上げられたサウンドになっているのです。


セッション・ミュージシャンの妙技と伝説

『彩(エイジャ)』の完成度の高さを支えたのはスティーリー・ダンが起用した超一流のスタジオ・ミュージシャンたちです。特に、ドラムのスティーブ・ガッドの演奏は伝説的なものとなっています。彼の驚異的なテクニックとセンスが光るドラムフィルは、リリース当時から「ジャズドラムの最高峰」と称され、後のミュージシャンたちに大きな影響を与えました。

さらに、ウェイン・ショーターのサックスソロも聴きどころの一つです。彼の演奏は、フリージャズ的な即興性と、楽曲のメロディアスな側面を両立させる絶妙なバランスを持っています。スティーリー・ダンは当初、何人ものサックス奏者にこのパートを試させましたが、最終的にショーターの演奏に落ち着いたのは、彼が持つ独特の「深み」が楽曲の雰囲気に合致していたからだと言われています。

実は、アルバム制作中に採用されなかった未発表テイクも多く存在し、ファンの間では「幻のバージョン」の存在が語り継がれています。これらの音源が公式にリリースされる可能性は低いものの、スタジオでの試行錯誤がいかに入念だったかを示す逸話の一つとなっています。


歌詞の多義性 ー 旅と自己探求の物語

『彩(エイジャ)』の歌詞は、スティーリー・ダンらしい象徴的な表現に満ちています。一見するとラブソングのようにも思えますが、実際には「旅」や「自己探求」をテーマにした物語であるとも解釈できます。

特に、“Aja when all my dime dancing is through, I run to you.” というラインには、安息の地を求める心情が込められていると考えられます。この「彩(エイジャ)」という名前の由来については諸説ありますが、東洋的な響きを持つことから、日本やアジア文化への憧れが影響している可能性も指摘されています。

また、当時のアメリカ社会における消費主義への批判や、ジャズミュージシャンとしての生き方に対する葛藤を反映しているとも言われます。このように、多層的な解釈が可能な歌詞こそが、スティーリー・ダンの音楽の奥深さを象徴しているのです。


1970年代のアメリカと『エイジャ』

『彩(エイジャ)』がリリースされた1977年は、アメリカ社会が大きく変化していた時代でもありました。冷戦の影響が色濃く残り、経済不安や社会の分断が進むなか、人々の価値観も多様化していました。そんな時代背景のもと、スティーリー・ダンの音楽は、一種の「都会の孤独」を描き出していたのかもしれません。

アルバム全体を通しても、彼らはアメリカの現代社会に対するアイロニカルな視線を持ちつつ、それを極上のサウンドに昇華させていますまさに、『エイジャ』は単なる音楽作品を超えた「時代の記録」とも言えるでしょう。


隠された逸話と制作秘話

『彩(エイジャ)』に関する逸話として、レコーディング中にメンバーが「完成したら朝日を見に行こう」と約束していたという話があります。これは、徹夜でのレコーディングが続いたため、完成後にリフレッシュするための小さな儀式だったとされています。このような話からも、彼らがどれほど楽曲に情熱を注いでいたかが伺えます。

また、一部のファンの間では「隠された音」があると噂されています。スタジオの窓から聞こえた遠くの汽笛の音や、偶然マイクが拾ったノイズが楽曲の一部として残されているというのです。真偽のほどは定かではありませんが、こうした都市伝説的な要素もまた、この楽曲の神秘性を高めています。


まとめ ー 『彩(Aja)』の不朽の魅力

『彩(エイジャ)』は、単なるヒット曲ではなく、音楽理論の粋卓越した演奏技術社会的メッセージが融合した総合芸術作品です。その緻密な構造や詩的な歌詞、そして極限まで洗練されたサウンドは、今なお新たなリスナーを惹きつけ続けています。

スティーリー・ダンの完璧主義が生み出したこの楽曲は、時代を超えて愛され、さまざまな解釈を生み出してきました。『彩(エイジャ)』は単なる一曲ではなく、音楽という普遍的な言語を通じて私たちに語りかける、時代を超えたメッセージなのかもしれません。

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