🎸僕の勝手なBest25【レッド・チェッペリン編】-第5位『Good Times Bad Times』をご紹介!

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🎸【レッド・チェッペリン編】第5位は・・・・

第5位は、1969年のデビュー・アルバムの幕開けを飾り、ロックの歴史に不可逆的な変化をもたらした衝撃の「宣戦布告」、『Good Times Bad Times(グッド・タイムズ・バッド・タイムズ)』です。

このブログを立ち上げて1年と3か月。ほぼ毎日更新を続けてきた歩みの根底には、中学・高校時代からの熱情、そして世田谷区東松原の質素なアパートで過ごした大学時代の4年間があります。第5位という重要な地点で再び僕の意識を強く揺さぶっています。

この曲は、単なる1曲目ではありません。後に巨大な飛行船となる彼らが、世界に対して提示した精密な「設計図」そのものです。3分弱という時間の中に詰め込まれた過剰なまでの技巧と、それを覆い隠すほど鮮烈な「ポップ感」。第5位という位置にふさわしい、ツェッペリンという「爆心地」の正体に迫ります。

【超約:運命の律動と設計図】

若さゆえの焦燥と、抗えない運命の奔流。
「良い時もあれば、悪い時もある」という古びた格言を、
鋼鉄の秩序と、容赦ないリズムで再構築した覚醒の記録。
それは、感傷を焼き払い、自らの足で歩き出すための力強い第一歩です。


🎥 まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源)
楽曲名:Good Times Bad Times(グッド・タイムズ・バッド・タイムズ)
アーティスト:Led Zeppelin
収録アルバム:Led Zeppelin I(1969年)
作詞・作曲:Jimmy Page / John Paul Jones / John Bonham
音源:リマスター版(公式オーディオ)

2行解説 伝説の始まりを告げる2分46秒の衝撃。この短い時間の中に、ロックの概念を根底から覆す革新的なアンサンブルが、これ以上ないほど濃密に凝縮されています。

🎬 公式動画クレジット(ライブ音源)
楽曲名:Good Times Bad Times
アーティスト:Led Zeppelin
ライブ:Live at the O2 Arena(2007年) 収録作品:Celebration Day(祭典の日)

2行解説
2007年の再結成ライブのオープニングを飾った圧巻のパフォーマンス。30年近い沈黙を破り、再び動き出した巨大なエンジンが放つ重厚な響きは、不変のエネルギーの証明です。

💡 ちょっとしたチップス
この2007年のライブ音源を聴いて、デビュー当時のプラントとはまるで別人ではないか、と驚かれた方もいるかもしれません。1969年から38年という歳月を経て、若き日の「黄金の神」は、深みと渋みを湛えた熟練のブルースマンへと進化を遂げました。

そして何より、背後で力強くビートを刻んでいるドラマーの姿を想像してみてください。演奏しているのは、1980年に急逝したジョン・ボーナムの愛息子、ジェイソン・ボーナムです。亡き父の椅子に座り、その魂を継承するかのように叩き出される三連符。父から子へ、そして現在へ。「良い時も悪い時も(Good Times Bad Times)」、彼らの物語は終わることなく続いている。その事実に、僕は深い感動と、拭い去れない敬意を覚えずにはいられません。


1969年、秩序という名の「ポップ感」が生まれた瞬間

1960年代後半、当時のブリティッシュ・ロック・シーンを覆っていたのは、サイケデリックの幻想的な揺らぎや、モッズたちの軽快なステップでした。しかし、この『Good Times Bad Times』の冒頭で放たれた「ジャーン、ジャーン!」という二発の和音は、それまでの「ロックの常識」を一瞬にして過去のものにしました。

サイケデリックの霧を焼き払った、硬質な一撃

この曲に感じるのは、単なる大音量の暴力ではなく、驚くほど洗練された「ポップ感」です。3分弱という、ラジオフレンドリーな形式の中に詰め込まれた、過剰なまでの技巧。それは大衆に迎合するための「ポップ」ではなく、複雑な革新性を「明快な設計図」として提示できる、彼らの並外れた客観性の証拠でもあります。

東松原の部屋で、畳に座り込んでこの曲と対峙していた僕は、その冷徹なまでの機能美に、唖然としていました。そこには、混沌とした時代に終止符を打ち、全く新しい秩序を打ち立てようとする、若き4人の「意志の塊」が宿っていたからです。(盛りすぎてますね!(^^)!)

ジョン・ボーナムの右足:ロックの「歩幅」の革命

本作の白眉は、何と言ってもジョン・ボーナムによるバスドラムの高速三連符です。

一台のバスドラムが塗り替えた物理法則

当時の多くのドラマーたちが「ツイン・ペダルを使っているに違いない」と断定したという逸話は有名ですが、事実は、彼が右足一本で、人間の身体的限界を超えたビートを叩き出していたというものでした。

しかし、ここで強調したいのは、技術の凄絶さ以上に、このリズムがロックという音楽の「歩幅」を根本から変えてしまったという事実です。それまでの軽やかなステップは、重戦車が全速力で疾走するような、圧倒的な「推進力」へと書き換えられました。彼のリズムは単なる伴奏ではなく、楽曲の骨格を鋼鉄で補強し、聴き手の意識を強制的に未来へと引き摺り込むための「不可避な力」だったのです。

「良い時も悪い時も」進み続けるための律動

あの東松原のアパートの薄い壁越しにこの音を浴びていたとき、僕はそこに「抗えない運命の足音」のようなものを感じていました。ボーナムのビートは、歌詞が描く「人生の浮沈」を単なる感傷に留めず、「自らの足で地面を蹴り、進み続けるしかない」という、言葉以前の、生存のための決意として響いてきました。

ペイジとジョーンズが描く「空間の支配」

ボーナムの爆発的なビートの上で、ジミー・ペイジは魔法を仕掛けます。

レスリー・スピーカーが切り開いた音響の奥行き

ギターソロにおいて彼が導入したレスリー・スピーカー(回転式スピーカー)による音の揺らぎは、硬質なリフの応酬に、突如として幻想的な「光と影(Light and Shade)」をもたらしました。

これは単なるエフェクトの使用ではありません。ペイジは音が「空間をどう支配するか」を徹底的に計算していました。鋭利な衝撃と、水面で揺れる光のような浮遊感の同居。それこそが、後のツェッペリンが築き上げる「音響寺院」の礎となったのです。

音楽的バラスト:ジョン・ポール・ジョーンズの知性

この「奇跡の衝突」が空中分解せずに済んだのは、ジョン・ポール・ジョーンズという「知性のバラスト(底重り)」が存在したからです。ボーナムの三連符と寸分の狂いもなく同期しつつ、要所ではメロディアスに歌う彼のベースライン。目立たずとも、そこにいなければすべてが崩壊する。その確かなプロフェッショナリズムが、この曲に「工芸品」としての秩序を与えています。

ロバート・プラント:新しい時代の「叫び」

この強固なアンサンブルに、血の通った「体温」を吹き込むのが、ロバート・プラントの存在です。

楽器としての歌声、焦燥としての言葉

デビュー当時のプラントは、後の「ロックの神」としての威厳よりも、焦燥感を抱えた一人の青年としての瑞々しさが際立っています。彼のボーカルは、他の3人が作り上げる音の壁に埋もれることなく、むしろその一部(楽器)として機能しています。(レッド・チェッペリンを聴くときに、心底そう思います

「Good Times, Bad Times…」というリフレイン。それは感傷的な告白ではなく、荒れ狂うアンサンブルの中で放たれる、一つの「現象」のような響きを持っていました。彼が提示したのは、歌詞の意味を超えた「叫びそのものの説得力」であり、それがロックにおけるボーカリストの定義を書き換えてしまったのです。

第5位という「誇り高き原点」

なぜこの曲が、この位置にあるのか。それは、この曲がレッド・ツェッペリンというバンドが持つ「身体性」「音響設計」「知性」「衝動」のすべてを、最も純粋な形でパッキングした設計図だからです。

なぜ「この順位」なのか

25位から始まったこの旅路において、11位までは彼らの「多様性」を、10位以降は「本質」を紐解いてきました。そして、いよいよトップ4という、ロックの神殿へと続く階段の入り口に立った今、僕たちはこの「原点」に立ち戻る必要がありました。

終わりのない旅の、始まりとしての3分間

1年3か月、ほぼ毎日言葉を紡いできた僕にとって、この曲は「持続することの意味」を問い直させてくれる存在でもあります。良い時もあれば、悪い時もある。しかし、そのすべてを自らの糧として、新しい設計図を描き続けること。

東松原のあの部屋でレコードを裏返していた日々から、長い年月が経ちました。女性を愛し、孤独を知り、音楽という名の海を泳ぎ続けてきた今の僕の目には、この曲は単なる過去の遺産ではなく、今なお火花を散らして回転し続ける、現在進行形の衝撃として映っています。

終わりに:次なる深淵、トップ4へ

レッド・ツェッペリンという伝説は、ここから始まりました。彼らが最初に放ったこの矢は、半世紀以上の時を超えてもなお、その速度を落としていません。

第5位にこの曲を置いたのは、僕たちが次に向かう「トップ4」の頂を、より鮮明に見渡すためでもあります。いよいよ、言葉で語ることさえ畏れ多い、あの深淵なる領域へと足を踏み入れます。

次なる順位、第4位。
そこには、ロックという枠組みさえも超越した、ある「到達点」が待ち受けています。


(第5位『Good Times Bad Times』 完)

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