■【レッド・チェッペリン】について、詳しくはこちら・・・・➡ 🎈(Zeppelin)
🎧 ナレーションで聴く
この記事は、約3分の音声ナレーションでもお聴きいただけます。
第16位「Immigrant Song(移民の歌)」が持つ、
一瞬で状況を立ち上げる鋭さと、前へ進み続ける推進力を、
文章の流れに沿って静かにたどっていきます。
読む前の導入として、あるいは読後の確認として、気軽にお聴きください。
🇯🇵 日本語ナレーション
🇺🇸 English narration
🎸【レッド・チェッペリン編】第16位『移民の歌』です。
第16位は、『Immigrant Song(移民の歌)』です。
レッド・チェッペリンの楽曲を語る場面で、この曲の名前が出てこないことは、ほとんどありません。
短く、鋭く、冒頭の一声だけで状況が立ち上がる。
そうした意味で、この曲は「説明を必要としない存在」だと思います。
一方で、Best25という枠の中に並べたとき、この曲をどこに置くかは、意外と簡単ではありませんでした。
あまりにも象徴的で、あまりにも完成されているからです。
あまりに端的で、しかも短い。
その完成度の高さは疑いようがありませんが、Best25という枠の中で並べたとき、ほかの曲とは少し異なる扱いをせざるを得ない性質を持っているように感じています。
超約
この曲で描かれているのは、ある集団が故郷を離れ、新たな土地へ向かって移動している途中の状況です。
そこには高揚や自信だけでなく、不安定さや緊張も混ざり込んでいます。
物語は進行の最中で提示され、結果や結末は語られません。
そのため、この曲は「出来事の核心」ではなく、「動き出している状態」そのものを切り取ったような構造をしています。
🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。
🎬 公式動画クレジット(公式音源)
曲名:Immigrant Song(Remaster)
アーティスト:Led Zeppelin
収録作品:『Mothership』
形態:公式リマスター音源(オフィシャル・オーディオ)
権利表記:℗ Atlantic Recording Corporation / WEA International
2行解説
北欧神話をモチーフにした歌詞と、切り裂くようなシャウトが際立つハードロックの金字塔。
リマスター版では、重量感あるリフとリズム隊の迫力がより鮮明に蘇っている。
🎬 公式動画クレジット(公式音源)
曲名:Immigrant Song(移民の歌)
アーティスト:Led Zeppelin
収録映像:ライブ映像(1972年)
公式:Led Zeppelin 公式YouTubeチャンネル公開
🎼2行解説
北欧神話を想起させる歌詞と、ロバート・プラントの叫ぶような高音シャウトが強烈な代表曲。
1970年代初頭の荒々しいライヴ演奏が収められ、バンドが巨大化していく過程を象徴する映像。
対象曲の基本情報を整理してみます
今回扱う曲について
- アーティスト名:Led Zeppelin
- 曲名:Immigrant Song(移民の歌/Remaster)
- 収録アルバム:Led Zeppelin III
- リリース年:1970年
この曲はアルバムの冒頭に配置され、聴き手を一気に別の場所へ連れ出します。
再生された瞬間から状況が立ち上がり、説明よりも先に動きが提示される点は、このバンドの楽曲の中でも特に分かりやすい特徴だと言えるでしょう。

基本情報
『Immigrant Song』は、1970年発表のアルバム『Led Zeppelin III』の冒頭に置かれています。
再生した瞬間、説明よりも先に状況が現れる。
その配置は、この曲の性格を非常によく表しています。
このアルバム自体、ひとつの方向に収束しきらない作品です。
激しさと静けさ、外へ向かう衝動と、内へ沈み込む視線が混在している。
その中で『Immigrant Song』は、アルバムの内面を語るというより、場の空気を一気に切り替える役割を担っているように見えます。
人物よりも「状況」が前に出る
この曲には、特定の人物の内面や変化は描かれていません。
焦点が当てられているのは、あくまで「置かれている状況」です。
だから聴き手は、誰か一人に感情移入するというより、進行中の出来事を、少し引いた場所から眺める立場に置かれます。

この距離感が、曲の鋭さを保っている。
同時に、感情が過剰に膨らむことを防いでもいる。僕にはそう感じられます。
音としての構造
構成は極端に整理されています。
繰り返されるリフ、明確なリズム、装飾を排した展開。
細かな変化よりも、推進力そのものが前に出る構造です。
結果として、音は強く主張しますが、聴き手の意識は散りません。
前へ進んでいる、という感覚だけが残る。

この「迷いのなさ」は、レッド・チェッペリンの楽曲群の中でも、かなり特異な性質だと思います。
結果を語らないという選択
物語として見たとき、『Immigrant Song』は非常に割り切った形をしています。
途中経過だけが提示され、その先に何が待っているのかは語られません。
今回レッド・チェッペリンの楽曲を紹介していますが、不思議とこのような内容の曲が多い気がしています。
勝利なのか、衝突なのか、あるいは消耗なのか。
そうした評価は、最初から曲の外に置かれています。
そのため、聴き終えたあとに残るのは、感情の整理ではなく、状況を一瞬見渡したような感覚です。
この距離の取り方があるからこそ、曲の強度が過剰にならず、一定の鋭さを保っている。
僕はそう受け取っています。

僕自身との距離
長く聴いてきましたが、この曲に対する印象が大きく変わったことはありません。
いつ聴いても、ほぼ同じ輪郭で立ち上がり、同じ速さで通り過ぎていく。
それは決して悪い意味ではありません。
むしろ、この曲が非常に完成された形で定まっている証でもあります。
ただし、僕自身の変化に合わせて、表情を変えてくるタイプの曲ではない。
その感覚も、同時に残りました。
なぜ第16位なのか
再検討の末、僕はこの曲を第16位に置きました。
理由は単純で、この曲は「評価が高いから自然に上へ行くタイプ」でも、「距離があるから後ろへ回すタイプ」でもないと感じたからです。
象徴性は極めて高い。
完成度にも迷いはありません。
ただし、この曲は長く腰を落ち着けて聴き込む存在ではなく、流れを一気に切り替える力を強く持っています。

強度を正当に受け取りつつ、その性質がいちばん無理なく働く場所。
そう考えた結果、ここに落ち着きました。
確認するための曲
僕にとって『Immigrant Song』は、何度も立ち返って、新しい意味を掘り当てる曲ではありません。
むしろ、節目ごとに「ここにある」「変わっていない」と確かめるための音です。
聴くたびに印象が揺れたり、時間とともに距離が縮まったりするタイプではない。
それでも、鳴った瞬間に状況が立ち上がり、場の空気を一気に切り替える力は、いつも同じ輪郭で現れます。
その性質があるから、中心に据えるよりも、要所で流れを切り替える存在として置いておきたい。
僕の中では、そういう付き合い方が自然でした。

最後に
『Immigrant Song』は、説明しやすいようでいて、説明しすぎると輪郭が鈍る曲です。
象徴的で、完成度が高く、誰もがすぐにイメージを共有できる。
だからこそ、評価を強く打ち出すと、かえって音そのものから離れてしまう気がします。
この曲には、「理解する」よりも先に、「状況が立ち上がる」感覚がある。
その感覚が、ほかの曲との関係の中で自然に働く場に置いておきたかった。それが、今回の結論です。
ここで一つ紹介します―Greta Van Fleet!
10年ほど前ですが、この曲をふと耳にして驚いたことがあります。ロバート・プラントではないが、声も演奏もとても良く似ている。チェッペリンが歌っているのか??と。
それが以下の画像にリンクを貼っている『Greta Van Fleet!』が歌う、「Immigrant Song」だったのです。とにかく聞いたことのない方はぜひ聞いてみてください。

Led Zeppelin 本家公式動画との対比
Led Zeppelin の公式音源では、
音そのものが動かしがたい重さを持ち、
一音一音が時間を固定していくように響きます。
それに対してこのカバーでは、
曲が再び「動いているもの」として立ち上がってくる感触が強く感じられます。
🎤 Greta Van Fleet 文脈
なぜ Led Zeppelin と比較されるのか
Greta Van Fleet が Led Zeppelin と比較されるのは、
単に音が似ているからではありません。
ロックがまだ「身体で鳴っていた時代」の語法を、
ほとんど無意識のまま継承しているからです。
このカバーは、そのことをとても分かりやすく示しています。


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