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🎸【カーペンターズ編】第3位『雨の日と月曜日は』です。
第3位は『雨の日と月曜日は(Rainy Days And Mondays)』です。
タイトルが好きです! しっとり感と、少しけだるく重い雰囲気。
サラリーマン時代は、多くの方がそうであるように、月曜日というだけで少し憂鬱な気分になりますね。それに雨が加わるとなおさらでした。
この曲は、重たさを抱えた主人公の視点を、淡々とした進行で描く独特のバラードです。
悲しみを強調するのではなく、感情の動きが鈍くなる“停滞した時間”が中心に据えられており、雨や月曜日といった象徴的な背景がその気分を静かに押し広げます。カレンの透明感のある声が、沈んだ空気に整理を与えることで、曲全体が規律正しく進むように感じられます。

超約
この曲の主人公は、物事が順調に進まない日々の中で、自分の気持ちに置き場所を見つけられずにいます。
心の重さを抱えた状態で日常を過ごすうち、孤独の感触が強まり、時間の流れが鈍く感じられます。
そんな中でも、自分を理解してくれる人物の存在が、沈んだ気分から抜け出す唯一の手がかりになります。
雨や月曜日は、その停滞した心の動きを背景として象徴的に浮かび上がっています。
🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。
🎬 公式動画クレジット(公式音源) Provided to YouTube by Universal Music Group Carpenters – Rainy Days And Mondays · ℗ A&M Records 🎼2行解説 ① 1971年の名曲で、カレンの低く温かい声が“ブルーな月曜”の気分を淡々と描く一曲。 ② ソフトロックとオーケストレーションが混ざり合い、静かに沈みつつも前向きさを残す独特の空気を作っています。
リリース/収録アルバム
『Rainy Days And Mondays』は 1971年5月 にシングルとして発表されました。
収録アルバムは同年の 『Carpenters』。
このアルバムは彼らのキャリアを決定づけた作品で、『Superstar』『For All We Know』など、陰影のある名曲が集中しています。
楽曲提供は、外部ライターとして名高い ポール・ウィリアムズ & ロジャー・ニコルズ。
音の起伏を抑えたメロディと、湿度のあるコード進行が組み合わさり、カーペンターズ作品の中でも“静かに沈むタイプ”の曲として特徴づけられています。
チャートと時代背景
アメリカの Billboard Hot 100で2位。
1970年代初頭は、静かなバラードがチャートで強かった時代で、カーペンターズの“穏やかな陰”の存在感が一気に定着していきます。

明るい曲よりも、こうした湿り気を帯びた作品のほうが高い支持を集めていたこともあり、ヒットは必然とも言える状況でした。
のちに多くのシンガーがカバーし、日常の沈滞を象徴する曲としても認知されています。
曲のテーマと世界観
主人公の背景
主人公は、気分が晴れない日が繰り返し訪れ、何をしても気持ちが整わない状態にあります。
自分の努力とは関係のないところで心が沈み、その沈みが蓄積していることも理解しているため、焦りよりも諦めに近いトーンが漂います。

ここで描かれるのは、劇的な悲しみではなく“抜け道のない停滞”。
時間が前に進んでいる感覚が弱く、景色の温度も均質なまま推移していきます。
この停滞感が、曲全体の空気をつくる重要な要素になっています。
物語の導入
歌詞の導入部では、主人公が自分の心の重さを冷静に把握しているにもかかわらず、その状況から抜け出せない戸惑いが描かれます。
気持ちの停滞が長引く中で、周囲の景色や時間の流れが平板に感じられ、日常のリズムも乱れていきます。
雨と月曜日という象徴が、この停滞の感覚を背景として強調します。
感情の波が大きく動かないぶん、カレンの声の“正確さ”がさらに生き、聴き手の目線は自然と主人公の内側へ引き寄せられます。外側の風景よりも、心の重さが中心に置かれている構成です。

歌詞の核心部分と解釈
象徴的なフレーズ
この曲で印象的に機能しているのが、主人公が沈んだ気持ちを自覚しつつも、行動に結びつけられない姿です。
その状態を象徴するために、作詞家は日常的で誰にでも経験がある光景を選びました。雨、そして月曜日。どちらも“気分の重さが増す象徴”として、文化圏を問わず共有されているモチーフです。
歌詞の中盤には、主人公が「自分の気持ちを誰かに話す必要は感じない」という姿勢を見せる部分があります。短い引用ですが、ここに曲の核心が凝縮されています。
“Talk it out”(話せばいいのに…の意)
しかし主人公はその提案を受け止めながらも、気持ちの重さを言語化する行為に踏み出しません。
“話すべきだと理解している自分”と、“その気力がわかない自分”。
このねじれが、曲の陰影をつくり出しています。

主人公の心理変化
主人公の心情には大きな劇的変化はありません。
むしろ、気持ちの重さがじわじわと積み重なり、解消の糸口が見えないまま一日が過ぎていくような感覚が中心です。
ただ、後半になるともう一つの柱が現れます。
それは「自分を理解してくれる誰か」の存在です。
雨で沈んだ気持ちが晴れるわけではないものの、主人公はその人物に“救いの可能性”を見ています。
その相手の存在との対比によって、主人公の孤独が具体的に描かれ、物語に立体感が生まれています。
この視点の変化は、曲がただの“憂うつソング”として終わらない理由でもあります。

サウンド/歌唱の魅力
アレンジの特徴
アレンジは、カーペンターズ作品の中でも特に整理された構造を持っています。
ギターとエレクトリック・ピアノを中心に据えたシンプルな編成で、余分な音を積極的に排しています。

構造的な特徴は次の通りです。
- コード進行が横に流れるように設計され、場面転換が穏やか
- ブラスもストリングスも控えめで、曲の湿度を適度に維持
- 低域を重ねすぎないことで、気分の沈みが強調されすぎない
- 中間部のハーモニーは短く、主人公の孤独感をかき消さない
突出した表現を避け、淡々と進行する音作りが、雨と月曜日の気分と一致するよう緻密に調整されています。
カレン・カーペンターの歌唱
カレンの声はこの曲で特に本領を発揮しています。
響きは落ち着いており、抑揚の幅は広くありません。しかしその“幅の狭さ”こそが、主人公の停滞した心の状態に自然に重なります。
発声の芯が揺れず、言葉の置き方が丁寧に揃っているため、沈んだ気分が誇張されないまま伝わります。
この「整った歌い方」が、逆に主人公の混乱や孤独感を際立たせています。
カレンの声質がなければ成立しにくい曲だと言われるのも、この構造が理由です。
Best3に入る理由
他曲との差別化
今回、第3位に選んだ理由は、カーペンターズが得意とする“静かな陰影”の表現が最も精密に成立しているからです。
例えば『Superstar』のような劇的な悲しみとも違います。
『Goodbye to Love』のような大きな盛り上がりもありません。
この曲にあるのは、「言葉にならない沈み」と「小さな救い」の対比だけです。
それが非常にリアルで、時代を問わず聴き手の心に残り続けます。
また、英国圏では1970年代以降、雨に関する曲が共感を呼ぶ文化的背景があります。
“Rainy Days”という言葉自体が、憂うつの象徴として日常化しているため、英語圏リスナーの感覚とも極めて相性が良いのです。

読者が聴き直したくなる一言
主人公は気分の重さと向き合いながら、一人だけでは抜け出せない時間を過ごしています。
その閉じた感覚が、カレンの声を通すことで一層静かな説得力を帯びます。
聴き返すたびに、「なぜこんなにシンプルで、こんなに深いのか?」
と感じる曲です。雨の日や、週の始まりの朝に聴くと、曲に込められた空気がより鮮明に伝わってきます。



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