🎸僕の勝手なBest20【カーペンターズ編】-第1位『Yesterday Once More』をご紹介!

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🌈 優しさで世界を変えた兄妹 ― カーペンターズという奇跡💛

🎸【カーペンターズ編】第1位『Yesterday Once More』です。

第1位は 『Yesterday Once More』 です。

名曲ですが、そう呼ばれなくても誰が何と言おうと僕の中のNO1です。

70年代ポップスを語る上で、この曲を外すことはまずありません。誰にとっても共通する“懐かしさ”の情景を、カレンの声とリチャードのアレンジが普遍的な形にまで引き上げた名曲です。過去の音楽がふと蘇る瞬間が、なぜこんなにも切実に胸へ返ってくるのか。この曲は、その理由を音楽そのものの力で示してくれます。

超約

主人公は、かつて聴いていた音楽の世界に再び触れたことで、忘れていた出来事や感情が鮮明に戻ってくる体験をしています。その思い出には喜びも切なさも入り混じり、過ぎた時間の尊さを静かに見つめています。古い曲の一つ一つが、当時の自分に再会させてくれる“窓”として機能しており、音楽が心の史料として働く様子が描かれています。過去に触れることは単なる懐古ではなく、今の自分を形づくった軌跡を確認する行為にもなっています。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源)
【Official Credit】
Provided to YouTube by Universal Music Group
“Yesterday Once More” – Carpenters
From the album Gold – Greatest Hits
🎼2行解説
1973年発表の代表曲を、レーベル公式音源で楽しめる一枚です。
カレンの声の魅力とリチャードの構築した世界観がもっとも鮮明に伝わるバージョンです。

曲の基本情報

リリース/収録アルバム

『Yesterday Once More』は 1973年、アルバム 『Now & Then』 に収録されました。カーペンターズの作品の中でも特に代表的な1曲で、アルバム全体を貫く「思い出のラジオ番組」というテーマを象徴する存在になっています。
この曲がリリースされる頃、アメリカの音楽界では過去のヒット曲を再び取り上げる“オールディーズ回帰”の動きが活発でした。カーペンターズはその潮流を、ただの懐古ではなく、緻密なアレンジと透き通る歌唱で現代的に再構築しています。

チャートと時代背景

シングルとしてリリースされた本作は、アメリカの Billboard Hot 100で2位 を記録し、世界中でロングヒットを続けました。当時のラジオ文化は、リスナーが好きな曲を繰り返し聴き、記憶と音楽が強く結びついていた時代でもあります。
この曲が“懐かしいのに新しい”と感じられた背景には、そんな70年代初頭の音楽環境があり、聴き手の日常に自然に溶け込んでいく親和性がありました。


曲のテーマと世界観

主人公の背景

主人公は、幼い頃に夢中で聴いていた曲を久しぶりに耳にし、その瞬間に過去の情景が一気によみがえる人物として描かれています。懐かしい曲を聴くことで、当時の部屋の匂いや気持ち、環境までもが鮮やかに蘇る──そんな体験は多くの人が共感できるものです。

この曲の主人公は、単に“懐かしい”と感じているだけでなく、思い出の音楽が現在の自分と向き合わせてくれる存在として機能しています。過去の時間が現在に重なり、音楽が人生の記憶装置として力を発揮する瞬間を、物語の軸として捉えることができます。

物語の導入

導入部では、主人公が若い頃にラジオを楽しみにしていた日々が語られます。お気に入りの曲が流れると、自然と声を合わせて歌っていた──そんな日常の記憶が、聴き手にとっても“自分の体験”のように感じられる描写です。
また、

“Every sha-la-la-la”

などのごく短い擬音的フレーズ
は、主人公の記憶に刻まれた「当時の流行曲の象徴」として扱われています。
これらは具体的な曲名ではなく、“あの頃の音楽らしさ”を象徴するモチーフのような役割を担っており、思い出の“形のない共通点”として機能します。

導入は、聴き手が持つ個々の経験と主人公の記憶とが自然に重なり合うよう設計されており、ここで早くもこの曲の普遍性が立ち上がります。


歌詞の核心部分と解釈

象徴的なフレーズの役割

ここからは、歌詞における象徴的なフレーズがどのように機能しているのかを掘り下げます。
本作でたびたび登場する

“sha-la-la-la”
“wo-o-wo-o”

これらは特定の曲を指しているわけではなく、60年代前後のポップスに共通する“親しみやすい響き”そのものを象徴しています。主人公にとってそれは、歌詞の意味以前に、当時の空気・雰囲気・自分の感情に直結する“記憶の鍵”として働く存在です。

また、別の箇所では失恋ソングの一節に触れる場面が描かれます。過去に聴いた悲しい曲に触れた瞬間、主人公は“以前と同じ場所”に心が戻っていく。これは、音楽が記憶の層を深く刺激し、喜びも痛みも等しく呼び起こす働きを持つことを示しています。

主人公の心理変化

前半では「懐かしい記憶がよみがえる明るい感覚」が中心でしたが、後半では心理の動きがもう少し複雑になります。思い出の曲の中には、嬉しい出来事だけでなく、心を揺さぶった出来事も含まれており、主人公はその両方を受け止めています。

興味深いのは、主人公が過去に“戻りたい”わけではなく、過去をきっかけに今の自分の立ち位置を確認している点です。思い出が鮮明に戻っても、その記憶と距離を取りながら現在の自分を客観的に見つめる。曲の終盤で描かれる「変わってしまったものへの寂しさ」は、その心の成熟を浮き立たせます。


サウンド/歌唱の魅力

アレンジの特徴

『Yesterday Once More』のサウンドは、リチャード・カーペンターの“引き算による美学”を象徴しています。余計な音を足すのではなく、旋律と声が最も美しく聞こえる帯域を丁寧に整えるという手法が徹底されています。

イントロのエレクトリック・ピアノは柔らかく、ドラムは控えめながらも芯がある。そこにストリングスが穏やかに重なり、聴く側の意識を自然とカレンの声に集中させる役割を果たしています。

そして特筆すべきは、曲の中盤以降に登場する“オールディーズ風メドレー”につながる布石としてのサウンド設計です。
本作の後半は、アルバム『Now & Then』で展開されるレトロ風メドレーの“扉”となる設計になっており、アレンジはその流れに向けて徐々に60年代の音像に寄っていきます。自然な変化に見えながら、極めて緻密に組み込まれた構成です。

カレンの歌唱が持つ説得力

カレン・カーペンターの声は、本作において特別な意味を持ちます。彼女の低めのハスキーな響きは、明るさの中に静かな影を帯びており、懐かしさと切なさの“両方を同時に成立させる”稀有な声質です。

たとえば、主人公が昔の失恋ソングを思い出す一節。歌そのものは淡々と進行しますが、カレンの声の陰影が、その感情の深さを自然に補強します。過度な表現に頼らず、声の質感だけで過去の情景を引き出せるのは、彼女ならではの強みです。


Best1に選んだ理由

他曲との差別化ポイント

カーペンターズには名曲が数多くありますが、『Yesterday Once More』はその中でも“記憶と音楽”をテーマとして最も完成度が高い曲です。
・歌詞が普遍性を持つ
・メロディが自然で覚えやすい
・アレンジが物語構造の一部として機能している
・カレンの声がテーマと完全に一致している

これらが一体となり、「自分自身の人生の一部として聴こえる」レベルに到達しています。聴く人の経験によって意味が変わる曲は数多くありますが、その変化を前提に設計されている曲は多くありません。

読者が聴き直したくなる一言

あの日の自分と今の自分が、ひとつの曲を介してつながる感覚──それが最も強く現れるのが、この『Yesterday Once More』だと思います。
ぜひ、静かな時間にもう一度聴いてみてください。音の向こう側から、自分だけが知っている“あの頃”がそっと姿を現すはずです。

いかがでしたが、今回の『僕の勝手なBest20【カーペンターズ】編』は?
僕を洋楽の世界へ導いてくれたアーティストです。どの曲も懐かしくてなりません。

今回取り上げた20曲は
Youtubeのプレイリストでお聴きいただけます。

過去のシリーズ全体は以下のYoutubeでお聴きいただけます。
➡「僕の勝手なBest○○シリーズ」


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