🎸僕の勝手なBest15【ビリー・ジョエル編】- 第15位『Vienna』をご紹介!

【ビリー・ジョエル】について、詳しくはこちらをご覧ください。・・・・Wikipedia!

僕の勝手なBest15 【ビリー・ジョエル】編を始めます。

本日より、僕の勝手なBest15【ビリージョエル編】を開始します。
曲数は全部で15曲。
ビリージョエルも僕の青春時代とほぼ被っていて、影響受けた一人です。同世代の方や、その後のファンの皆さん、そしてここで初めて彼のことを知ったみなさんも、是非楽しんでいってください。
(※1979年 の5月21日・22日に”52nd Street Tour”と題して行われた日本武道館でのライブに行きました。全部は覚えていませんが、ステージにはピアノが数台置いてあり、ビリージョエルが飛び回りながら、ライブをしていたのを今でも覚えています。)

🎸【ビリー・ジョエル編】第15位『Vienna』を深掘り!

1977年に発表されたアルバム『The Stranger』に収録された楽曲が『Vienna(ヴィエナ:ウィーン)』です。
「Just the Way You Are」や「Movin’ Out」など、シングルとして大成功を収めた曲が並ぶ一方で、この曲はチャート上では目立ちませんでした。しかし、アルバム全体の流れに落ち着きを与える役割を担い、聴き手の記憶に残る存在となりました。
この曲を日本では、一般に「ウィーン」と呼んでいます。『Vienna(ヴィエナ)』とはドイツ語で、オーストリアの首都ウィーンのことを指しています。

🎥まずはいつものように、Youtubeの公式動画をご覧ください。

🎬 公式動画クレジット(公式音源)
曲名:Vienna
アーティスト:Billy Joel
アルバム:The Stranger(1977年リリース)
レーベル:Columbia Records
📖 2行解説
「ゆっくり生きろ」というメッセージを込めた名曲で、人生の焦りにブレーキをかける歌詞が特徴。
『The Stranger』収録曲の中でも、長年にわたり多くのリスナーに愛されているバラードです。
こちらは、 公式動画Official Video (MV)です。

超約:曲が伝えるメッセージ

『Vienna(ウィーン)』は、走りすぎてしまう若者に向けて「焦るな、人生には時間がある」と語りかける曲です。欲望や情熱に突き動かされながらも、自分を追い込みすぎれば途中で燃え尽きてしまう。そんな危うさに対して「ウィーンはお前を待っている」と諭すように歌うことで、聴く者に立ち止まる勇気を与えてくれる作品です。

リリースと収録アルバム

『The Stranger』という到達点

『The Stranger』はビリー・ジョエルを世界的なスターへと押し上げた代表作です。(僕もこのアルバムは傑作だと思います)
派手なヒット曲群の陰で『Vienna』は静かに響き、アルバムの緩急を整える小さな要石のように機能しました。聴き込むほどに、この曲がなければアルバムの輪郭は別物になっていただろうと気づかされます。


「Vienna(ウィーン)」という街の象徴

個人的背景との結びつき

ビリーの父親は離婚後にオーストリアのウィーンへ移住しました。そのため、この街は彼にとって家族史と直接つながる特別な場所でした。

ウィーンが放つイメージ

音楽と芸術の都としての歴史を持つウィーンは、ゆったりとした時間感覚を象徴する都市です。アメリカのせわしない生活リズムとは対照的で、「焦らずに歩め」という曲のメッセージを具現化する舞台でもあります。


歌詞に込められた警告

冒頭の一節は、曲全体のテーマを端的に示しています。

Slow down you crazy child / You’re so ambitious for a juvenile
(落ち着け、焦っている息子よ。まだ少年なのに野心ばかり抱いている)

夢を抱くことを肯定しながらも、「走りすぎれば力尽きる」という現実を突きつけます。そして「Vienna waits for you」という繰り返しで、立ち止まることの大切さを諭しています。

普遍的なフレーズ

You got so much to do and only so many hours in a day
(やることは山ほどあるのに、一日は限られた時間しかない)

この警句は時代を超えて響きます。聴き手は自分自身の生活を投影し、限られた時間の中での選択を考えさせられるのです。


再評価への道

こうしたメッセージ性にもかかわらず、リリース当時は注目度が高くありませんでした。ところが年月が経つにつれてファンの間で「静かだが忘れられない一曲」として位置づけられ、ライブやSNSを通じて存在感を増していきました。


ファンの間で広がった再評価

『Vienna』はリリース当初こそアルバムの一部として埋もれがちでしたが、後年ビリーのライブで取り上げられる機会が増えると観客の反応によって価値が再確認されました。SNS時代に入ると「Vienna waits for you」というフレーズが短い名言のように拡散され、若い世代のリスナーにも届いていきました。


世代ごとの響き方

若い世代にとって

学業や就職、将来への不安に直面する若者にとって、この曲は「立ち止まってもいい」というメッセージとして受け止められます。過剰な競争の中で走らされている時、この歌詞は心を休ませる一時の避難所となります。

人生経験を積んだ世代にとって

一方で中高年にとっては、「人生の折り返し地点を過ぎてから振り返る歌」として響きます。歌詞の「無駄に年を取るだけ」「人生半分もいかないうちに倒れる」という表現は、自らの経験と重なりやすいのです。


現代社会との接点

現代はデジタル機器やSNSに追われ、常に「休まずに進め」と圧力を受ける時代です。そんな中で、

Take the phone off the hook and disappear for a while
(受話器を外してしばらく姿を消せばいい)

という一節は、むしろ今だからこそ切実に響きます。電話をオフにする、スマホを閉じる、数日休む――そうした小さな行為に正当性を与えてくれるからです。


ライブで体験する魅力

『Vienna』が演奏される場面では、静かに耳を傾ける光景が多く見られます。ロック曲のような爆発的な盛り上がりはありませんが、むしろその落ち着いた雰囲気こそが強い印象を残し、この曲を特別な存在にしてきた要因の一つと言えるでしょう。

楽曲の構成と雰囲気

『Vienna(ウィーン)』は、ピアノを中心に据えたシンプルなバラードです。派手な展開はなく、むしろ余白を残すことで言葉が前面に出る構成になっています。イントロの穏やかな響きから始まり、最後まで大きな盛り上がりを作らずに終わるため、聴き手は自然と歌詞へ集中させられます。

ボーカルのアプローチ

ビリーの声は力強さを抑え、語りかけるように響きます。若者を諭す歌詞の内容と相まって、説教ではなく温かみのある助言として受け入れられるのです。

穏やかさが生む説得力

歌い上げるのではなく、抑制されたトーンだからこそ説得力が増します。聴く者は「急ぐ必要はない」という言葉を、自然に自分自身のこととして受け取ることができます。


アルバム全体の流れを支える役割

『The Stranger』は多彩な曲調が並ぶアルバムです。ロック調の勢いある曲やラテン風のリズムを取り入れた曲が続く中で、『Vienna』は静けさをもたらす存在となっています。

物語的な配置

アルバムを通して聴いたとき、この曲はちょうど一呼吸を置かせる章のように作用します。派手な楽曲に挟まれているからこそ、緩急のバランスが生まれ、全体の印象を引き締めています。

欠かせない小さな要石

もし『Vienna』が欠けていれば、アルバムはスピード感ばかりが前に出てしまったでしょう。静かな数分間を組み込むことで、作品全体が一枚の物語として完成度を高めているのです。


ビリー・ジョエル自身にとっての意味

『Vienna』にはビリー個人の背景も深く関わっています。父親が暮らすウィーンという街を象徴に据えたことで、単なる比喩を超えた現実味が加わりました。

生涯のレパートリーへ

シングル曲ではないにもかかわらず、ビリーは長年のライブでこの曲を歌い続けています。観客が静まり返り、歌詞に集中する瞬間こそが、この曲がアーティスト自身にとっても特別である証拠でしょう。


現代における新しい響き

SNSやデジタル機器に追われる現代社会では、「休むこと」の価値が軽視されがちです。

歌詞歌詞が示す「休むこと」の具体性

Take the phone off the hook and disappear for a while
(受話器を外してしばらく姿を消せばいい)

この一節が印象的なのは、「休息」を具体的な行動として描いている点です。電話の受話器を外すという行為は、当時の日常に根ざしたリアルな比喩でした。今日の私たちが聴けば「スマホを切って数日間離れる」と置き換えられるでしょうが、重要なのは休む行為を肯定する視点をはっきり提示していることです。


結論:小さな名曲の大きな存在感

『Vienna(ウィーン)』はチャートを賑わせたヒットではありませんでした。けれども、アルバムを支える要石であり、世代を超えて共感され、現代社会にも通じるメッセージを宿しています。

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